京都ダウン症児を育てる親の会(トライアングル)会報


(2004年12月号 掲載)
   CAP(きゃっぷ)ワークショップ
「子どもが暴力から自分を守るためのプログラム」
10/23.11/3.4に行われました   

小寺幸子   

 CAPのワークショップに参加させていただきました。とても有意義な時間を過ごすことができ、ぼうしの会の皆さんに感謝です。

 なかでも子どものためのワークショップには感動し、色々と考えさせられました。トライアングルの子どもたちとは、親と一緒かボラさんと一緒のところしか会ったことがなかったので、子どもたちだけが輪になってお互いの話を聞き応援しあいながら盛り上がっている場面は少し意外でもありました。(私もまだまだ思い込みと偏見の固まりだなあ・・・) その雰囲気は思わず顔もほころぶ何とも言えないやさしく和やかな感じでした。CAPの講師陣の細やかな心づかいやその人柄に、子どもたちはどんどんひきこまれて楽しい時間を過ごせたようです。劇にはほとんどの人が出演(?)し、恥ずかしがりながらも結構楽しんでいました。

 始めは少し緊張気味だったみんなも、最年長のゆかちゃんや賑やかなあつしくんに引っ張られるように積極的になっていきました。人それぞれ反応や表現は違いますが、ぼうしの会のメンバーの思いが伝わったことははっきりと感じられました。「一緒にいると安心する人は?」の問いに「お母さん」「友だち」「ボラさん」・・など、「自信のあるときはどんなとき?」の問いには「仕事をしているとき」「家事をしているとき」など、どの答えも興味深く頼もしくも思えました。「イヤ!」(振りつき)の練習をみんなでしましたが、なかにはなかなか言えない子どもたちもいました。みんなそれぞれ「イヤ」って表してはいるんだけど、身近な人にしかわからない表現だったりもします。でも、やっぱり権利が奪われそうになったらはっきり「イヤ!」と表す力をひきだしてあげたい。親以外に安心できる人や相談できる人がたくさんいて欲しい。暴力や権利のことなど家ではなかなか言葉にしないようなことですが、あえて言葉にして子どもにも話しておく必要性を感じました。

 「子どもは親の思うようにしかならない」とおっしゃったのが心に残っています。
子どもの力を信じること・・そして子どもの持っている力をそのまま発揮できる環境であること。子どもがいくら力を持っていても、まわりとの関係性によって失ったりいかされたりするのだということを心に刻もうと思いました。

 「自信があるのは?」の問いに迷わず「自分!」と答えたゆかちゃん。以前の会報にもありましたが「ダウン症は楽しい」と言ったゆかちゃんです。今回のワークショップで改めてステキな女性に成長していっているんだなあと思いました。ぼうしの会のみなさんはもちろん、子どもたちにも親のありようを教わった貴重な時間でした。


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