『健やかな成人期のために』 2009.6.28
質疑応答 <質問> 現在3歳で身長92cm、体重13キロぐらいです。歩き出してから半年ほどたちます。良く動きますが、体力がないのか、すぐに疲れてぐずります。 <助言> 体力がないから、疲れるからぐずるというのは … 本当にそうなのでしょうか? 歩き始めて半年くらいならば疲れても当然と思いますが、だんだん大きくなって、ぐずった時に「疲れているんだ」「体力がないんだ」と思って、「疲れたの?」と聞くと「うん」と言うから座らせていると、(子どもにとって思うつぼなので)そのうちだんだん動かなくなりますよね。子どもは楽しくないとやらないものですし。 歩き方もあるかなと思います。正しい姿勢で歩かなければ疲れやすくなります。歩くということは、足だけを使うのでなく、体のさまざまな筋肉が必要です。とくに腹筋群や背筋群が十分できていないと体幹が保持されにくいため、足腰や膝に負荷がかかり、歩き方が悪くなりますし、疲れやすくもなります。体をいろいろ動かす遊びをして体力をつけるほうが、休ませるよりも大事です。また、靴の中敷きで補正する必要があるかもしれません。特にダウン症の人たちの足は特徴的です。扁平足で土踏まずができにくい。それと、かかとが小さいですね。靴の中で足が泳いでしまって、ちゃんと歩けなければ補正が必要となります。 <質問> 心配なのは食生活です。離乳食を食べ始めたのも遅く、食べだしてからも偏食が激しく、今でも確実に食べるのは白いごはんと、朝食に出すウィンナーソーセー ジ。時々食べるのがパン(フランスパンのみ)、豆腐としめじ,うどん、唐揚げです。 他のものは、気が向いたらほんの少量食べる程度です。牛乳やジュース、お茶など飲み物は問題ありません。家ではごはんにシラスを混ぜたものを食べさせています。 おかずを無理に食べさせようとすると、怒って食器をひっくり返すので、食べれるだけ食べて何も言わずに片付けてます。保育園では、この春までの2年間は、その時の担任の先生がお上手だっ たのか、完食はしないまでもイロイロ食べていたようですが、この春からの先生は、私と同じように手こずってらっしゃるらしく、ごはん以外はほとんど食べてないようです。 このままでよいのか、もう少し積極的に「食べさせる」のがよいのか、今後どのようにして行けば良いのかアドバイスいただければ幸いです。 <回答> 心配なのは食事の事ですね。偏食であるということ。あまり食べないお子さんもたしかにいるし、時期的に2、3才の頃は偏食が出てきます。食事が思うように進まなかったり偏食がひどかったりすると、栄養不足になるのではないかと心配になるでしょう。でも偏食であるということに集中してしまうと、ますますいやになってしまう。与えられた物は何でも食べていた時期から、自立心が芽生えてくると「これいや、あれいや」が出てきてもおかしくはありません。まだ幼い彼らは、自己主張によってどういう結果になるか見通す力はまだありません。どうしたら栄養不足にならずに自立心も満足できるか工夫が必要になります。また、幼児は楽しいか楽しくないかで行動を決めますから、楽しくないと動こうとしないでしょう。そこで大人と子どもの知恵比べが始まります。大人に勝ったら、子どもは大人を振り回そうとするでしょう。大人の知恵が問われています。保育園などへ行くようになると子どもたちの中で食べるようになることが多いのですが、手をかけすぎるとわがままも出てくるでしょう。おいしいおいしいと皆が食べていれば、食べてみようかなと思うかもしれません。栄養不足にならないように、嫌いなものが見えないように入れたりしてみてはどうでしょう。分からないように炊き込んで食べさせるのもいいかもしれません。この年齢はまだだましが効きます。本当に子どものためならばやっていいでしょう。正面切ってやったら子どもに負けてしまいますので、大人の知恵でやって下さい。知恵をどう働かせるかは先輩の親御さんにいろいろ聞いてみるといいですね。皆さん、同じ道をたどってきていると思います。 <質問> 場面転換(保育園に行く、保育園から帰るなど。保育園は通い始めて3年目です。)が苦手で、ものすごい抵抗をします。 写真を見せるのが良いと聞き、保育園の先生に協力いただいて撮らせていただき、先生の顔やお部屋の風景など携帯画面で見せました。最初の2、3日はびっくりするほど効果があって、自分から玄関に行き、靴まで自分ではこうとしましたが、4日目ぐらいから後は、またグズグズ抵抗するようになりました。「もうその手には乗らない!飽きた!!」という感じです。他に良い方法はありますでしょうか。 <回答> 自己主張のしっかりしたお子さんですね。でもどうして場面転換に抵抗するのでしょうか。理由がわからないまま対処しても、的はずれになるでしょうから、まずそれを知ることが解決の第一歩です。 そのためには三つの面から考える必要があります。一つは、幼児の特性です。二つ目はダウン症の特性です(発達障害も含め)。そして三つ目は普通の人間としての個人差(とくに親ごさんから受け継いだ遺伝および生活環境)によるものと考えられます。 幼児は、場面転換に抵抗することがあります。これは知らないことへの恐れや、楽しいことだけしたいという気持、さらに「理想主義」と言われる発達段階がでてきていることもあります。 一般にダウン症の人は新しい変化をすんなり受け入れにくいところがあります。 知的発達障害がある人に多い切り替え下手(幼さのためだったり、知らないことが予測できないための不安かもしれません)と、ダウン症の人達の美学(これでいいんだから替える必要はないという信念)、それに運動面の苦手(動くのが面倒)によると考えられます。 ですから、対処法は一人ひとり違うことになります。お宅の場合はどうでしょう。 写真を見せるというのは目から入るので理解させるのに良い方法ではあります。でもしばらくすると写真を見せてもぐずぐずするようになったというのは、理解してないからではなくて面白くないからかもしれません。「私はその手にはのらない」という自己主張があって非常に賢いお子さんですし。一人一人違うのではっきりとは言えませんが。(追加ですが、写真は実物と違いますし、二次元なので、普通子どもは飽きてしまって当然かもしれません。携帯画面は印象が薄いので焼きつけたほうがいいかもしれません。また、写真だけ見せるよりも、前もって予告し、写真も入れた予定表を一緒に作り、シールを貼るというやりかたもあります) また、親御さんの反応をみていて、頑張ったら、行かないでいいよと言うのではないかと期待をもっているのかもしれません。けっこう複雑な心境ではないかと思います。 <質問> 場面転換でぐずるというのが一番の問題です。実は他に子どもを育てた経験がないので、子どもだからこうなのか、ダウン症の子だからこういうことをするのか、それともこの子の個性なのか、見抜けないです。写真を見せるようになって、自分で遊んでいたのが「保育園にいく時間」と分かってきたみたいです。「だけど私はこの遊びをしたい」みたいな感じで、保育園から帰る場面もすごい抵抗があって大変です。おばあちゃんが迎えに行ったりとか、状況が違うと少しマシです。 <回答> 場面転換ですが、幼児は楽しいことなら続けたいと思っています。今、これをしなければならないというのが判るのは、幼児を卒業した頃です。切り替えができないというのは幼児の特性でもありますが、発達の遅れのあるお子さんは殆ど切り替えが苦手です。その場でパッと切り替えさせるのは無理なので、予告することが必要です。「もう少ししたら、お母さんが来るよ」とか、余裕を持って「保育園へ行くよ」「楽しいよ」と話かけながら、だんだんその気にさせていくことです。 病院の外来でもそうですが、(診察の子が)遊んで帰らないと、お母さんは引っ張って強引に連れて行こうとする。私はお母さんを帰らせて、子どもに「お母さん帰ったけどいいの?」と言うと、だいたいは「平気」と言ったり知らん顔して遊んでいますが、平気なお子さんって一人もいないです。「お母さん帰ったけど遊んでる?」「お泊りしていく?」とか言うと、はじめは動かないですが突然立ち上がって帰って行きますね。時間がかかるので、動くまで待ってあげる。大きくなってぐずぐずする場合は、時計を使ってやっていくのもいいですね。大きくなって、その場で何をやるのかがわかっていて幼児のようにやりたいからやるとしたら、それは生活全般の問題かもしれませんね。 <質問> 歯磨きを嫌がります。 歯は一歳前から生え始め、そろっています。見たところまだ虫歯はなく、食事の時、固いものは食べませんが、ごはんやパンなどよく噛んでるように見えます。 2歳頃までは、寝転ばせて親が磨いていましたが、だんだん抵抗も激しくなり、立てるようになった頃から一緒に洗面所に行くようにしました。 自分で歯ブラシを口に入れ、まねごとをします。が、親が仕上げ磨きをしようとすると抵抗が激しく、力も強くなって、ほとんどできていません。 虫歯が心配になってきたのですが、毎晩がストレスです。 嫌がっても、やはりもっと真剣に歯磨きさせたほうがよいのでしょうか。 いつ頃までに、歯磨きができるようになればよいのでしょうか。 <回答> 何でもやらされることはイヤという時期のようですから、歯磨きもイヤなのでしょうね。そういう時期に仕上げ磨きは難しいでしょう。とても無理であれば、親子関係を悪くするより小児歯科に頻繁に行ってきれいにしてもらうしかないかもしれませんね。そのときは泣いてもわめいても仕方ないですが、もしかすると他人だとおとなしくするかもしれません。子どもの扱いが上手な歯科医を選ぶことも大事でしょう。 <質問> 22歳の娘が楽しく生きて行きやすくする為のアドバイスをお願いいたします。DQ15歳未満で、てんかん発作があり薬でコントロール中です。 ☆困った時、助けてほしい時、母を呼ぶことはありますが、固まってしまっています。困った時や助けを求める力をつける為には、何をして行けば良いのでしょうか? <回答> 困って助けてほしい時、なかなかそれを表現出来ないというのは、ダウン症の方たちだけでなく発達の障害持っている方たちは皆そうです。人に相談出来るということは、自立の第一歩です。自分で何でもやろうということは自立ではないのです。出来ることまでやってもらおうというのはずるいですが。出来ないことと出来ることが自分で分かり、出来ないときや、困った時は人に助けを求めることはとても大事なことですが容易ではないでしょう。親御さん達でも、何かあったときみんな自分で解決しようとして失敗したことはないですか? 対処法を探す前には、どんな理由があるか見つけなければなりません。それも、幼い子と違って、成人では理由が複雑な可能性があります。そもそも人間は複雑ですから、単純にこのやり方がいいというものはないのです。納得の仕方も一人ひとり違うかもしれません。お嬢さんはどうしてほしいのでしょうか。 心を楽にさせ、少しずつ、相談事とか助けてほしい気持ちを出しやすいようにしていって、だんだん「今度は自分でやってみる」というように時間をかけてやるのが大事じゃないか思います。やらない理由はいろいろあるとは思います。できるかできないかで評価されていて、一人ですることがほめられていたりしませんか?逆に、ひとに頼むより先に援助の手がさしのべられていませんでしたか?小さなことでも、自分が何をしたらいいか考えて判断する経験は豊富ですか?もしかしたら「言わなくても何とかしてくれるはず」と自分で決めていて、「どうして自分で頼まないといけないの?」と思っているかも知れません。どうでしょうか? <質問> 排便や生理の時、外出時や外出前・就寝前は個室の中まで入ってチェックしたり、トイレから出ていたらトイレに戻ってパンツを下げてチェックする時もあります。 高校の時、排便後の処置が出来ないのは、拭く場所がわからないからと指摘され、少しは練習しましたが、肥えてきて難しいので自分でウォッシュレットを使用させてはいますが、うまくできなかったりです。 これからのことを考えるとどうして行くべきでしょうか? <回答> チェックされるときはご本人にどう説明し(言葉が出ない人も説明は理解していることが多いので)了承を得ておられますか?お母さんと子どもが一心同体になって、だれがだれの主人公になっているかわからなくなっていませんか? 肥満が支障をきたしているとすれば、肥満を解消することが一番必要と思われますが、ダイエットはどのようにされていますか? 肥満も周りから見て「可愛い」とか言われたりしますが、本人にとってはすごく辛いことだと思って下さい。 10kgを越えている人は、10kg以上の荷物を持って歩いていることになるのですから。そんな辛さがわかれば何とかしようと思われるでしょう。ご本人はだんだん太ってきますから辛さに気づかないだけです。痩せた時、すごい楽だと思うはずです。その気持ちをわかってあげて下さい。肥満の解消には、カロリーを減らすことと運動させるしかありません。食事量を減らすと辛いので、十分に食べてカロリーだけを減らすことがポイントです。身長が140cmであれば、体重を減らすためには1日1200Kcalくらいです。カロリーを減らして栄養は減らさないというのは親御さんには難しいでしょうから、管理栄養士さんにどういう献立にするか相談したほうがいいでしょう。また、低カロリーの食品などを利用する。お菓子などもカロリーの低いものにしてあげて、十分に食べたという満足感を持たせるようにしてください。 <質問> 小さい頃、やけどをした時に(本人が)固まっていたんですが、水ぶくれになって初めてやけどしたんやと分かったのです。20歳位になってくると、痛いところを指差しで教えてくれるようになって、だいぶ進歩は見えています。作業所に行っていますが、目の前で物が割れたときは視覚的に入るので何かしなければいけないとうことはあるのですが、言葉は単語が出るか出ないかのレベルなので、こっちの言うことは分かっても、本人が何をしてほしいのか、固まっている原因が何なのか理解してあげられない。どうしてやれば表現力がつくのか。何を困っているのかを、どうすれば少しでも引き出せるのかが分からないのです。 <回答> 原因が分かりました(笑)。お母さんが「何とかしてやりたい」というのが原因です。自分でやらなくて済むから。自分で考える必要がないのです。お母さんが考えてくれるからいいじゃない、と。 固まっていたら(大きな怪我とかない限り)「どうする?」というくらいで、「それを決めるのはあなたで、お母さんが何かしてあげることじゃないのよ」と、そのことをはっきりしておくことですね。お母さんが「何かしてあげよう、してあげよう」と思うと余計に動かなくなります。何かしようとすると、だいたい動かなくなりますね。自信がなくなりますから。思春期はだいたいそうですね。 今できないことを一生懸命やらせようとすると、子どもは余計つらくなるのです。親と子は違うのだから。「何かして下さい」と一般の人でも言わないように、言わなくても自分で考えて行動すればいいと思うのです。落ちて割れたものがあったら、放っといて、自分で片付ければいいです。言葉は必要ないのです。危険な時は手を出さないといけませんけれど。割れたのなら、「ここに落ちてるよ」と言えば、自分で片付けるか、お母さん片付けてというかどっちかだと思います。 言葉が出ないからできないと思っていますが、そんなことはないです。面白い例があります。障害ある人が二人いて、一人はIQが60か70位で言葉もちゃんと喋れる。もう一人はIQが40以下で言葉がほとんど出ない。この二人が自転車で作業所に行く時、パンクした。言葉の出る方はパンクをした自転車を引きずって2時間かけて作業所へ行った。言葉の出ない青年は、ダウン症だったらしいですが、自転車屋さんに自転車を持って行って、「あ、あ、あ」と自転車を見せて直してもらって、自分の療育手帳を見せて住所が分かって、親に請求してもらって作業所に行ったということです。 これができないから、これもできないと思っていると、子どもは「どうせ私はできないから」と自信喪失になってしまい、発達も停滞します。 しかし言葉が出ないより、人の話を聞かないで一人でしゃべりまくるようなタイプのお子さんの方が、はるかに問題ですね。人から学ぶということができないので進歩がありません。言葉は出るのが早ければいいというものではなくて、人の話が聞ける方が大事ですね。人の話が聞けるトレーニングがあるといいですね。「できない、できない」と思って、「何かしてあげなくては」と思う必要はなくて、自分で判断する力をつける。手伝ってもらうときに、「自分でできなければどうする?」と言って、自分で考えて結論を出せるよう待ってあげる。もしかしたら時間はかかるかもしれないけれど、考えて決断していくと人間は成長します。「何かしなきゃ」と思うことは、その子の脳を親が代わりに使っていることです。子どもは脳を使わないですむから、やらなくても不思議はありません。 <質問> 地震とか火事があれば、うちの子は固まってしまう。何かあった時、うちの子は逃げられないのかもしれないという不安もあるのです。 <回答> 防災訓練はそのためにあると思います。テレビなどで災害の場面があれば、「どうしたらいいか」話し合っておくのもいいでしょう。ダウン症の方がそういう災害に弱いかというと、そうでもないですね。経験してなくても、考えていただけでもできるのです。 静岡の河内さんの話ですが、北海道の親戚のところに行った時、親御さん達が一つの車で、子どもたち(もう大人なんですが)はもう一つの車に分かれて乗ったそうです。冬だったので滑って、子どもたちの車が田んぼに落ちたそうです。誰も降りて来ないので心配で近寄っていったら、一人だけ車から出て上に登ってきた人がいて、それが夏木さんだったそうです。他のきょうだいは固まってしまって動かないので、彼女が「何とか知らせなくちゃ」と出てきたと言うのです。彼女は、お母さんとニュースなどを見ながら、話し合っています。それをちゃんと覚えているんですね。できない、だめだと思うとできなくなるのです。 話し合うことは、言葉でなくても本人の表情とかで十分できますから、わかりやすく説明した上で、「どうしょうか」と一緒に考えていったほうがいいと思います。 <質問> 7才女児。現在、育成学級(1人学級)にいます。人なつっこく、愛きょうがあります。友だちについてご相談です。 一人学級で家の近くにも友だちはいません。親はいろいろな子どもたちとかかわりをもたせたいと学童保育にもいかせていますが、みんなあそびでは楽しんでいるけれど、一人で遊んでいることも苦にはならないようです。家庭でも、一人遊びをしていることも多いです。 自分から特定の親しい友だちを作る事はむずかしく、状況もそういう状況ではありませんが、これから成人していく中で、そういう友だちは必要でしょうか。 親がある程度、教えて、おぜんだてしてやった方がよいのでしょうか。 給食や体育、音楽は親学級でしています。 <回答> 友達はどうして必要なのでしょうか? 一方、友達は、作ろうとがんばると逃げていってしまうということもあります。 就学前、子どもとの関わりと大人との関わりはどのようでしたか。親学級への参加はどうなっているでしょうか(今は復籍も可能になっていますが)。他の子ども達は遊びに入れようとしませんか。そうであれば、学童保育の先生に配慮していただくほうがいいかもしれません。友達がほしいのに作れない場合は、親ごさんがおぜんだてしたほうがいいこともありますが、やりかたをよく考える必要があります。そのときは、どういう子が合うかも見定めてあげたほうがいいでしょう。 友達を作ってあげたいという親心に対して、ご本人さんはどう思っているでしょうか? 苦にならないと書いてありますけど。姉妹がいるからあんまり気にしてないのかしら。いつもみんなと一緒だと疲れてしまう子もいます。だから、あえていらないかと思いますけどね。おぜんだてをご本人が嫌だと言ったらできませんが。 先生方に、子どもたちの遊びの中で気をつけていただき、1対1の関係を考えてもらってはいかがでしょう。休み時間に他の子どもたちがくるでしょう? 1人学級だったら、上級生の子とか来てもらうのはいかがですか? <質問> 大きい子どもたちは遊んでくれるけど、同じ学年の子は、自分がおもちゃで遊びたくて来ていて、一緒に遊ぶことはないです。 <回答> 一緒に遊ばなくても他の子を見ていませんか?先生にどんな様子か聞いてみてもいいですね。一緒に遊ばなくても、他の子どもたちを見ているだけでもいいと思います。後で真似てやれば、それだけでも結構ではないかと思います。あんまり一緒に遊ばせようとしたら本人はうっとおしいかもしれないです。良くわかる子ほど辛いでしょうね。違いがわかったり、劣等感を感じたりしますから。無理にやらずに、本人の判断に任せておいてよいのではと思います。 ちなみに、「特別支援教育法」についてご存じですか?今までの特殊学級(育成学級、心障学級、養護学級)のあり方と大きく考え方が違っているので、知っている必要があります。 静岡県内のお母さんで、就学時に特別支援教育法をネットからおとして読み、見学に行った各校で先生に質問したそうです。その結果は「学校の先生は、だれひとりきちんと理解していなかった」とのことでした。 特別支援教育法については、ぜひ知っていてください。特別支援教育法ができる前は、本当の名は特殊学級なのに、特殊という嫌な名称を避けて、育成学級とか心障学級とかの名前にしているだけだったのですが、現在はそういう学級でというのではなく、どの子がどんな場所に居ても支援するというのが「特別支援教育」です。そういうことを知った上で学校の方に要請していくことが必要だと思います。特別支援教育法を作ったのはよかったけれど、予算を付けなかったそうなので、学校の方も特別なことができないのが現状だそうです。 この間、ダウン症協会の玉井邦夫理事長が相談員研修会で特別支援の教育とは何かということと、この問題について講演されました。会報の方に載っていると思うので、会に入っている方から見せてもらわれるとよいと思います。 <質問> 小4、9才男児です。育成学級に在籍し、交流・育成半々くらい、始まり・終わりの会、給食は交流クラスで一緒にしています。 他の子どもたちとかかわったり、自分の存在を示したいようですが、なかなかうまくできず、回りの子ども達に不快な思いをさせることになったり(遊んでいる子どもたちの中に自転車で入ったり、使っている遊具をとってしまう等)、いじめられることも多々あるようです。その都度、わが子とその子たちと話し合いをもち、これから「そんなことをやめようね」とわが子にも言い聞かせたりするのですが、一向に変わりません。 私が子どもといるときは、子どもたちの中に入っていくようにしてはいますが、あまり入りたがりません。 周りの子たちの言動(特に悪い)がうちの子に反映し、みさかいなく使うので、それもみんなに悪い印象を与えています。 少しづつうまくかかわれるとよいのですが。 <回答> ほかの子とのかかわり方は容易なことではないかもしれません。就学前はどうでしたか? この時期は、思春期前でもあり、けっこう難しいとも言えましょう。男の子は乱暴になりやすい時期です。いじめられるとそれを覚えて自分でもやってみることもあります。しかし放っておいたら、それでいいと思ってしまいます。遊びたい気持があってもどう表現していいかわからないのでしょう。遊びたい気持はわかってあげて、でもしてはいけないことをはっきり知らせていく必要があります。 話し合いは大事ですが、どれだけ理解しているかを知らないと効果は上がらないでしょう。もう幼児でないので、毅然とした厳しい態度も必要です(優しいだけだとなめられます)。しかし理解するまでは時間がかかります。また、やめさせても、何をしたらいいのか自分では見つからないこともあるので、具体的に教えたり、よいことや正しいことをやってみせて真似を促したりする必要があります。 この年になると「やめようね」と言ってもやめなくなる子はいくらでもいます。普通の子で9歳位だったら、「やめようね」といったら「何だ、このくそばばあ」とか悪態をつくかもしれません。ダウンの子でも言いますし、言わないだけこのお子さんはおとなしいのでしょう。 子どもは気を引くために悪いふるまいをして見せるもよくありますが、それがわかったら無視したほうがいいのです。ただ、少しでも良い言動があったら、その言動をほめてください。いい子だねとかあいまいなほめ方をすると効果が上がらないので、具体的にほめることが大事だそうです。 ダウン症の悪ガキ達もかなりいます。ある時、お母さん達が一緒にご飯を食べている間にどこかに行って見つからなくなりました。近くにいた他の子に聞いたら「ああ、下品な言葉を使う子ね、あっちに行ったよ」と。ダウン症の子とか障害児ではなかったのです。それですぐわかったんです(笑)。そちらに行ったら、チラシをいっぱい取ってきて、それで紙飛行機を作って飛ばしているんですよ。それも見えないような窪地で。親御さんたちみんなで怖い顔して怒ったんですね。5年生と4年生の二人は2年生の子に責任をなすりつけて、「おまえが悪い」と言うのです。ご当人は「お母しゃんごめんなさ〜い。お母しゃん大好き」と言うんです。ダウン症らしいと感心しました(笑)。でも、お母さんも私たちも一つも笑わずに怖い顔をしていました。お母さんは「お母さんに謝っても駄目でしょう。チラシを持ってきた受付の人に謝りなさい」と言って持って行きました。そうしたら無人スタンドだった。でも自分たちで全部片付けさせて、3人を無人スタンドに謝らせたのです(笑)。可笑しいけど、絶対そこで笑ったらダメなのです。笑ったらお終いなんですね。向こうが勝つ。後でお腹抱おえて笑いましたけどね。目の前では怖い顔してました。それくらいの厳しさは必要です。悪いことは悪いときっぱり言い、厳しくするところは中途半端でなく、最後まで厳しくしないとなりません。子どもたちは分からないのではなくて、こうやっても許されるなということを学んでしまいます。 <質問> さっき、人の話を聞かない子の方が危険だと言われましたが、人の話を聞くトレーニングが必要だと言われましたが、家の中で親が出来得るような、人の話が聞ける方法がありましたら教えてもらえますか? <回答> 危険というのではないですが、他からの情報が入ってこないので、社会性が育たず、自分勝手な言動で進んでいくという意味です。発達の年齢にもよるのですが、子どものうちは長い話を聞くのは無理なのです。短くていいのです。同じ目の高さで、顔を見て話しかけることが一番大事です。文字や絵など視覚に訴えるものを使ったほうがいいこともあります。 また、これは聞かせなくてはいけないという時、何が必要かというと“親の気迫”なんですね。 面白い話があります。小学校1年の子なのですが、まだ言葉はでません。言葉の理解もあまりない、はたから見たらかなり重度な状態です(でも学校や家では文字も入れて言葉かけをしています)。学校からお母さんと歩いて帰る途中座りこみをよくするそうですが、その日は、「何時までに帰らないと、お客さんが来るからね。約束したんだから。約束を破ると人間として許せないのだからね」とお母さんの迫力ある説明。子は母のその迫力で歩いた。3回ぐらい座り込みしたけど、そのたびに、「約束破るなんて人間としてダメなんだからね」と言うと立ち上がって歩き、約束の15分前に着いたそうです。その後、その子は 「約束」と言われるとビシッとするようになったそうです。(笑)「この子は言っても分からないから」と思っていると「ははあ、逃げてもいいんだな」とできないふりをします。彼らは相手がどのくらいのレベルで思っているかを、実に敏感にキャッチしますから、低く見られれば低い能力のように振舞ってくれます。大人の心を読んで、できないふりをしていたら、発達が遅れてきて当然でしょう。そこは相手のほうがうわ手です。染色体が3つあるのですから、われわれより能力が高いところとが当然あるはずで、そこはきょうだいよりも上だという方は多いです。この子はできないとか、無理だと思うところが、本人たちに「お母さんなんてちょろいもんだ」と思わせるのでしょうね。いつも厳しくしなくてもいいですが、ここはポイントというところはちゃんとやってあげれば、だんだん分別がついてわかるようになるはずです。 <質問> 8月に3歳になる男の子です。大きな病気もなかったので、普通に育てています。作業療法士さんに半年前に見てもらった時に、力は持っているんだけど、出していないと言われました。私も働いていますので、あまり見てあげれないのですが、集団の中で自分の力を出すにはどのようにすればいいのか。 先生に作業療法士さんから言われたことを伝えたら、先生のプライドを傷つけたみたいで、反論をいっぱいされました。先生は障害児をたくさん見て来られていて、障害児=出来ないことが多い、と思われているのですよね。うちの子も自己主張が強いので、はっきり主張するのが「えらい」といわれるのですが、普通なのにと私は思っているので、子どもの見方が低いのかなと思います。どのように話を持っていけばいいかなと思っています。 <回答> 保育園で保育士さんに話をして、わかってくれる人はいいのですが、なかなかそうもいかない。学校でもそうですね。 集団の中で力を出せなくても、先生には自己主張しているのですね。同じくらいの子どもには主張出来ない。きっと良くわかっているのですね。本人が自分には本当の力がないと。なかなか自信がないのです。何らかのかたちで他の子と比べても自信がつけられるようなことを家庭でやっていってはどうでしょう。働いていても、休日には一緒に家事をするなどできるのではないでしょうか。 先ほどの例でいうと、若女将の子ですが、お掃除がとても上手で学校入る前に雑巾が絞れたんですね。それで学校では雑巾絞れる子はあまりいないので、各クラスに雑巾の絞り方を指導して歩いたのです。ですから、なんらかのもので自分が他の子に認められるものがあれば自信につながると思います。 いくら「大丈夫、これくらい出来るよ」と周りから言われても、子ども自身が「無理、出来ない」と思っていたらやりません。集団のなかでも自信をもってできるためには、何度も経験して確実にすることでしょう。同じことに見えても、方向をかえるとわからなくなったり、できなくなることはよくあります。家でまず多方面に力をつけてあげることが大事だと思います。 もしもできないと思われてやらされていないことがあれば、親御さんが保育士さんに、「うちの子はこういうことはできますから、こうやらせてください」と具体的にはっきりということも大事です。ときにはビデオに撮ってみせるとかすると良いですね。もっと力がありますよと言っても、見せなければ分からないですからね。保育園や学校では、毎年先生がかわったりすると、だれが育児の中心なのかわからない。やはり家族が中心になって子どもを一番わかってあげる人が必要です。それを先生たちに伝えていくことですね。わかる先生ばかりとは限らないけれど、わからない先生にあまり「こうしてください」と言うと、先生のプライドもありますけれど、「できないのに … 親の欲目に過ぎない」と思われることもあると思います。それは欲目ではなくて本当にできるんだというところをちゃんと先生に見せて説明すると確かだと思います。 <質問> 小学校2年生の女の子。下に2歳違いの妹がいます。妹はしっかりした子で、お姉ちゃんの出来ないことも出来る。お姉ちゃんは自立心が強いので、出来ると思っていて、親も出来ると思っている。そこで姉妹がせめぎ合うのです。 まず、家に帰ってどちらが先にドア開けるかで競争になる。家に入ると、妹が先に足を拭いたということで怒る。片付けが出来ないから妹にさせようとすると「私が今からやろう思っていたのに」とか。いつも、親子、姉妹でバトルになって、どうしていいかわからなくなります。 <回答> なにか3人姉妹みたいですね。ダウン症のお子さんは、妹さんをどういうふうに見て、どういうふうに思っているのですか? (本人は「私はお姉ちゃん」と思っています) お姉ちゃんだけど、妹より出来ないことがある。 (それは、本人も分かっています。) それは、本人がとても辛くないですか? 家族の中で、誰が早いか、誰が上か、という価値観が大きいのではないですか? その価値観があるかぎり、お宅のお嬢さんは救いがないですよ。きっと。妹に絶対にかなわないし、どんどんかなわなくなる。それがだんだん、バトルでなくて、いたわりが出てくるかもしれません。いたわりが出てくると、ある意味では不愉快ですよね。だから価値観から変えていかないとうまくいかないと思いますよ。仕事は役割としてはっきりさせる。これはお姉ちゃん、これは妹さん。日とか曜日に変えるなど、ルールを作っていく。誰が早いか、誰が強いかというケンカで、自分が勝つためにやると戦争になる。それを防ぐためにルールができたんですね。スポーツでもそうです。だから、家庭の中でもルールを作ってやっていかないと、ご本人は劣等感がどんどん大きくなっていくでしょうね。大人になって、自分が勝ったか、負けたかで考える子は、健常の子には太刀打ちできないとわかりますから、こんどは同じ障害の子で競争しますね(後輩のほうがダンスが上手で引き立てられて、「あんだなんかヘタクソ」とメールを送り、ダウン症の成人どうしで大げんかしてダンスをやめてしまい一時引きこもった若い女性もいますから)。 この子たちは、本来、人と比べて勝つか負けるかということと関係はない価値観を教えてくれたはずです。河内さんが言われたように、価値観を変えてくれる子だったんです。世の中には、誰が勝つか、誰が上かということとは違う価値観がいっぱいあって、その多様性がこの子によって学べた。だから この子を受け入れることが出来た。人と比べて勝つか負けるか、どちらが早いかというのは、本来この子たちには馴染まないですよね。一般の人でも上手くいかないですよね。それがだんだん 競争化してこんなに荒んだ世の中になったのですね。出来ればいい、早ければいい、優秀ならいいという価値観を変えてくれるダウン症の方たちはものすごく良い存在なのです。自分自身が前よりも何が出来たかというのが大事ですね。 (姉妹で競争させるつもりはないのですが) 親は思ってなくても、知らないうちにそうなっているようです。子どもは褒められたい、親に認められたいと思ってやっていることもありましょう。競争させたいと思っていなくても無意識のうちに、何かないかなと考えてみて下さい。「どちらが早いかどうかはどうでもいいじゃない」と子どもたちに言うことも必要でしょう。「そんなことはどうでもいいこと」というメッセージがまだ伝わっていないのですね。子どもたちは、どっちが早いか、どっちか勝つかと必死になりますが、それを大人が理性でセイブするとか、「違う価値観があるのだよ」と教えていかないと、今度は出来ない子を馬鹿にしたり、ダウン症の子でも自分より出来ないと馬鹿にします。自分のコンプレックスの裏返しというのはあるのです。ルールで役割を、先にやった方がお母さんに認められると思っているのなら、「それは違うよ」と教えてあげないと子どもにはわからないです。 また、自分が向上していくためには、苦手を克服していく必要があります。そのためのきめ細かい援助がとても大事になります。自分が向上したという確かな自信があれば、ひとと比べなくなるし、安定もしてくると思います。 <質問> 娘が精神科にかかっているのですが、今年の3月に先生が転勤され、新しい先生にかかっている。別の病院に替わろうかとも思っているが、どういう兆しのときに替わったらいいのでしょうか? あっちの病院こっちの病院と、親が子を振り回しているようなことにならないのかなと。病院の見極めが分からない。 <回答> 必要なのはご本人の気持ちをわかってくれる先生ですね。病院を替わるのはいつがよいかというのは、話し合ってみないとわからないでしょうね。その目的は本人の自信をつけることでしょうか。ご本人の気持ちを汲んでくれるようなカウンセラーさん、話が出来るようなドクターが良いですね。まずお母さんがその病院に行って様子をみられてはいかがでしょうか。 今の問題をどう解決するかですね。 この間お会いしたら元気でしたね。何か問題あるようには見えないですが。 <質問> 5歳の兄と6ケ月のダウン症の男の子の兄弟です。ダウン症ということを(兄に)いつ、どのように告知したらいいのでしょうか? 周りの子が「障害、障害」と言っているので、障害をどう話したらいいのか分からない。 <回答> お兄ちゃんがどう思っているかによるでしょう。お兄ちゃんから「これはどうして?」と聞かれたら「うん、それはダウン症だから」ぐらいでいいのではないかと思いますね。「ダウン症だからゆっくりなのよ」とかでいいと思います。告知なんて恐ろしいことをしたら、大変な状態なのだとかまえてしまうかもしれません。軽く言っていいことではないでしょうか。 ところでダウン症=障害という証拠はどこにありますか? 子ども達はわかってないから、“障害”と言っているのであって、わかったら“ダウン症=障害”ではないのです。さっき言ったように、どのくらい困っているかであって、困っていなければ障害ではないのですね。「苦手が多い」という言葉を使って学校などに教えに行っている大学の先生もいます。 大人の方で、「自分はダウン症で、障害が嫌」と娘が言っているけれど、どういうふうに説明したらいいかと親御さんがご本人と相談に来られた方がいます。ご本人には、「障害って何だと思う?」と聞きました。答えが出なかったので、「いろんなことが出来なくて周りの人からお手伝いしてもらわないと出来ないのを“障害”というのよ(これは河内さんの受け売り)。貴方は困っているの?」と聞いたら、「困ってない」というのです。「じゃ、貴方の今“障害”はないのじゃないの?」と説明して、「貴方はダウン症だけど、今は障害はないのですよ。ダウン症だからいつも障害があるわけではない」と言ったら納得して帰っていきました。また、障害があった場合は、どうやって困らなくできるかということを本人と話し合います。「ダウン症は障害」と言っている人は、ダウン症について知らないのです。 だから、お兄ちゃんには 「ゆっくりだけなんだよ」とか、「心配ないよ」と言ってあげればいい。思っていないのにわざわざ言うこともないけど、知りたいと思っている時に誤魔化すと、「お母さんはもっと何か隠しているのではないか」と勘ぐられる。それよりははっきり言ったほうがいいですね。さっきの河内さんの妹さんが2つ下で、小学校に行った時に、「みんなダウン症って知らないんだね。私、説明してあげたから」と言ったのですね(笑)。それくらい大したことないんだよと思えたらいいですね。 <質問> 小学校2年の男の子です。今、普通学級にいて、算数とか分からなくて先生に下書きしてもらいに行ったり、大学生の人にお世話してもらっています。先生が高学年になると分からないことが多くなるので、「違うところで勉強した方がいい」とおっしゃるのです。何か話があるたびに言われるので、この先どうなのかなと思います。 また、発達診断を受けに行くと、先生を甘く見てテストを全然やらず重度の判定が出て、少し落ち込んでいます。 <回答> 担任の先生にそういうことを言われることは多いと思うので、お母さんが何のためにここに入れているかをはっきりと言うことが必要ですね。この学校にいたから、こんなに伸びたとか証拠をあげて。違う学校に行った場合のメリット・デメリットを書き出して先生と具体的に話し合ってもいいでしょう。学校の先生は具体的な議論が苦手な方も多いようです。 それから、療育手帳ですが、だぶんテストをした先生はバカにされたのですね。でも多くの方は、療育手帳の結果は悪く出されたら喜んでいますよ。あるすごい多動のお子さんなのですが、療育手帳の判定になると、テスト好きでいい子になってしまうのです。お母さんは「この親不幸もの」と怒っているんですね(笑)。こんなに大変だから重度に出してもらいたいのに、軽度になったと怒っていましたね。テストというのは、その子の状態を知るわけではなくて、悪い場合に親御さんが大変だから出すものでしょう。私なんかは、そういうところにいく時は 寝不足で行かせるとか、空腹で行かせるとかします。なぜかというと、悪い状態にこそ必要なので、いい状態だけ見せても意味がないです。どんな状態でもできるのであれば療育手帳は必要ないのですから。さっきのお母さんは、普段は大変なのに「良いところばかり見せて」と怒っていたのです。それに結果は、学校とは関係ないですね。なぜかというと、文科省と厚労省とは別の体制だから。 「重度」だから普通学級に行けないというのは昔の話です。特別支援教育では発達のレベルはもう関係ないとなっています。発達のレベルがどうのと言っているのは法律違反です。将来どうのと先生が言っていますが、学校を替えて不利益が生じたら、先生は一生面倒見てくれますか?トラブルが起こったら先生が責任とってくれますか? 親が一生面倒みるのであって、先生はずっと責任もってくれるわけではないのですから、そこはあまり深刻に考えなくていいと思います。 <質問> ダウン症児の次男を妊娠直後、歯医者で麻酔注射を受けました。(妊娠している可能性を告げ、先生から「大丈夫ですがどうしますか?」と言われ、受けました。)もしこのことが原因で21トリソミーになったのなら、申し訳ないなあという気持ちがあります。次男がダウン症であることは構いませんが、妊娠初期に麻酔注射を受けたばかりにそうなったのなら、悪かったなあと思います。どうでしょう? <回答> それは全く関係ありません。21トリソミーが妊娠後にできることは非常にまれですし、麻酔薬は関係ありません。また麻酔薬が妊娠初期の胎児に影響することもまず考えられません。 |