京都ダウン症児を育てる親の会(トライアングル)会報


(2002年12月号 掲載)

見学 がんばカンパニー

柵木郷子   

 瀬田駅から、車で5、6分の静かな民家の中に、その工房はありました。
1階が事務所、休憩室、クッキーの袋詰め等をする仕上げ室、すっきりとした2階には、大きな作業台、オーブン、もう1つの休憩室等が有り、4、5人の仲間が和気藹々とクッキーの型抜きをしていました。そのかたわら、クッキーの事を良くお勉強したお姉さんが、ゆったりとした様子で、私達に企業秘密? を交えて説明してくれました。年間売上額は“えーー”と思うぐらいあり、その秘密は、ここのクッキーの材料の品質の良さ、おいしさに有る様です。営業にも余念がなく障害のある人、ない人、が一丸となって働いている様でした。

 そういった事も有り、最低賃金の保障もされていて、働く者にとっては“はりあい”がでるのでは? と思った次第でした。

 子どもの事でお世話になっている新藤先生の知り合いの方が、ここを含め、3軒の作業所を立ち上げられ、トライアングルの数人と見学に行った訳です。いずれも特色のあるものでしたが、根底には「障害のある人も、ない人も、共に生き、働く場所」という基本理念がこちらにも伝わってきました。

 子ども達も随分成長してきた今、どの親にとっても、子どもが将来どんな形で社会と関わっていくかが一番の問題だと思います。ここを立ち上げた方と雑談をしてた時、ポツリと言われた事を思い出します。

 学校を卒業した後、すぐに作業所ではなく、「集える場所」をとーー!!
いろんな意味を含んだ言葉だと感じ、共感しました。これからの長い人生、そんなに急いで働かなくともいいかなーと、またまた感じた次第です。


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