京都ダウン症児を育てる親の会(トライアングル)会報


(2005年10月号 掲載)

近況報告

下鳥浩一   

 トライアングルの皆さんお久しぶりです。東の横綱の下鳥です。今年は合宿に参加出来なくて残念でした。さて合宿の場に居ても居なくても島崎さんの「お 前原稿書き!」のご命令は足音を潜めてやって来ます。今では原稿書きはトライアングルのロシアンルーレットみたいなものではないでしょうか。私は引き 金を引いた覚えは無いのですが、こうして原稿を書かせて頂きました。

 そんな訳で私どもの近況をご報告させて頂きます。息子友大の進学は散々悩んだ末に養護学校に決定し現在はとても楽しそうに通学しています。デメリットもやはり有りますが、何よりも本人が楽しく「学校に行きたい!」という気持ちで毎日通っているので、よい選択だったと後悔はしていません。踊りが好きなので学校行事の時は何かと引っ張り出され、全校生徒の前で踊りの指揮をやったりして自慢気です。学校に通い出しての成長は著しいものがあります。担任も一生懸命にやってくれています。映画が好きでDVDを見たり、私の友人に映画館に連れて行ってもらったり、ヒーローグッツを集めたりしています。

 お金で物が買える事も覚えたようでスーパーマーケットや本屋などで、買い物カゴを手に勝手に買い物をしています。気が付いたらレジ係をしている時もあります。100円がマイブームのようです。健康面でもそれなりには強くなっています。水遊びが好きで休み中は水風呂とプール三昧です。そんな感じで友 大なりのペースで成長しています。

 さて子供達の未来と私達の楽しみの為に始めたパン工房ですが、日々少しずつですが前進をしながら歩んでいます。私達の計画は行政に頼らずあくまでも個人経営のパン屋でやろうと思っています。いくつかの小規模作業所を訪ね話を伺ったり、仲間同士でされている方の話を伺ったりもしました。内容を書くと長くなりますのでやめておきますが、悲しいかな人間関係で苦労されている現実が有るようです。またパン工房を始めるにあたりパン屋を経営されている方にも数人会い意見を聞きましたが、みなさん「パンは止めた方が良い」と同じアドバイスでした。理由の一つは、パン製造のタイミングは短く、それのタイミング逃すと商品にならないし、経験を養うにも時間がかかる。ましてや私達夫婦も素人となればさらに状況は悪い。マドレーヌやクッキーになどにした方が良いという事でした。少々ムカツキましたが頭を冷やして考え直すには有難い意見でした。ですが考えも変わりませんでしたから始めた訳です。もちろん使命感だけではなく自分達も楽しんでやる、これを忘れないでいたいです。

 年齢、経験共にハンディはとても有りますがやりがいがあります。体力的には正直きついですね。現在は精神障害の男性がリハビリ目的で一時間ほど洗物を手伝いに来ています。パン屋に負けないベレルの高い正直なパンを焼けば、お客さんにも認めてもらえると思うので負けないパン工房を目指します。忙しくなればハンディがあってたとえパン作りは無理でも、パンの袋詰めや配達助手、洗物etc色々と出来ると思います。

 私は9月よりパン学校の夜間部に3ヶ月ですが通う事になりました。パンも奥が 深いので、目から鱗の学びとなると思います。この歳になって学生も良いですね。来年の合宿には腕を上げて美味いパンを焼いて持っていきますからね。で は皆さん来年の合宿までボチボチ頑張って行きましょう。

 


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