京都ダウン症児を育てる親の会(トライアングル)会報


(2002年10月号 掲載)
青春まっただ中の祐希です!-中学生生活を謳歌

巽 純子

 1989年6月生まれの巽祐希(たつみゆき)も早いものでもう今年4月から中学生として元気に学校に通っています。入学前は、小学校の校長先生に呼び出されて、就学相談を再度勧められ、育成学級の方が祐希に合った指導が受けられるはずと言われておりました。が、時間が無いとの理由で就学相談はお断りをし、普通学級を希望する旨、中学校の校長先生に直接面談をして話をすると返事をしました。そして、構えて中学の校長先生に会いに行ったのですが、あっけないほど簡単に「今では、保護者の方の御希望で(普通か育成か)選べますから」と「どうぞ、どうぞ」と言う感じで、普通学級でみんなと一緒に学ばさせてもらえることになりました。

 中学生になると本人も小学生とは違うと自覚が生まれ、しっかりしてきました。3才年上のお姉ちゃんが中学生の時のことをちゃんと見ていたらしく、クラブに打ち込み試合に行く、そしておしゃれをする、のが当面の祐希の目標になりました。通学には自宅から2kmを歩いて行かなければなりませんし、土曜日には水泳にも通っているので私はなんとか運動部をあきらめさせようと思ったのですが、卓球クラブに入部してしまいました。私は小さなピン球がまさか打てるようにはなるまいと思っていたのですが、なんと9月14日に行われた京都府中学生オープンに選手として出場してしまいました。とは言っても、クラブ全員6人が選手登録しないと団体戦に出場できないためなのですが。でも、ちゃんとゼッケンをつけたユニフォームを着て、試合をしている姿は本当に凛々しく見え、感激してしまいました。顧問の先生は、サーブが入るようになれば選手になれると言って下さったのが励みになったようでした。そのかわり、毎日(金曜日だけ休み、土曜日はクラブと水泳を掛け持ち)クラブをやってきています。他の習い事もあるので、身体はヘタヘタになることもあります。授業中の居眠りもあるように先生から聞いてるので、どれかをあきらめさせようとしましたが、本人は習い事もクラブも水泳も全部やる!と言って聞きません。今は私も、彼女が目一杯力を発揮して、中学生生活を謳歌しているんだな、続けられるだけ続けさせようと、思っています。

 試合の結果は、負けましたが、初めて公式戦に出られた喜びで身体中が輝いていました。そしてまた一回り成長したかなと思いました。

 もう1つ、彼女の中学生生活に輝きを与えていることがあります。それは、好きな男の子ができたことです。中学3年生のやさしい男の子だそうです。夏休みクラブに行って学校で会えたことが嬉しかったらしく(違うクラブなのでときどきしか会えない)「今日はM君に会えた!うれしいっ!」と言っていたのを聞いていたのですが‥‥。9月になってとうとう告白をしたそうです。手のひらに、「M君がすき」と書いて見せたそうです。その2日前ほどからサッカークラブ(M君の所属)のベンチにずっと居て、待っていたとのことを先生から聞きました。そして、告白の後もベンチを動かず待っているので、M君はやさしいので自宅近くまで送ってくれたとのことでした。でも、あんまりその子にべったりとくっつきまわるのは迷惑がられたりして、結局祐希が傷つくことにもなりかねません。私は祐希に、男の子に嫌われないようにする「秘けつ」として、あんまりべたべたしない、うるさがられないようにする、ということを伝授しました。最近はそれをちゃんと実行している様です。

 この告白について聞いた時、私はなんてキラキラした青春を送っているのだろう、普通学級でよかったと思いました。

PS: 自転車も乗れるようになりました。夏休みは、自転車に乗って友人の家に遊びに行っていました。先日は自宅(左京区北白川)から障害者スポーツセンターで行われた幼児教室にボランティアとして参加するため、自転車で私と一緒に行きました。


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