京都ダウン症児を育てる親の会(トライアングル)会報


(1998年8月号 掲載)
父親の見た有香の 

中学生時代(授業参観など)

高平福治   

2年生になって有香の学校での行動が少し変化しました。授業が始まるのに教室に入れないとか、職員室にたびたび顔を出すことなどです。今までも このようなことはありましたが頻度が多くなったようです。2年になり新しい環境に慣れない緊張感や思春期の微妙な心の揺れが行動に現れてきているのではと思っています。

 休み時間みんなの話題についていけなかったことや、有香に対する ちょっとしたクラスメートの不用意な言動なども影響している様です。でも、それらは周りの友達や先生の配慮で徐々に解消されつつあります。親の知らない間に思春期に入っているのでしょうね。微妙な心の揺れをコントロール出来ない状態なのかもしれません。それに まだまだ 親に甘えたい年代ですし、そんな事も絡んでいるのかも知れません。

 しかし、いずれにしろ 彼女自身の問題ですから親としては解決への努力と言うか葛藤への答を出す動きを じっと見守っていくしかないのではないかと思っています。


 先日、授業参観に行ってきました。相変わらず親や知った人を見かけるとVサインを出しています。しかし教科書、ノート、プリントなどは きっちり机の上に並んでいますし、開いているページもあっていました。それなりに授業が受けられている様で、1年生の時に比べて随分 安心して見ていられました。

 授業は技術・家庭科で牛乳を素材にした食品成分の話でした。授業中は先生に「たかひら!」と一度 注意されたものの、感心を持って聞いていた様です。

 朝 出かける時に、母親は参観後PTAの用事があるので参観が終わったら「お父さんと一緒に帰ろう」と言ったら「わたし、一人でかえる」と あっさり振られてしまいました。我が身を振り返って見れば当たり前のことですよね。私自身、中学生の頃は親と歩くなんて ホントに嫌でしたから。

 学校から帰ってきた娘に、「今日の勉強なんやった」と聞くと「牛乳」との答が返ってきました。「牛乳のどんな話?」「忘れた」「牛乳にもいろんな種類がある・・じゃなかったかな」「わからん」 どうも都合が悪くなったり、邪魔くさい事となると「忘れた」「わからん」と言うのがここ数年の悪い癖。「どんな種類があったっけ?考えてよ」 それ以上追求すると「公文(式の勉強を)するねん」と さっさと逃げて行ってしまいました。


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