京都ダウン症児を育てる親の会(トライアングル)会報


(2000年6月号 掲載)
中学生になって

福田正枝   

 親子共々いろいろな経験をした小学校生活でした。6年間、長い様であっという間だった様に思います。毎月の行事におわれ、そのたびに親の呼び出しも多く、結構忙しかったです。地域の多くの障害の方が小学校は普通学級に通学していても、中学ではほとんど育成学級に在籍していました。我が家の智子は、はじめから育成学級という道をきめないで、普通学級の経験もしてみたい。中学は教科ごとに先生も違うわけだし、いろいろな人と接したい。智子がいやがらない限り、大ぜいの中で毎日の生活をと思っていました。

 桂小学校以外あと2つの小学校からも入学して大きな集団となる中で、不安いっぱいの中学入学でした。入学式後のはじめて担任との話し合い、何の経験もなく、はじめてですが、とりあえずがんばりましょうという言葉に、ほっとするやら、これからどうなるのかまたまた不安でした。

 翌日から中学の送り迎えが始まりました。まわりの仲間たちも新しい気持ちで中学生活のスタートという感じです。何だかずいぶん成長した様で、大人のまなざしで智子を見ている感じです。これからどんな形で智子に接してくれるでしょうか。育成学級の様にその子にあった療育はないけれど、いろいろな人とふれあい、普通の中でしか学べないこともいっぱいあるはずだと信じてがんばりたいと思っています。

 入学後すぐ「1年学年だより」という通信が届き、その中で
 『完璧な人間なんてこの世には存在しません。人間って『違い』だらけなのです。その『違い』も含めて一人一人の素晴らしい『個性』なのです。だからこそ、お互いの欠けている部分を補い合って、助け合って集団(仲間)で生きていくのです。そんな中こそ自分自身も高めることができるのです。この 1年学年集団は、そんな一人一人の『個性』を認め合い、尊重し合い、助け合う、そして一人一人が輝く、あたたかい学年集団となってほしいと思います。』
という言葉でむすばれ、感動しました。


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