高平恵子 「私はダウン症の子や」 つい先日、娘の有香(18才)は突然ポツリとこう言いました。 「えっ!?」ちょっとびっくりしました。 部屋で二人いつものようにボー・・っとしてた時(いや、有香はせっせと漢字の書き写しをしてました。ボーっとしてたのは私・・・)だったので、不意をつかれた感じです。 今まで有香が自分の事をこんなふうに言ったことはありません。 有香は自分自身のことを、どんなふうに思っているのだろうかと、私はひそかに気にはなっていましたけれど・・。 そして思わず私の口から出た言葉は・・「そうなん!?」(ははは・・) 「なんで、そう思うのん? 誰かにそう言われたか?」と聞くと 「言われてない。お腹の手術をしたから。」という答え。(有香は生後まもなく十二指腸狭窄の手術をしています) どうやら合併症での身体的な病気の事から、そう思ったようです。 そしていつもよく顔を合わす、事務局メンバーの子どもたちの名前を次々とあげて「みんなダウン症の子や」と言いました。(当たりや!) そこで私は、以前から有香に聞いてみたかった事を、ひとつ質問してみました。(ドキドキ!) 「ダウン症でなんか困ったことあるか?」すると・・ 「ない。ダウン症はたのしい!」と言ったのです。その言葉に私も思わず嬉しくなり、「そうやんなぁ〜! 楽しいやんなぁ〜!」とニッコリ! 有香がダウン症を、どこまで理解しているかはわかりません。もしかしたら気を使って、私を悲しませないために言ってくれた言葉かもしれません。今までつらいことや、寂しい思い、悔しい思いがいろいろあったであろう事もわかっています。 それでも、いま有香がこんなふうに言ってくれた事は、素直に嬉しいですし、真摯に受け止めたいと思います。 出きればこれからも、めいっぱい楽しい生活を送れるように、たくさんの人に支えられて一緒に生きていこうなぁ〜!! |