京都ダウン症児を育てる親の会(トライアングル)会報


(2011年12月号 掲載)


〜 白浜アドベンチャーワールドへの旅 〜

茉莉香7歳 & へなちょこママ

 夏休みは学童にひたすら通いました。仕事が忙しくてどこにも連れて行けなかったので、9月に急に思いついて連休1週間前にネットでホテルを予約し、みどりの窓口で、パンダトクトク切符を買い、おばあちゃんを留守番に置いて、初めての2人きりの旅にでかけました。

 いつでもどこでも車の私達ですが、今回はアドベンチャーワールドと、とれとれ市場だけを目的に電車とバスのゆっくりのんびり旅です。

 電車の中は、さすがに小学生、遠足でのマナーを叩き込まれているようで、「電車の中ではお茶は飲んだらあかん、静かにする」と私に注意してくれました。スーパーくろしおに乗ってからもお行儀良くできました。お弁当を食べ、車内販売で買ったジュースを飲み、窓の外を見たり、小さな声で話を耳元でしてくれたりと、私が寝ている間も静かに一人で過ごしていました。

 初めて電車のトイレに行きました。しゃがむまでは良かったですが、電車の揺れが気になりできませんでした。「電車揺れてるから、できへん」と5分ぐらい頑張ったのですが出ず。そんなことをトイレ内でやっていると停車駅に止まったようで、「まりか、今のうちや電車止まってる」と言い聞かせ何とか用をたすことができました。汗だくのトイレでした。

 そして、バスに乗り換え到着!! アドベンチャーワールドのゲートをくぐった瞬間に、まず入り口のペンギンに絶叫し、「ぺんぎんさーん!きゃーーーー!」と走って行ってしまいました。次にフラミンゴのマネをしてうろうろし、イルカショーが始まる時間を母だけが焦っていました。

 イルカショーでは初めはおとなしく(もちろん歓声は上げていました)見ていましたが、音楽とともに手拍子が始まると、スタンディングオーベーション状態となり、通路に立ちノリノリで踊っていました。

 サファリは2階建てバスを予約して2階席での観覧でしたが、茉莉香が座っている側に必ず動物がいるわけではないのですが、反対側の席の若いお姉さんが、その度に声をかけてくれて、動物のいる側に移動して見ることができて、一人大満足でした。いつもながらどこでも得な人だなぁと思います。

 閉園の時間になっても名残惜しくて帰りたがりませんでした。お土産売り場では、パンダのグッズの多さに感激し、消しゴムと下敷きを持ってきて「噛まないから買って」とねだられ、噛まない、大事にするという約束で買うことにしました。(1年生の時に文房具を噛みまくってたので、噛んではいけないと言うことはわかっているので、こんなねだり方をします。)

 「まりか自分で買うから、お金ちょうだいひとりでできるから」とレジに並んでいました。なんでも自分一人でやれる、やりたいという気持ちが日に日に強くなり、そんな行動も大切にして行きたいと思いつつ、お金と物の有難たさをどう教えたらいいのかと思案中です。ヒント募集します。

 ホテルではバイキングの食事に堪能し、お風呂も2回入り、広い和室にぽつんと布団が2つあり、「ひろーい」と良いながら贅沢な空間を楽しみました。でも、寝る前に、学校の宿題の日記を持参していたので、今日のことを日記に書きました。

 翌日は、観光地を巡り海鮮市場の‘とれとれ市場’に行きました。マグロの解体ショーにかぶりつき、色んな魚をみて試食をいっぱいして楽しみました。

 最近は荷物を見ててね、ここに座っといてねが、出来るようになり、「ママ、お寿司買ってくるからまりちゃんお席で待っててくれる?」ということもきちんと座って慌てることなく待っていられました。大好きなマグロのお寿司をたらふく食べました。また、ソフトクリームもお金を持って一人で店員さんに「アイスクリーム下さい」と言い、お金を払って戻って来れました。「ひとりで買えた」と笑顔で戻ってくる姿は、眩しかったです。お土産はお腹の中にいっぱい入れて、おばあちゃんのするめだけ買いました。(実は、歩かない抱っこしてと、いつ言い出すかが怖くて荷物が増えるのでお土産が買えませんでした。)

 帰りは白浜駅に早めに着いたので、電車を待つ間にまたまた日記を書きました。ここまでして宿題させるか〜と思いながら、他人の目も気にせずやり終えました。

 パンダシートにわざわざ座りに行き写真を撮ったりと、2人で電車の旅も満喫しました。細かいことだけど、色んな成長も発見できました。そして、いつもながら茉莉香と一緒だと本当に色んな人に声をかけられることが多くて、人の暖かさを感じる事が多くあります。世の中捨てたもんじゃないなと、人とのふれあいにも感激した旅でした。(追記:パンダの消しゴムは3日で無残な姿になりました) 


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