京都ダウン症児を育てる親の会(トライアングル)会報


(2003年6月号 掲載)

「ダウン症はたのしい!」

高平恵子   

 「私はダウン症の子や」
つい先日、娘の有香(18才)は突然ポツリとこう言いました。
「えっ!?」ちょっとびっくりしました。

 部屋で二人いつものようにボー・・っとしてた時(いや、有香はせっせと漢字の書き写しをしてました。ボーっとしてたのは私・・・)だったので、不意をつかれた感じです。

 今まで有香が自分の事をこんなふうに言ったことはありません。
有香は自分自身のことを、どんなふうに思っているのだろうかと、私はひそかに気にはなっていましたけれど・・。

 そして思わず私の口から出た言葉は・・「そうなん!?」(ははは・・)
「なんで、そう思うのん? 誰かにそう言われたか?」と聞くと
「言われてない。お腹の手術をしたから。」という答え。(有香は生後まもなく十二指腸狭窄の手術をしています)
どうやら合併症での身体的な病気の事から、そう思ったようです。
そしていつもよく顔を合わす、事務局メンバーの子どもたちの名前を次々とあげて「みんなダウン症の子や」と言いました。(当たりや!)

 そこで私は、以前から有香に聞いてみたかった事を、ひとつ質問してみました。(ドキドキ!)
「ダウン症でなんか困ったことあるか?」すると・・
「ない。ダウン症はたのしい!」と言ったのです。その言葉に私も思わず嬉しくなり、「そうやんなぁ〜! 楽しいやんなぁ〜!」とニッコリ!

 有香がダウン症を、どこまで理解しているかはわかりません。もしかしたら気を使って、私を悲しませないために言ってくれた言葉かもしれません。今までつらいことや、寂しい思い、悔しい思いがいろいろあったであろう事もわかっています。
それでも、いま有香がこんなふうに言ってくれた事は、素直に嬉しいですし、真摯に受け止めたいと思います。

 出きればこれからも、めいっぱい楽しい生活を送れるように、たくさんの人に支えられて一緒に生きていこうなぁ〜!!


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