京都ダウン症児を育てる親の会(トライアングル)会報


(1997年6月号 掲載)
智子

福田陽二(父)   

 智子もこの4月で4年生になりました。1年生から普通学級に入れてもらい3年生までお世話になった千賀先生から達富先生に替わり、どうかなと思っていましたが「タ・ツ・ト・ミ・セ・ン・セ」と言いながら元気に帰って来ます。色々世話をやいてくれたり、遊んだりする友達も結構いる様で、普通学級に入って良かったかなと思っています。

 1年、2年の頃は家へ遊びに来てくれる友達も多かったのですが、3年、4年となると段々と少なくなり、ちょっと淋しいですが、発達のスピードを考えると、まあこれも仕方がないかと思います。この点、兄弟がいると言うのは本当に良い事で、上のお姉ちゃんは8才も年が離れているので、もう一緒に遊ぶという訳にはいきませんが、妹の絢子は今3年生で、小さい時からよく二人で遊んでいました。今では背の高さも追い越してしまい、お姉ちゃんと間違われますが、優しい素直な子に育ってくれたと思います。それだけに、親の立場から、ついつい智子の面倒見を頼んだり、知らず知らずのうちに智子の方へばかり目が行ったりで、ふと絢子の「智ちゃんばっかり!」という言葉を聞くと、ハタと反省させられます。

 智子が生まれてから色々ありましたが、おかげさまで娘3人、元気に育っています。とは言っても、大変だったのは母親ばかりで、かくいう父親の私はいわゆる仕事人間で、子育ては全て母親にまかせっきり、たまの休みに子供と遊ぶ程度で、多分、家内も頭に来ていた?事と思います。何とかここまでやってこられたのもトライアングルの皆さんや、周囲の人達のおかげと思っております。

 最近は、さすがの家内も業を煮やしてか、あれやこれやと言うようになり、私も子供達と一緒にトライアングルの行事などにも参加する様になりました。こうやって、今迄書いた事もない文章を書いているのもその現れです。仕事人間として昼も夜もなく働いて来た私にとっては、仕事を忘れて家族と共に過ごすという事は全く別の世界の様に感じられたものでした。そんな心境の変化もあって、今は仕事オンリーではなく、たまには家庭サービスもし、家内とも話をしたり、相談にも乗ったり(余り頼りにならない?)、3人の子供達を叱るのは家内にまかせて、私はただただ子供達を可愛がって、可愛がって育てて行こうと都合のいい事を考えています。


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