藤本辰也 クリスマス会に参加されたみなさんお疲れ様でした。また事務局、ボランティアの方々、お世話になりました。泰輝が生まれたときに保健婦さんからこの団体のことは聞いていました。住まいが京都府南部ということもあって、今まで参加していませんでしたが、今年から参加させてもらっています。 あるとき、会報を見ていた妻から「バンドメンバー募集やって。」 「へぇ、おもしろそうやな。」と私。 楽器とはまったく縁のない生活を送っていたが、5年ほど前からサックスを習っています。“いつかはJAZZ”と思ってますが、コードが吹けるとこまで行っておらずまだその域には達していません。 数日後、「バンド申し込んだよ」と妻。 程なくして、メンバーの顔合わせと初練習。 他のメンバーはスラーと音あわせ。レベルの差を感じます。おまけにバンドマスターから「ここ、サックスのアドリブね。」の一言。“へ。ムリ〜”と思っていても雰囲気的に「はい。」としか言えない。 楽譜があっても一曲仕上げるのに1ヵ月かかるのに今回は6曲+アドリブ。まして楽譜起こしからのスタート。 この状況を理解してか、休みの日は家の用事をそっちのけで楽譜作り&練習の日々に妻の小言もなし。泰輝は「やっちゃんも。」と横でポケットトロンボーンで遊んでました。 泰輝は小さい頃から音楽が好きなので、おもちゃ代わりにサックス、トランペット、バイオリン、ドラムなどの小ぶりな楽器を持ってます。映画「スイングガールズ」がお気に入り。DVDを見るときはドラムやトランペットなどを出してくれと要求します。でも一番のお気に入りはトロンボーン。映画の演奏にあわせて、でたらめですが音を出しています。 また、子供を連れて行けそうなJAZZコンサートがあれば一緒に行くこともあって、ライブにあこがれているようです。 クリスマス会前日も「明日、クリスマス会で、とうちゃんサックス吹くし聞いといてや。」 「やっちゃんも。」 トロンボーンをもって行って吹くということです。 引っ込みじあんで臆病な泰輝のことだから会場の一角でバンドの演奏にあわせて吹くまねをするのだろうと思ってトロンボーンも持って会場設営に入りました。 受付時間になり、妻と泰輝が到着。私を見つけるなり「トロンボーンは?」というので、組み立てて泰輝に渡す。早速吹くのかなぁと思うとそうでもなく、自分の横に置いている。隣にいたちっちゃな女の子がトロンボーンに興味を持ったらしく、触りたがったけど泰輝はそーっと女の子と反対側にそれを移動させる。 「これ何やろ思たはんにゃで、吹いたり。」と私。 泰輝が吹くと、以外にも大きな音に女の子はびっくり。それ以降もトロンボーンに興味を持ったお友達が触ろうとするとそーっと拒否を繰り返しながら、各出し物を見ていました。 いよいよおやおやバンドの演奏です。妻と泰輝が最前列に移動。 一曲目の演奏が終わったころ、会場から誰かが歩いてくる。見ると、トロンボーンを抱えた泰輝だ。 “えっ。”普段の泰輝からは想像できない行動。 ちっちゃな飛び入りにバンドマスターも戸惑い気味。 9人+1で予定曲数を演奏。 演奏終了後、妻に「どうやった。」と聞くと、「トトロが出てきたのでよう聞いてへんかった。」と思いやりのある一言。 演奏前のプレッシャーと終わった後の開放感。私の出来はどうあれ、今まで以上にインパクトのある演奏会でした。 最後になりましたが、つたない演奏にもかかわらず、暖かく付き合って頂いた皆さんならびにバンドメンバーに感謝を捧げます。 |