京都ダウン症児を育てる親の会(トライアングル)会報


(1999年2月号 掲載)
父親の見た有香の 

中学生時代(子供の気持ちを大切にしたい)

高平福治   

 昨年11月に学校側と 有香の卒業後の進路や現在の学校生活、勉強についての話し合いをしました。学校側の話の内容は予想通りのもので、現在の状況から言えば、普通学級では 学習面など充分にみてあげられない。有香の能力を更に伸ばすには少人数でその子にあった授業が出来る育成学級がふさわしいと言うものでした。それと、育成学級に移らないと中学卒業後、養護学校高等部へは進学は出来ないとの事でした。
 親としては以前から中学の3年間は 彼女の中学生活に よほどのことがない限り普通学級と決めていましたから、卒業まで今のままでお願いしたい旨の返答をしました。

 前にも書いたように1年生の時に週2〜3時間の通級でさえ 猛烈に拒否した経緯もありますし、自分の意志をはっきりと言える様になるまで成長した娘に対して、独立した一人の人としてその意志は充分認めてやるべきものと考えます。娘は現在も学校生活を楽しんでいますし、親としては現状になんら問題がないと考えていますので 将来社会的に余程の不利益を生じるものでない限り、教育問題も含めて子供の気持ちを大切に考えていきたいと思います。

 昨年末、内輪ではありますが、ピアノのコンサートがありました。ほかのダウン症の子供らに混じって有香も演奏を披露しました。グランドピアノに向かって弾く姿はなかなかのもので親のはらはらした気持ちをふっとばす演奏をしてくれました。辛抱強く指導して頂いた先生に感謝すると共に娘の成長を実感した一日でした。

 家では有香の仕事である食事の後片付けは、親が言わなくても知らぬ間にさっさとやってくれたりして家庭での自分の仕事も積極的になってきている様です。
 「あした、料理実習。たのしみや」「クラブ?」「ちがう、みんなで作るんや」普段、こちらから話をしても邪魔くさそうにする娘も、好きなことがあると目を輝かせて話しかけてくれます。明日は、きっと私より早く起きそうです。


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