京都ダウン症児を育てる親の会(トライアングル)会報


(2018年8月号 掲載)
総会・講演会 報告


 
 6月24日、北いきいきセンタ―で今年度の総会と中根先生の講演会を行いました。ただ、直前になって京大院生の高橋さんという方から「ダンスムーブメント療法研究」体験の為の説明とパフォーマンスをみんなの集まる所でさせてほしいとの依頼があり、それもやっていただくことになりました。
 
 おかげで総会は超特急で進み、いつもなら決算、予算案などを細かく読み上げるところを省略したりしたおかげで、1時間もかからずに全部の議題を終えて、みんなに拍手で承認していただきました。そのあと、何人かが近況報告もしてくださり、新しい環境で戸惑ったり、悩んだりしている様子の一端もかいま見えました。
 
 高橋さんのパフォーマンスはマイケル・ジャクソンみたいなダンスから始まり、珍しい道具を使って子どもたちと遊んでくれる様子はナカナカ興味深く、子どもたちもノリノリでした。
 
 続く講演会は府立大学准教授 中根成寿先生の「障害者総合支援法を使って本人と家族と親が生きていくための話」。大学院生だったころ、トライアングルにかかわって、合宿や父親の会や、いろいろ参加してくださっていた中根先生は、大きな子の親にはおなじみ、お久しぶりのなつかしい方でした。
 
 障害福祉サービス予算は10年前に比べたら2.5倍に増えたけれど、「親なきあと」を考えると、親の不安は依然としてへっていない。事業所と行政の利益が一致したところで、黒字の出やすいサービスは伸びた。デイサービス、ホームヘルパー、作業所等。親はケアを他の人にまかせて、口うるさい監視役でいよう。いろんなサービスの特徴、欠点なども話して下さいました。どれとどれを組み合わせていくのか、どんどん変わっていく制度の中でどんなことが可能なのか。専門家に教えてもらいながら、親の思いも突き合わせて、子どものこれから先のくらしの場所と生活のスタイルを決めていくのは、親がまだ元気で動ける今のうちから始めなくては、と改めて思いました。
 
 中根先生の話のあと、佐々木さんが、少し前から一人暮らしを始めた元治君がどうやってここに至ったのか、どんな制度を使ってそれが可能になったのか、フロアから発言してくださいました。
 
 「親亡き後」も心配だけれど、高校を出て、20才前後で、またはもっと大きくなってから、今、こだわりが強くなったり、ひきこもったり、調子を崩している子どもたちも何人もいて、そんな悩みを抱えた親御さんからの発言もいくつもありました。佐々木さんは、親は一生懸命育ててきたけれど、でも親のちょっとした態度で違ってくるかも。大好きだよ、あなたのことが大事、そんな分かりきった、てれくさい言葉も、ちゃんと子どもに伝えてね、そんなアドバイスもいただいて講演会を終了しました。
 
 子どもたちはボランティアさんと一緒にホットケーキを作り、アイスクリームをのせて食べたあとは、高橋さんが遊んでくれたり、卓球したり、他の玩具で遊んだり‥と、おもいおもいの時間をすごしました。ボランティアさん、いつもありがとう。中根先生、高橋さん、ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。(島嵜)

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