京都ダウン症児を育てる親の会(トライアングル)会報


(2003年10月号 掲載)
社会人になって思うこと

田村律子

 大学を卒業して、仕事に就いてから半年が経ちました。
なんだか月日の経つのがとっても早いなぁ・・・って感じます。

 私は今、地元(岡山)の有料老人ホームで働いています。学生時代のお気楽な毎日と比べると、今はとってもハードで、初めはどうなることやら・・心配だったんですが、何とか続いています。

 高齢者を相手にする仕事なので、やっぱり“死”に立ちあう機会が非常に多く、精神的にもかなりきついです。いつ、どこで亡くなるか本当に予測できなくて、昨日まで元気だった方が急に・・・というケースも少なくありません。

 ターミナルを迎えている方も多いので、仕事をする上で、気が張り詰めます。死を目前にしている方を見ていると、自分自身とても辛いです。頑張って欲しいと思う反面、早くこの苦悶する日々から開放してあげたいと考えている自分がいます。食事が摂取できなくなって、毎日点滴と酸素・・次第に点滴も体が吸収しなくなってきたりもします。そういう姿を見ていると本当に胸が苦しくなります。

 また、仕事をしていると、人間が人間を理解することの難しさを痛感させられます。半年働いて、仕事にもなれて、利用者一人一人を自分では理解できていると思っても、それはほんの一部。その一部を全部だと思い込んでしまって、コミュニケーションが発展せず、新しい関係が築けないと悩んだこともありました。利用者の短所を探すくせもついてしまいました。本来ならば、できないところをどう援助するのかではなく、できる部分(健康面)を伸ばして、できない部分をカバーしなくてはいけないんですけど・・・。

 時間に追われる毎日で、自分の理想通りにはコミュニケーションがとれません。どうしても仕事を終わらせようとすると、コミュニケーションは粗雑になりがちなんです。これからの私の課題は、時間のない中で、どれだけ自分に余裕を持つことができるか・・です。自分の中に余裕がないと、人間は他の人に優しくできません。

 特に、私は先輩方に比べ仕事が遅い分、焦りばかりが先立ってしまうことがよくあります。1年後には、この課題をクリアできている自分を目指します。

 ※まとまりのない文章で申し訳ないです。


会報No.108のindexへもどる
会報バックナンバーのindexへもどる

homeへもどる