京都ダウン症児を育てる親の会(トライアングル)会報


(2002年12月号 掲載)

CAP(子どもへの暴力防止プログラム)に参加して

大坂田久美   

 こんにちは、大阪田です。久しぶりにトライアングルの原稿の依頼をもらって少々緊張気味ですが、感じたままを書かせていただきます。

 家族は高2の娘、中3の息子と私、ついでに猫が1匹、金魚3匹、カメ2匹ひき。中3の息子の敦が料理教室に参加している間にとたまたま参加したのが“CAP(キャップ)”でした。

 講師の方たちは丁度、私たち参加者とそこそこの女性が3名。これから一体何が始まるんだろうかとの思い。胸には、子どもの頃のニックネームの名札を付けてからのスタートでした。というのも、参加者それぞれがニックネームで呼び合うことで、丁度3、4年生ぐらいの気持ちを持って話を聞いてみるというねらいだそうです。講師の方も、子どもに話しかけるように進行されました。

 まず、「暴力」とは何かと、問い掛けられました。身体への言葉へのその他さまざまな種類の心が傷付けられる内容が参加者から出されました。そして講師から、これらは人が生活する上での「安心・自信・やる気」すなわち「人権」が守られていないことです。と導かれました。

 日常ありそうな場面を寸劇で見せて頂き、問題を見つけて意見を言い合った後、講師の方が解決の糸口を見出してくださるというようなものでした。この寸劇は、誰もが知っていそうなイジメの場面である為、終わった時に会場はシーンと静まり返ってしまうのですが、「終わり」の拍手を促すことで現実に戻らされました。まるで、催眠術の「3、2、1、はい! 目を開けて下さい。」に似ていました。

 隣の部屋からハンバーグの焼くいい匂いがしてきてから後、全員でお弁当を食べながら、和やかな時間が過ぎました。午後は、“CAP”についての説明と、質問の時間に当てられました。大変具体的な質問があったのですが、講師の方々の経験豊な意見が出されたと思います。

 昨年、息子が通う中学校で作業所に通う女性に暴力を振るうという事件がありました。いろいろな波紋がありましたが、どの家族でも家庭単位の危機管理みたいなものが必要だと改めて思わせれました。ついこの間も、通所施設の職員の方からは、園生に対して心ない周りの大人たちからの言葉の暴力が、常にあることも聞きました。問題なのはいう方がそれを暴力だと気が付いていないという事だと。

 我が家では、もめごとに対して、先に手をだすな、危ないと思ったらすぐに逃げろ、と折りに触れて話しています。特に敦には後者の方を強調しています。敦は来年、高校生になる予定です。1人での行動範囲も今までとは比較にならない程になることでしょう。何があるかわからないこの時代、大変必要な話を聞かせて頂いたと満足しています。

 余談ですが、早速、息子の学校の先生にテキスト持って行きました。せめて、育成学級の生徒たちが自身を守る知恵を少しでも身につけてくれる材料になればと思いまして。


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