京都ダウン症児を育てる親の会(トライアングル)会報


(2012年2月号 掲載)

みゆきの高校生日記

もうすぐ卒業

島嵜実幸

 私が今頑張ってることは、課題研究を頑張っています。発表練習をやってるところです。これを出来なければ、卒業出来ません。今4年生の最後の高校生活を送っています。1月26日から卒業テストが始まります。今頑張って勉強をしています。
母と自分で頑張っています。被服検定も残っています。これは2月7日(火)にあります。絶対に通りたいです。とにかく3月1日(木)の1次で卒業したいと心から思っています。
何があっても逃げずに頑張りたいと決めました。前向きで頑張ります。

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島嵜明子

 みゆきが上の文を書いたのが先週の水曜日17日。それからも2度、課題研究の発表の場があったのですが、まだみんなの前で発表できていません。

 課題研究というのは、4年生になると家政科の個々人が好きなテーマを決めて研究・製作・発表するのです。みゆきは「りんごの木」という布絵本を作りました。りんごの木の四季が描かれていて、ボタンやスナップで花や実をつけたりはずしたりして、遊ぶものです。幼児教室やいも掘りで沢山の子どもたちに遊んでもらいそのことをまとめました。そこまでは先生や母も手伝い完成させたのですが、「発表」となると誰も手伝えません。みゆきは緊張すると、のどがつまって声が出なくなるようです。軽い難聴のおかげで、いくつもの音が聞き分けられず言葉が不明瞭で吃音もあるみゆきにとって、スライドを送りながら、発表するというのはなかなか大変なことのようです。休みの日、家でも練習したのですが、緊張して、小さな声しか出ません。「みゆき、がんばりすぎやで、もっとちから抜いて」というと、「卓球でも岡崎先生にそう言われる」とのこと。がんばることは得意ですが、がんばらないことはとても難しいようです。

 昨日の23日で最後の授業が終わりました。昨日は大雪警報の中出かけてゆき、帰りの山陰線も少し遅れてました。そして明日から学年末テストです。それが終わって、みゆきはまだあとひとつ、被服検定も残っています。「課題研究」「学年末テスト」「被服検定」その3つをクリアして、3月1日の卒業式にみんなと一緒に参加することができるでしょうか。卒業式に出られなかった生徒は、補習などがあって、多分、3月中に第2次の「卒業」ということになるようです。お世話して下さってる先生方も本当に大変です。よく見て下さってます。

 昨日帰ってきて、課題研究の発表、やっぱりできなかったらしいので、「どうなるん?」ときくと「またチャンスをくれはる」とのこと。う〜ん、そんなにプレッシャーを与え続けていいものか・・・迷うところです。リングサイドからタオルを投げ込んで、「うちの子にこれ以上無理です。」って言うかなァ〜とも少し思いましたが、ま、も少し先生方におまかせしてみます。

 暗くて、遠くて、重くて、寒くて、ねむくて、そんな中を4年間、がんばって通い続けたみゆきです。あともう少し、です。

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