高平福治
これは体育祭を前に家族に対して応援をお願いする様に学校が生徒(有香)に書かせたものです。文章としては舌足らずで読みづらいですが、あえて原文のまま載せます。 ここに出てくる おばあちゃんは私の母親です。特別養護老人ホームに入所していることもあり、ここ数年は年に数回しか会っていません。最近は会っていませんが、以前会ったとき、痴呆が進んで家族の名前すら判らなくなってしまった おばあちゃんのことがショックとして頭の中に残っていたのかも知れません。 この手紙を読んで私は、普通の中学生ならば、あえて痴呆の家族のことなどは、たぶん書かないでしょうが、彼女は「家族」と言う言葉から、そのとき一番心に感じたことを率直に書いてくれたのではないかと思います。それには目の前にいない家族に対しても彼女なりの思いで回復を願っているやさしい気持ちが現れており嬉しく感じました。 今年の体育祭は仕事の関係で見に行けなかったのですが、母親や先生からの連絡帳によれば、有香は なかなか頑張ったようです。借り物競争ではハードルを持って走ったそうで、本人いわく「しんどかったぁー」の一言。集団での棒引きや応援合戦も楽しめたようで最高の出来だったようです。 体調が悪かったせいもあって、ぐずぐず言って友達や先生に励まされながらの1年目の体育祭。2年の時の級友と二人で力を合わせてのボール運びなどの光景をつい思い出しました。 みんなのお陰もあって中学最後の体育祭はいい形で終えることが出来たようです。 |