京都ダウン症児を育てる親の会(トライアングル)会報


(2010年12月号 掲載)
ぼくの家族は まんまる・はっぴ〜 No.4

長岐明日香

 みなさん、こんにちは。
暑かったのが嘘のようにすっかり寒くなり、カレンダーもあと一枚。ジングルベルが聞こえてくる季節になりました。日が暮れるのが早くなって、ゆうかは友達と遊ぶ時間が少なくなり残念そうですが、夜の時間が長くなった分、トランプやすごろく、花札に読書・・・家族でゆっくり過ごす時間ができるのが、この季節の魅力です。はるととあさとがおでこをくっつけて積み木やブロックで遊ぶ姿は、なかなか微笑ましい光景なんですよ(^.^) 
2学期もあとわずか。それぞれがまた少し成長したな〜と感じる今日この頃です。

☆芸術の秋!

 10月、ピアノの発表会があった。初めての“3人一緒の発表会”。
子どもの部のトリを務めたのはゆうか。ここ何回か本番での失敗が続いていたゆうかは、今回こそ!と一生懸命練習していた。発表会の一週間前になって、「間違えたらどうしよう」という恐怖に襲われ、できていたことができなくなって涙・涙。でも、「やった分だけ返ってくる!」と母や先生に励まされ、そこからさらに猛練習し、本番では見事自分の気持ちに勝っての満足いく演奏だった。ヤッター!!という笑顔が最高(^^♪ 

はるとは2回目。初めて出演した時は、先生に左手を弾いてもらい、緊張したのかテンポがスローになったり、リズムがあれれ??になったりだったけど、今回は一人で舞台に立ち、落ち着いて3曲弾いて戻ってきた。はるとが弾く音はとても響きが良いと、いつも褒めてもらえる。ピアノを弾く姿は堂々としたもので、はるとも満足そうな笑顔(^^♪(^^♪

そして、あさと。今回が始めての発表会。直前のリハーサルまでは余裕を見せていたのに、本番ではうそ〜!!って言いたくなるくらい慎重に弾き始めた。きっとガチガチに緊張したんだろうなー(笑)弾き終わった後、舞台袖に迎えに行った母を見つけたあさとは、ほっとした笑顔を見せた(^^)
三人三様の発表会。みんな、よく頑張った!母もパパも、今回は3回ドキドキしたよ。

そして、はるとはこの半月後、同じ曲でピティナ・ピアノステップに挑戦。発表会形式で課題曲と自由曲を弾き、アドバイザーの先生に判定と講評をいただく。はるとが誰かにピアノを聴いてもらう楽しさを感じたり、自信をつけることができるのでは?と先生が勧めてくれた。今回は2回目。発表会が終わったばかりのはるとは慣れたもので、余裕の笑顔で舞台へ上がっていくと、楽しそうにピアノを弾いた♪ 結果は『合格』・・なんだけど、そんなことは関係なくて、舞台の上で弾けたことに大満足だった。人の前で演奏するのは、ドキドキするけど楽しいなぁって感じ始めている様子のはるとです。

☆待ちに待った誕生日。

 はるとは11月4日生まれ。その1ヵ月前頃から、はるとの手紙攻撃が始まった。『たんじょう日、まだですか?プレゼントください。はるちゃんはチョコレートケーキがいいです』こんな手紙を何通もらったことか・・。我が家は4月から7月まで誰かの誕生日が続き、1人離れているはるとは約半年誕生日を楽しみに待っている。10月末、ハロウィンの飾りを『はるちゃん、おめでとう』の飾りに変えると、はるとは「うれし〜!」と大喜び。気持ちを抑えきれなくなっているのがよくわかったので、4日早い日曜日に、家族でお誕生会をすることにした。ケーキはもちろんチョコレート 『どんどん伸びて天まで届け〜♪』というあるお誕生日の歌に合わせて、親が高い高いをするのが我が家のお誕生会の恒例行事。
が、しかし・・母は今年、はるとを抱き上げることができなかった(~_~;) 重たくなったなぁ。
でも、パパにはしっかり高い高いをしてもらったよ(^^)v

はるとは10歳になった。生まれた日の朝をはっきりと覚えているのに、もう10年も経ったのか・・。ただただ、走り続けたような気がする。生まれた時から書いている育児日記も、はるとの分だけで大学ノート20冊分!!アルバムを広げると、意外とはると1人の写真がないことに気付く。いつもゆうかやあさとが横にいる。この10年、本当にそうだったな〜。“ダウン症の子の母”としては、特別なことは何一つやってあげていないような気がするけど、ゆうかやあさとが はるとのことを大事にしてくれていたり、はるとが ゆうかやあさとを心から慕う姿を見ていると、母である私もよく頑張ってきたんちゃう?って、ちょっと自分を褒めてみたりもする。仲の良い3人が、母の自慢。母の宝!!
そして、ダウン症の告知を受けショックを受けている私に、主人が言ってくれた「今、赤ちゃんのことが愛しくて仕方がない。」という言葉は、10年経った今も、私を支える宝物。

☆漢字を頑張って覚えています!

 3年生の後半から1年生の漢字を取り組み始めた。はるとは初めての漢字(というか、全ての初めてのこと)に対して、不安や できない!という思いが先にあり、その気持ちを乗り越えるのがまず課題。ちょっと形の難しいものが出てきたりすると、書く前からできない!になってしまうけど、ゆっくり無理をさせず、でも工夫をしながら不安を除いてあげると、ある日シュッと書く。一緒に横で書いてあげるとか、見える所にその漢字を貼ったり書いたりしておくとか。今、書けて読めるのは72字くらい。1年生の漢字は全部で80字だから、あと一息やね!コツコツ努力・・・そこが、はるとのいいところ!


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