京都ダウン症児を育てる親の会(トライアングル)会報


(2011年8月号 掲載)
2011年度総会の報告&講演会の感想

 6月19日(日)京都市障害者スポーツセンターにおいて、2011年度のトライアングルの総会、牧口一二さんの講演会が行なわれました。参加者は49人。子どもたちも、1才の赤ちゃんから青年まで39人の参加でした。

 総会では、2010年度の決算報告、活動報告、2011年度の予算案、行事計画などの報告がありました。ここ数年、乳幼児部の活動も盛んに行われ、改めてトライアングルの行事の多さを感じました。就学座談会やさんすう教室など、世代交代しながら継続させていきたいということや、たまには親だけのランチ会や女子会をやりたい…などいろんなご意見をいただきました。そして、これまでに引き続き、事務局員は高平、木村、近藤、島崎、福山、西村、渡辺、小寺の8人で承認されました。すべての議事が拍手で承認されました。

 続いて、牧口一二さんの講演会が行われました。関西弁のストレートで実直な話し方は、京都の方にはもしかするとちょっと乱暴に感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、大阪育ちの私にはとても心地良く、ことばの裏に込められた愛を感じ、心にじわっと伝わってきました。人間臭くてとってもステキなおっちゃんでした。

 お母さんにとっても愛されて育てられ、親に自尊感情を傷つけられることなく生きてこられた牧口さんは、若いとき、障害者運動の青い芝の「親は敵だ」というのを、どうしても納得できなかったそうです。そしてそのことを、青い芝のひとに問い詰めたという話。どうすることもできない”親子”という関係に、みんな少なからずやっぱり悩むもんだなあと思いました。私も子どもが小さいとき、青い芝のひとの「母よ、殺すな」という本を読みました。以来、母という抑圧的な立場を認識し、子どもの可能性をつぶさないように、子どもの成長の邪魔をしないように…と自分に言い聞かせています。牧口さんのお母さんのお話、もっともっとお聞きしたかったです。

 俗に言う障害をもったその右足を、奥様は一番好きとおっしゃったそうで、ご自身もからだのなかで一番愛おしいと頬ずりしてチューをする牧口さん、と〜ってもステキでした。ものごとをマイナス思考でみるのではなく、マイナスであることの価値を感じようというお話…。自分のことを信頼している牧口さんだからこそ、人間の底力、ひとの情の深さを信じることができ、そしてそれが「ゆめ風基金」というすばらしい活動にもなっているのだろうと思います。地震のあったすぐ2・3日後に、あるメーリングリストで牧口さんからのメールが転送されてきました。「2億円あります。困っている障害者がいたら教えてください。」と。ものすごい人だなあと思い、今回のお話を楽しみにしていました。素晴らしいお話が聞けてよかったです。

小寺


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