京都ダウン症児を育てる親の会(トライアングル)会報


(1999年6月号 掲載)
新聞報道を受けて、トライアングルとして送った意見と要望です。


1999年5月25日   

日本母性保護産婦人科医会
京都ダウン症児を育てる親の会   
代表 佐々木和子   
事務局 京郡市上京区今小路御前西入上ル   
観音寺門前町819-4(高平宅)   
事務局 TE075-462-585:FAX075-465-2202   


「胎児条項」認める見解に対する意見、並びに要望

 私達は、京都でダウン症を中心に染色体異常の子どもを育てている親が集まり、活動しております。1985年に発足して以来、14年余り、多くの情報を集めると共に、子ども達との生活から多くのことを学び、地域の中で、ごく当たり前に暮らしていることを社会に伝えてきました。

 また、厚生科学審議会先端医療評価部会出生前診断に関する専門委員会が審議しております「母体血清マーカー検査に関する見解」に対しても、問題点及び、要望を送り、ヒアリングにも参加し、意見を述べてきました。

 2月末に貴会の法制検討委員会が「胎児条項」を認める見解を含めた母体保護法の改正案をまとめたことを新聞報道で知って以来、情報の公開を待っていましたが、今だに公開されておりません。

 その間、この件に関して、貴委員会が検討を続けていないとは考えられません。 このような重要な内容を、当事者である、女性、及び障害者本人、親など関係団体に諮ることなく進める貴会の姿勢に大変、疑問を持っております。

 胎児条項については、2年前にも私達、親の会は子どもの命と生存権を守るため、強く反対の意を伝えており、また、多くの団体から抗議文が送られ、見送られた経緯があります。

 先端医療技術の導人のみに目をうばわれ、それを駆使するために法までも改正しようとする医療現場に私達、生活者は強い疑問を持っております。

 障害を持つことは決して不幸なのではなく、社会や貴会のような姿勢が不幸にさせていることに気付くべきなのです。

 改めて、命を選別する胎児条項に強く反対するとともに、すみやかに情報を公開し、問題を議論できる場を設けることを要望いたします。

以上   



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