京都ダウン症児を育てる親の会(トライアングル)会報


(2009年6月号 掲載)
健太郎が小学校に入学しました

松谷能孝

 松谷健太郎の父です。月日が経つのも早いもので、平成14年7月22日に生まれてから保育園に入園し、毎年のように風邪をひいたら肺炎を併発して入退院を繰り返していましたが、いつの間にか鼻を垂らしていても保育園を休むことなく卒園式を終え、4月6日(月)市立S小学校に入学しました。

 昨年、1回目の校長先生との面談で妻と共に普通学級への入学を希望したものの、入学の日が近づくにつれ、『育成学級』に入れる方がいいのか、『普通学級』に入れる方がいいのか悩む日々が続きました。しかし、前回の「父親の会」で先輩のお父さん達が「最初は絶対普通学級!」「普通から育成への転入はいつでも出来る。育成から普通へは大変やで!」という有難いアドバイスを思い出し、また、私自身の考えでもある周りの子どもたちに“健太郎の存在”を知ってもらい、“お世話!?”してもらいながら友達と一緒に学校生活を送ることが出来たらいいなあということで、妻とも相談した結果、2回目の校長先生との面談で『普通学級』への入学をお願いしました。返事は「ご両親の考えが最優先です。」と承諾をいただきました。以前から就学の時は大変やでと聞いていたので、「えっ、ホンマに」という感じでした。

 入学式当日、ピカピカの1年生らしい服装(革靴を履くのは抵抗!?)で体育館に友達に手を繋がれ入場。校長先生のお話を神妙に聞き、親バカながら健太郎も成長したなあと思いきや、時間が経つと“健太郎らしさ”を発揮、発声練習!?・立ち上がり隣の2年生に挨拶!?など先生に制止される場面もありましたが、無事入学式も閉式しました。

 最近の学校生活ですが、授業中しばらくは自分の席でおとなしくしていますが、飽きてくると「トイレ」と銘打ち補助の先生をお供に校内を散歩したり、発言のために立ち上がったクラスメートの椅子に座りに行ったり、教室の後ろの床の上でお昼寝!?と“健太郎らしさ”を発揮しているようです。クラスの中では健太郎の状態が分かってきた子も出てきて、『お世話係!?』みたいにお節介をやくクラスメートもいます。
 家で「健ちゃん、宿題は?」と聞くと、「こくぅご」とプリントに向かい、一つ二つ字を書き「やめた」と言って遊んでいます。こんな毎日の繰り返しですが、健太郎なりに“のんびり”成長してほしいと思う今日この頃です。





【健太郎の母からもひとこと】

松谷奈緒美

 健太郎は今、毎日楽しそうに普通クラスに通っています。
就学前に受けた発達検査では、自閉傾向がだいぶ強いと言われ、A判定で普通クラスに入れても皆になじんでいけないのかなぁと悩んだりしまいたが、今は普通クラスを選んで本当に*よかった*と思っています。

 父は少しでも学校や保護者に顔を売ろう??(健のことも知ってもらおう)とPTAの本部役員を引き受け、朝の登校は父・母交替でできるかぎり一緒に歩いてつきあい、クラスの子やいろんな学年の子とも顔見知りになり、授業が終わる頃にまた学校に行き、同じ通学路を帰る子達と歩きながら学童クラブに送り込み、また仕事にもどるというハードな毎日を送っているのですが、毎日誰かが「あんなぁ今日健ちゃん○○○しはってんでぇ」と報告してくれるので学校での様子もよくわかっておもしろいです。
 遠足は父がつきあってくれたのですが、動物園で横についているのにカモシカのオリに自分のくつを投げ入れた健太郎に苦笑しながらも、“先生”と呼んでくれる子ども達にまんざらでもない様子でした。

 父・母ともに仕事を途中抜けしてばっかり(そんなことできる職場でとてもありがたい)なので、そのうちクビ!?てことになるかもしれませんが、何とか学校や地域の皆さんに健太郎のこと知ってもらって、何かあった時にはたくさんの人に支えてもらえるようにしておいてやりたいなと思ってがんばってます。

※ 母は少しダイエットになるかもしれません・・(^_^;


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