京都ダウン症児を育てる親の会(トライアングル)会報


(2010年2月号 掲載)
2学期の通知簿

島嵜実幸

 私は2学期の終業式の時に通知簿を貰いました。その通知簿の中を見ると3が5つもありました。今回の通知簿は3が多い事を嬉しく思っています。
3があったのが国語と世界史Aと数学と英語と家庭基礎でした。
2があったのは理科総合Bと体育でした。1は3つあり保健と被服製作とフードデザインでした。補修日は12月21日(月)だけ行きました。
 1月8日から学校が始まって今でも暗い中通っています。眠いし寒いし重いカバンを持って暗い中頑張って学校に通っています。又3学期も頑張って進級になれるように頑張りますので応援の方を宜しくお願いします。


島嵜明子

 2年生の1学期、生まれてはじめて通知簿の中に「3」を3つももらったみゆきは、2学期の通知簿にはなんと、「3」が5つもありました。すごいです。
数学も「3」なのです!四則計算も充分にはできないみゆきが今やっているのは、なんと「二次関数とグラフ」。y=(x−2)2ー3のグラフとか・・。これは頂点が(2、−3)で下に凸の放物線のグラフだって覚えるのです。テストの前日の放課後、いつも数学の時間につき添って下さる補助の先生が、ほとんど試験と同じプリントを何枚もさせて下さって、できそうな箇所をがんばって覚えるのです。家では母も、そしていつもは「安曇野プラン」のさんすうを教えて下さる響先生も一緒にがんばります。本人も私たちも、そして学校も、どうすれば点数をとることができるのか、とらすことができるのか、どうやら分かってきた2年生の2学期でした。

 とはいえ、3学期が始まったととん、まだ合格していないままの「食物」と「被服」の、2年生最後の検定を2月初旬にひかえ、そのための居残り練習と宿題が始まりました。計量カップやスプーンを必要に応じて使いこなすこと、30秒間に2mm以下の厚さにきゅうりを何枚切れるか、だしのとり方や青菜のゆで方などを問う食物検定。毎週、まつりぬい2本、並縫い3本、半がえし縫い3本を仕上げる宿題の出る被服検定。

 でも今、私はみゆきより、卒業を目前にひかえた4年生のあきちゃんが気になります。彼女もまだ、この2つの検定をパスしていません。

 次の検定にパスしなかったら、卒業はどうなるのかしら・・。あきちゃん親子が6年間もがんばり続けてくれたから、今、みゆきがここでこんなふうに受け入れてもらっているのです。あきちゃんがかわいがって色々教えてくれたから、他の4年生もみゆきを受け入れ、かわいがってくれて、居場所ができたのです。4年生だけ、もう学年末テストが始まっています。あとわずかしか一緒に通えません。

 夕暮れは少しおそくなりましたが、朝はまだ、ちっとも早く明けてくれません。真っ暗な寒い中、家を出ると、必ずおばあちゃんが外で待っていてくれます。
「おはよう。今日も寒いなあ〜」おばあちゃんに見送られて、出発です。

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