京都ダウン症児を育てる親の会(トライアングル)会報


(2010年8月号 掲載)
ぼくの家族はまんまる・はっぴ〜 No.2

長岐明日香

あれよあれよと時は過ぎ、気がつけば夏休み突入。あっという間に一学期が終わってしまいました。夏休みの40日間、とにかく体力勝負です。
はるとは4年生ですが、今でも一人では学校へ行けません。登校班に私がくっついて歩いたり、はるとと二人で歩いたり・・。学校では楽しく過ごせるのですが、出来れば休みたい、家にいたいと思っている子なので、毎朝送り出すのがなかなか大変。『友達やきょうだいと楽しく登校しています。』と会報で読んだり、人から聞くと、正直うらやましくなるのですが、歩きながら一生懸命気持ちを家から学校へと切り替えていくはるとを見ていると、はるとははるとの歩みで・・と思います。真面目な性格のはるとです。学校は楽しい所である前に、めいいっぱい頑張らなければならない場所なのでしょう。下校は只今一人で帰る練習中。ちょっとずつ出来ることから、ファイト!!ですね。

☆リレーにだけは弱気な母。でも・・・。

 3年生以上になるとリレーが登場。今年も、一学期の運動集会と二学期の運動会でリレーがある。母はこれが嫌いだ。いつもははるとも何でも同じように・・と学校にお願いするのに、リレーにだけは弱気な母。明らかに走るのが遅い、勝ちたいという欲がまるでない。去年は走りながら母に手を振った。個人走なら微笑ましいが、リレーではとても笑う気にはなれず、「走れ―」と叫んだ。

 はるとがいるから走る前からビリ決定なんて、はるともチームメートもお互い辛い。でも、だからと言って走らせなくていいですなんて言うバカな母でもない。そのあたりの気持ちを先生に伝え、あとはお任せした。支援学級の先生と4年生の先生全員で話し合ってくれた結果は、はるとも同じようにトラック半周走るということ。「100m走れないというのなら距離を短くするということもあるけど、はるちゃんは100m走りきる力があるのだから、みんなと同じように走ってもらいます。その代わり、どのチームもタイムに大きな差が出ないように、グループ分けや走順を工夫します。」そして、交流学級の先生が弱気な母に言ってくれた。「一緒に頑張りましょう。」

 当たり前やん!と言われたらそうかも知れないけど、嬉しかったなぁ。母が頑張れること・・それはもちろん応援すること。当日、はるとは一生懸命走っていた。バトンをもらって走り出すところは、バッチリ!70mあたりで疲れてきて、おそろしくペースダウン。前を走る子ははるか彼方・・だったのですが、周りからの声援を受けてラストスパート。なんとかバトンをつなぐことができた。その後、チームメートの追い上げで、なんとはるとのチームは一位だったのが、そんなことより、「ぼく、頑張って走った!!」ということに、とても満足そうだった。母はというと、ドキドキしすぎて涙が出たよ。(^_^;)

☆半日参観

 毎年6月に半日参観がある。1〜4時間目まで自由に参観でき、唯一どの子のところにもゆっくり見に行くことができる・・はずなのだが、これが意外と忙しい。子どもたちにもいろいろ事情があって、見に来て欲しい授業や見に来て欲しくない授業が重なるのだ。というわけで、結局半日あっち行きこっち行きとうろうろし続けることになる。

 ゆうかは「見に来なくていいで」と言うので、「先生の顔を見に行くわ」と言って教室をそっとのぞく。あさとは母にいいところを見せようと、先生の質問が終わらないうちに「ハーイ」と手を挙げる。はるとはというと、今回は支援学級ではカレーライス作り、交流学級では『いきいき』(総合学習)の発表だった。好きな調理を途中でやめて交流学級へ行けるだろうかと思いきや、「いきいきの発表見に来てや」と母に言う。

 「何の発表するん?」「ホタルのエサ!!」守山は「ホタルのすむまち」ということで、4年生はホタルについて調べたことをグループで発表することになっていた。はるとの教室に行くと、手作りのホタルの羽を背負って、大きな声で発表するはるとの姿。「ホタルの幼虫はかわになを食べます。・・・」他のお母さんにも「上手ね」「しっかりしたね」とほめてもらえるほど、そして母がびっくりするほど堂々と上手に発表していた。

 きっといっぱい練習したんだろうな。いつも4−1の勉強は嫌やなぁという顔をするはると。でも、こんなはるとを見たら、やっぱりみんなと学習できる時間も大切にして欲しいと母は思う。自信にあふれた顔がカッコ良かったよ。それぞれ頑張る3人の姿・・・台湾のパパにも見せたかったな。

☆5人そろって ハイ・チーズ!

 我が家には、年に一度の恒例行事がある。私たち夫婦が結婚した5月頃に、家族写真を撮ってもらいに行くことだ。私たちの結婚式の写真が一枚目。そして今年で14枚目。今回はランドセル持参で出かけた。

 去年・今年と3人そろって小学生。3人が同じ学校にいると、何かの行事の時はとんでもなく忙しいけど、共通の話題盛りだくさんで楽しい。そんな生活も、そして3人がランドセルを背負って登校する姿を見られるのも、あと一年足らず・・と思うとなんだか寂しい。

 ということで、今年はランドセル姿で写真を撮った。だんだん子どもたちも大きくなり、写真撮影を楽しむというよりは、両親のそんな思いに付き合ってくれているという感じ。そのうち面倒くさいって言われるのかな〜。でも、家族の歴史を撮っておくのもおもしろいよ。
これからも一年に一回付き合ってね。

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