京都ダウン症児を育てる親の会(トライアングル)会報


(2004年2月号 掲載)
リレー通信 父親の部 No.5   

望月克彦

 こんにちは。望月高子の父です。トライアングルに参加してもう17年。
 久しぶりに参加させてもらったクリスマス会での音楽療法に、そういえば小さいときよくやったな、と懐かしくなりました。当の本人は久しぶりの再会にもかかわらず、高校生の中に混じってダンスをやっていました。

 現在、高子は養護学校の2年生。紙工作(牛乳パックを溶かして葉書や名刺をつくる)、卓球部に所属。名探偵コナンとワンピースが大好き。夜更かしもするし、携帯電話を持ち歩く普通の高校生です。

 「早く寝なさい!」と言えば、「はいはい」「わかってるーー」と誤魔化され、部屋の片づけを注意すると「うるさい。あっち行って!」と言う。うどんとウインナーをこよなく愛し、味噌汁の味にちょっとうるさくダイエットの番組を見ては、アミノ酸のドリンクを飲み、体重計でチェック。年頃の娘です。2歳下の妹に散々怒られながらも、めげることなくマイペース。その高子もいつの間にかの17歳。

 涙したのは告知の時だけで、あとはなるようになる!という開き直りでしょうか。親の心配をよそに子どもは自然にゆっくりと成長してきました。

 1歳前に心臓手術をしたときの心配はウソのようです。大きな病気もなくつい最近の学校での5Kmマラソンも平気でした。

 こうして振り返ると何の心配もなくきたように思うのですが、やはり保育所、小学校、中学校、高校と段階ごとに心配事も変わってきていますが、一方でできることも増えてきました。今では一人で高野の障害者スポーツセンターまで卓球教室に通っています。小さい時には想像もしていなかったことでした。一人で出来ることがどんどん増えていく喜びは、親よりも本人が一番実感しているように思います。できないことを数えるよりも出来たことを数える、そんな気持ちで見守ってきました。

 今の心配事は卒業後のことです。働くことで一人の人間として生きたい!という芽があるようで、職場実習(包装作業や清掃作業)の時は思い切り張り切っています。どんなところで働けるのかまだまだ分かりませんが自分の働いたお金でコミック本やCDを買いたい、という夢を持っています。
 親としてこれからが本当の正念場かもしれません。


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