京都ダウン症児を育てる親の会(トライアングル)会報


(2013年6月号 掲載)
かしの木学園就労移行班

島嵜実幸

 私は去年の4月から働き始めて1年が経ちました。これからは、就労に向けて頑張ります。今頑張っていることは、掃除や内職の仕事をやっています。その中でも外で働く為の研修を今頑張っています。研修で習っていることは、敬語や丁寧語を教えて貰っています。
 就労に向けて今頑張っているおとは、ほうれんそうを今頑張っています。報告、連絡、相談です。仕事をやっていく上で大切になって来るので、ぼちぼち頑張っています。これからは、外での研修や実習が入るので、大変になって来ます。
 
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島嵜明子

 働き始めて2年目、週2回の研修では、あいさつや敬語を使うことを勉強しました。おかげで、近所の人に会っても、ペコンと頭下げて「‥‥チワ」ってつぶやくだけじゃなくて、大きな声であいさつできるようになりました。固まることも少なくなりました。でも、卓球を教えて下さっている岡崎先生は「みゆき、このごろ、急にえらいていねいになって…今までどおりでええのに…」と言っておられました。“上手に使い分ける”というのは、まだ難しいようです。
 
 さて、2年目になると、急に「就労」にむかって具体的に動き出すのです。
先日、京都駅横のハローワーク5Fで技能検査というのでしょうか、ペグさしや水道蛇口の組み立て等をして、どれ位のちからがあるかの判定がありました。結果は、高校卒業時に福知山でやったのと同じく「経験のあるもの(ペグさし等)は成績がよく、ないものの成績はよくない。作業はゆっくりだけれど、まじめに、根気よく続けることができることは、好印象を与える。しかし、手順が分からなくなった時、まわりの人にたずねることができず、小声でブツブツ言っていました。」とのことでした。笑うところではなかったのですが、「小声でブツブツ…」の様子が目にうかんできて、言い得て妙だったので、笑っちゃいました。
 
 「就労移行支援班」という時の「就労」とは「一般就労」を指すのだということ。「一般就労」とは、最低賃金(現在、京都は時給759円なのだそうです。)を得る仕事に就くということなのだということ。そんなことを私は、今年の春、やっと知りました。(オソイ!)。 そして、現状では、求人は少なくて、又は、その賃金をフルタイムで障害を持つ人に支払ってくれる会社は少なくて、だから「1日4時間、働きましょうか」と職員さんに言われて、びっくり…。みゆきに聞けば、1年先輩の女性がひとり、そういう条件で就職が決まって、6月から働き始めるのだという。
 
 う〜ん、それって、どうなん?。4時間ってことは、例えば、午後1時〜5時とか?。そしたら早や目のお昼ごはんをうちで食べてから出勤か…。今まで目覚まし時計で、朝しっかりおきて、朝ごはん食べて出勤、又は登校という生活を続けてきたのにな…。せめて6時間は働きたいな、お昼ごはんをはさんで、朝3時間、昼からも3時間とか…。別に「一般就労」にこだわらへんけどな、ワタシは…。
 
 一年先輩は去年、フレスコ等が実習を受け入れてくれて、働きに行かせてもらった様子。ありがたいけど、みゆき、疲れるやろな〜。でも、そうやって色々させてもらわんと、本人が「あそこで働きたい」って決める材料ないもんなあ〜。
 
 今、この「かしの木学園就労移行班」に、毎日、元気に通っているのが、ありがたくて、ずっとこのままでもいいなと思うのですが、ここに通えるのは最長3年で、そうもいかないし…。
 
 そう言えば、巽ゆきちゃん(今回、かわいい写真載ってます!)が、この春から火曜、木曜の研修だけ一緒にするようになっていたのですが、昨日、「ゆきちゃんが一緒に帰ろって言わはったし、一緒に帰ってきた」って、うれしそうに言ってました。自分から誘ったりはなかなかできないみゆき、こんな、お友だちとの交わりもうれしかったようです。
 
 あ〜でもない、こ〜でもない、どうしたもんかいなあ〜と、ぐちゃぐちゃ思いめぐらせている母なのであります。

 

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