京都ダウン症児を育てる親の会(トライアングル)会報


(1999年2月号 掲載)
 
==「要望書」を出しました==


 幼児教室に集まってきてくれるお母さんたちから、児童福祉センターに対する要望が、昨年あたりからたくさん出てきていました。「そうか、そうか」と聞いているだけでは発展していかないので、それらをひとつにまとめ、「要望書」という形にして、1月22日、児童福祉センターと市役所に持っていってきました。

京都市民生局障害福祉課
  課長  吉田 勝  殿
京都市児童福祉センター
  院長  山本 昌義 殿
1999年1月20日   

京都ダウン症児を育てる親の会   
代表 佐々木和子   


要 望 書

 京都市児童福祉センターでは、障害をもつ子どもたちに対し日々様々な取組が行われており、私達、京都ダウン症児を育てる親の会は発足して13年になりますが、多くの会員がセンターを利用し、元気に育ってまいりましたことに感謝しております。

 私達は、公的な機関ではない、親の会としての特徴を生かした活動を続けてまいりました。現在、会員170家族、賛助会員200名を数え、多岐にわたる相談活動を始めとして、療育、医療、学校、生活についての情報の収集、提供をしてまいりました。

 待ち望んだ赤ちゃんがダウン症と診断され、戸惑っている親に、できるだけ早く子どもに向かい合い、受容できるように手助けする事は、親の会の活動の柱になっていますが、同時に、児童福祉センターとしても大変、力を入れているところであると思います。

 最近、親の会に「児童福祉センターにもっと通いたいのに、通えない」「こぐま園に入園を希望してもなかなか入園できない、その為に育児に不安を感じている」との相談が数多く寄せられるようになりました。

 出産後、間もない親にとり、児童福祉センターが、かけがえのない場所であることは、私達、育ててきた親が一番よく知っています。また、親の不安を一番、理解できるのも、同じ立場である私達であるとも思っておりますが、親の会の活動は子育てしながらのボランティア活動で、おのずと限界があります。

 何卒、この状況を理解していただき、下記の要望に速やかにこたえて頂きますよう、お願い申し上げます。


 京都市児童福祉センター(第二児童福祉センターを含む)に於ける療育活動の充実。

  1. 出産直後から、こぐま園に入園までの0才〜1才の時期に、個々に対応した、きめ細かな療育と、親の立ち直りの為のカウンセリングの充実。
     (「あら、まだこんなこともできないの、この子」といった心ない言葉に大変、傷ついたという声がごく最近聞こえてきています。)

  2. 療育プログラムの充実。特に児童福祉センターにおける作業療法士(OT)の増員と第二児童福祉センターへの配置。
    (親の会では発足した13年前より、会の活動として作業療法士による感覚統合訓練を継続して行ってきました。作業療法は運動機能のみでなく感覚、知覚、認知などの多方面からの療育が可能です。そのため、乳幼児期のみでなく全ての年齢に対応でき、子どもの障害もダウン症児のみでなく、運動障害から知的障害、情緒障害、重複障害まで幅広い障害の治療が可能で、0Tの果たす役割は大変、大きなものがあることを実感しております。)

  3. 子どもが1才になり、親が希望すれば、こぐま園に入園させてほしい。
    (一昨年あたりから、一歳児の入園が殆ど不可能になっているとの声が数多く寄せられています。)

  4. こぐま園での、母子分離の時間を増やし、親同士が情報交換できる時間を確保してほしい。
    (最近、母子分離の時間が殆どなくなり、親同士の交流が難しくなってきているとの声が寄せられています。)

以上   


2月末日までに回答を頂きますよう、お願い致します。




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