京都ダウン症児を育てる親の会(トライアングル)会報


(1998年12月号 掲載)
父親の見た有香の 

中学生時代(兄弟との関係)

高平福治   

 2学期は体育祭、文化祭など親にとって子供をじっくり見る機会が多くあります。しかし今年は仕事が忙しい事もあり行事には、まったく顔を出せませんでした。

 親ばか チャンリンと囃し立てられるのを覚悟のうえで今回は有香と兄弟との関係を少し書いてみたいと思います。


 数ヶ月前のことです。子供達3人と電車に乗る機会がありました。妻の実家へ行っての帰りです。電車は 案外混んでいて最初は座れませんでしたが、途中から席がいくつか空きました。有香と弟のRは並んで座り、兄のSは そのまま立っていました。私は3人の行動を観察する為に、少し離れたところで見ていました。

 Rは、有香の見ていた猫の本を覗き込んだり ちょっかいを出したりしています。今年高校生になったSは対照的に二人に背を向けて立っています。しかしSの注意は 明らかに有香とRに注がれているのが 端から見ていても解ります。

 Sが2才の時に 有香が生まれました。誕生から2年余りは、私たち夫婦はもっぱら有香に掛かりっきりだったので、幼いSに寂しい思いをさせたようです。大きくなるにしたがって有香に対しては一見 無関心を装うことが多くなりましたが、本当は ずいぶん気にかけているように感じます。 他方、Rは2才年下。物心ついた時から 有香がいたし、天性の楽天家も手伝ってか 姉の障害などまったく気にする様子もなく自然に振る舞っています。

 兄は長男という見えない荷物のせいもあると思いますが、まるで親が見るような視線で妹を眺めているときもあります。弟はごく自然に有香を同胞、姉として受け入れている。この好対照な二人を見ながら、親として頼もしい兄弟だと思っています。


 最近の有香の行動・・文化祭の学級制作の班リーダーに立候補、会合などで遅い下校に「しんどい」と言いながらも誇らしげでした。母親が体調を崩したときは「お母さん、早く元気になって」と母あてに優しい手紙を書いていました。学校で意地悪をされて母親に「男子がした。超ムカツクー!」と一言。家庭科クラブは学校での楽しみのひとつ、特に料理は大好きです。「おいしいパンやで クラブで作ったん」と有香。私もご相伴にあずかりました。

 目下、昨年から習い始めたピアノを頑張って練習しています。(年末に内輪の発表会があるので・・・) どんな演奏を聞かせてくれるか楽しみです。


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