小寺さちこ 311の大震災と原発の事故以来、東北、福島の障害児はどう過ごしているだろう…自分だったら避難できるだろうか…と考えると胸の詰まる思いをしながら過ごしてきました。福島を中心として広範囲にわたる放射能の被害、内部被曝のこと、国策を知れば知るほど、原発に反対する気持ちも膨らみます。でも、内部被曝の恐ろしさを聞くとき、放射能の影響で障害児が生まれる可能性がある…と聞くたび悲しい気持ちになり、放射能がなくても元々自然の摂理として生まれるものだし…、障害児が生まれるから原発に反対するんじゃなく、命そのものが脅かされるから反対するのであって、それは優生思想じゃないか?差別を助長するんじゃないか…と思わずにはいられません。 そして現に、出生前診断を発達させ、お金もうけに利用されようとしています。命の選別をするための診断であることは暗黙の了解です。お金のあるなし、情報のあるなしで、ダウン症の子の命が奪われていくのです。ダウン症の子は不幸だ、育てる親が不幸だという勝手な前提で…。 今の日本のあまりにも厳しい現実、検査結果に対するフォローもされない中、母親が本当に自分の純粋な思いで生むという選択をできるのでしょうか。公平な情報が与えられるとは到底思えない今の状況で、本当に母親のための出生前診断といえるのでしょうか?選択するということは、女性にとってそれだけで辛いことだと思います。そもそも、子どもも命も思い通りになるものではないはずです。 私はダウン症の子どもが生まれるまで、ダウン症のことを知りませんでした。ダウン症の子どもが、生まれてからどれだけ多くのことを教えてくれたか、どれだけこの子が私の心を豊かにしてくれているのか…。親の私たちにしか言えないことなのです。出生前診断のことを考えていると、ダウン症児は生まれないほうがいいという社会の頑なな前提に、悲しくなってくるのですが、そんなとき、安積遊歩さん(トライアングルで講演もしていただいた)のホームページを読むと胸がすっとします。安積さんの感性が素晴らしくて、力強いメッセージに励まされます。 HP「多様性の宇宙へ」から安積さんの了解を得て転載させていただきます。 安積遊歩さんのブログ「多様性の宇宙へ」「内部被曝の脅威」を読んで 2011-10-11 安積遊歩さんのブログ「多様性の宇宙へ」 差別的キャンペーンをやめよう 2012-6-13 |