巽 純子 今年の8月初めから長女がスウェーデンの大学院に留学しています。かねがね、福祉大国を見たいと思っていましたので、早速、次女と三女を連れて、押しかけてきました。滞在中は長女からはもう付き合いきれないと言われて迷惑がられましたが・・・。1.スウェーデンとはどんな国か それではまず、スウェーデンはどんな国かということを復習しておきましょう。人口は、約930万人で、日本の約1/12です。面積は日本の約1.2倍(地図で見ると北の方が広げて描かれているため、大きいと勘違いしている人も多いのですが)で、国土の北地域はあまり人が住むのに適していないため、人口は南の方に集中しています。特に首都ストックホルムの市およびその周辺の市街地には約200万人が住んでいます。人口密度は、3300人/km2であり、この密度は日本の代表的な県で言えば、千葉県くらいです。 また、産業はと言えば、農業には気候の面から適しておらず、鉄鋼業、ボルボで有名ですが自動車を含む機械業、エリクソンなどの携帯電話を含むIT産業、豊富な森林資源を用いたデザイナー家具、ノーベルを出した国ですから化学工業、などです。これも特別に石油があるといった資源立国ではありません。 北欧諸国では福祉が充実していることは、つとに有名で、いまさらとは思いますが、図1に社会保障費の国際比較を示しておきます。
ここに示されるように、社会保障費全体は日本の約2倍です。特に障害者に対する福祉施策費は日本の約5倍強です。また、教育費は大学院まで無料ですし、教科書はもちろん、コミューン(市町村にあたる)によっては文具(鉛筆、ノート、消しゴム)まで支給されます。高齢者への福祉も充実し、老後も心配なく暮らせます。医療費も一定額以上は無料となるそうです。 このような充実した社会保障の制度は長い政権担当期間を誇っている社会民主労働党政権によって推進されてきました。この社民党は、1932年から1976年まで続き、また1982年から91年、1994年から2006年まで、それぞれ政権を担当してきたため、福祉大国を形成したと思われます。 しかし、充実した福祉を支えるために税金が高いということはよく言われています。日本の消費税は現在5%ですが、スウェーデンはなんと25%です。ただし例外もあり、食料品、ホテル代、交通費などは12%、書籍や新聞などと文化事業に関わる一部商品やサービスに対しては6%となっているそうです。所得税は、住んでいるコミューンに払う地方税と国に対する国税とがあります。地方税はコミューンによって違いますが、収入の多少に関わらず、大体26%から35%の間だそうです。所得が多くなると国税が加算されます。年収が298,600クローナまでは国税は無税、それを超えると、450,500クローナまでは298,600クローナを超えた分に対して20%、450,500クローナ以上では25%の国税が加わるということです。では、地方税しかかからない年収の上限298,600クローナというのは、どのくらいの収入かと言えば、平均やや上くらいだそうです。1クローナは、現在約12円です。日本円に直すと298,600クローナは、360万円弱になります。日本と比べ、全体に収入が低いように感じると思いますし、これで消費税や地方税を払ってやっていけるかという心配がありますけれども、物価に関しては私がスーパーマーケットで買い物をした感覚から言うと日本と比べて食料品や家庭雑貨は高くはなく、「えっ、安い」と長女と言い合っていました。しかし、この感じ方は、日本の円高の影響があり、1クローナが12円という基準、1ドル85円というのは、あまりにも円が高い状態でこれを物差しとすると評価が正確ではないようにも思います。現在の円高では、世界のどこの国に行った場合でも日本人が非常に高額の収入を得ているかような錯覚に陥りますが、相対的に物価も高く、決して高額収入の実態はありません。 ところで、日本ではスウェーデンの消費税が高額でそれが社会保障財源となっているように受け止められているかも知れませんが、消費税によって高福祉が支えられているわけではありません。実は、スウェーデンの福祉を支えているのは社会保険料です。これが社会保障費財源の約半分を占めています。その社会保険料は、事業主負担分と本人負担分が8:2です。日本では、5:5です。スウェーデンでは事業主の負担割合が高いのです。つまり、日本では、自分の懐に入る部分が、社会保障財源となって自分やそのほかの人たちの生活を保障することに使われているとも考えられます。教育や医療といった生活に必須の部分の支出に関しては心配ないので、その分は生活を楽しむ費用となるようです。なぜなら、私が訪ねた施設やダウン症の親の会の人たちは夏休みを1ヶ月くらい取っていて、それが普通だというのです。働く時間は労働時間法(Arbetstidslagen)により週40時間以内と決められていて、所定外労働(残業)時間も4週間で48時間以内、年間200時間以内と規定されています。スウェーデン人の平均労働時間は、年間1500時間で、日本人の平均労働時間の7割ぐらいです。そして、年5週間の有給休暇をフルに使います。私がグループホームで、そこの管理者に聞いた話では、ヘルパー(あるいはアシスタントとも言うべき人)は、みな40時間労働でそれ以上は残業などしないとのことでした。で、ヘルパーさんはみなコミューンの公務員です。 このようなわけで、人手が不足になれば事業主は別の人を雇わねばなりません。人を増やすとその分、事業主は社会保険料などの経費も必要となります。日本の場合、新たに人を雇わず残業あるいはサービス残業などをさせてしのぐわけですが、そうすると労働者は休む時間も十分に与えられず、過労死なども起こってきます。その意味ではスウェーデンは、労働者は生活を楽しみ、教育費の心配、医療費の心配、老後の心配もなく、十分な休養をとり、人生の生活を楽しめるわけです。また、雇用も生まれるので、女性の就業率は高く(約80%)、夫婦2人で収入があります。子育てには支援があり、妊娠・出産に伴う医療費の無料化、出産手当の導入、前述したように教育費は無料、住宅手当もあります。育児休業は出産予定日の10日前(母親のみ対象)から子どもが8歳になるまで(両親が対象)の間で、自由に分割したり、時短勤務などで、子ども一人について480日分取得可能です。480日のうち390日は所得の80%を、残り90日は日額180クローナを保障しています。所得の80%が保障される390 日のうち、相手に譲渡できない期間が父母それぞれに60日間あります。父親のみが取得できる60 日間は「パパの月」と言われています。父親がそれを使わないとせっかくの有給休暇が無効になるため、ほぼ皆さん使っているそうです。また、育児手当(小学校入学前は児童補助手当、小学校入学以降18歳になった年の7月1日までは教育手当)も支給されます。 ところで、当然ながら高い税金で、かつ公務員が多いため(労働者全体の3分の1)、税金がきちんと使われているかどうかについては、大変気になることころです。政府を信用していなければ、高額な税金を支払うわけがありません。これには、「オンブズマン」制度で対応しています。 オンブズマン制度とは、行政を独立な立場の人が監察する制度でスウェーデンで始まったものです。オンブズマンはスウェーデン語で「代理」という意味で、市民の代理人として、行政を監視しています。この制度によって、税金の透明性が担保されています。特に国会オンブズマンは、公務員の調査や市民からの苦情申し立てを処理し、大きな権限を持っていて、国会は国会オンブズマンの命令に逆らえないとのことです。 でも、ちょっと考えると、老後まで面倒みてもらえるし、別に努力をしてもしなくても人生何とかやっていけるので、競争がなくなり、国際的にも競争力がなくなると思われるかもしれませんが、今年World Economic Forum から出された2010−2011国際競争力のランキングで第2位です。ちなにみ1位はスイス、アメリカは4位、日本は6位です。すなわち、国際競争力もあり、福祉も十分でうらやましい限りの国です。 2.福祉施設を見学しました スウェーデンでは、障害者については社会法の中のLSS(Lagen om stod och service till visa funktionhendrade)法で規定されています。 障害年金は、日本と同様、未成年の場合は親に支払われ、19歳(成人)からは本人に支払われます。金額などは、障害の種類や程度のよって異なるようです。成人に達すると障害のない子供の場合、親元を離れて自立した生活を送るようになります。障害のある子の場合も多くの場合、」グループホームで生活を送るようになります。日本にもグループホームはありますが、日本の場合、私の知る限りでは1人に1部屋が割り当てられて、共同のリビング(兼ダイニング)、お風呂、トイレとなっていますが、スウェーデンのグループホームは大体1人に1DKまたは2DKの個別のアパートメントが割り当てられています。私の見学したところは、ストックホルム市の少し郊外にあるLiljeholms地区のマリーのグループホーム(Mrieviks gruppbostad)というところです。図2に示すような間取りです。 このグループホームは、普通の5階建てアパートの2階と3階を障害者用に改造して提供されています。個人の生活を大切にするために、玄関は戸別にあり、各自の個室に通じています。1戸の部屋には、バス・トイレと小さなキッチンがついています。これは普通のアパートと同じです。1フロアに5名の住居スペースがあり、1フロアに(つまり5名の障害者に対して)朝と夕方は3名の障害者の補助者がいます。各戸には補助者が待機している共通のスペースに出られる扉がついていて、いつでも共通のスペースに出られるようになっています。共通のスペースにはダイニングキッチンとソファやテレビ、本などが置いてあるくつろげるリビングのようなスペースがありました。各戸には中庭に面したテラスがついていましたが、そこからは保育園の庭が見渡せます。保育園が隣接してあるからです。子供たちが遊ぶ姿が見られるのが精神的にケアにつながるとの配慮でわざわざそこに保育園を設置してあるらしいことを言っていました。 住人の人たちは、日中にはデイセンターに行っているために、その間と夜間は補助者が1人になります。これとは、別に日中は市から派遣された管理者(2フロアを管理する)がいます。夜は1フロアに宿直する人が1人だけになりますが、何か問題が起こったときには2つのフロアにいる補助者2人が連絡を取り合って、ことにあたるとのことでした。補助者の仕事は、朝は朝食の支度と送り出し、夕方は夕食の支度と寝るまでの手伝いをします。朝食は、各自の部屋についているキッチンを使うこともできるので、自分でできる人は自分で作ります(自分でできる人は見守りのみ)。夕食は、基本的にはみんなで一緒にとるのですが、自分である程度できる人は、切ったり、洗ったり、調理したりなどの作業を手伝うとのことでした。補助者の労働時間は週40時間なので、24時間体制だとそれなりの人数の補助者がかかわっているようです。図3に、このグループホームに暮らすダウン症のカップルと祐希が一緒に写真をとりました。この2人は40歳男性と29歳の女性なんですが、婚約指輪は自分たちで買いに行って、ホームや友人たちを招いて結婚披露をしたそうです。訪問した時は2人でお茶をしていました。 このグループホームの家賃は、月4800クローナで、食費は別です。障害年金が大体16000クローナですが、補助者は、市から派遣されるので個人負担はないそうです。このグループホームからデイセンターに通うわけですが、障害を持つ人には特別のタクシーやバスがあり、また毎日ガイドヘルパーが迎えに来てくれます。 デイセンターですが、私が見学したのはやはり同じLiljeholms地区にあるLiljeholms garden Dagcenter というところです。45人の利用者が通っています。職員は時間勤務職員を含めて1日当たり20.75人だそうです。施設の広さは約1000uという広さです。仕事内容は本人が自由に選択でき、作業を行うと1日当たり60クローナが支払われるそうです。この給料を支払うことの目的は、本人が仕事に参加するという意識を持たせることだそうです。作業所で作成した作品は、近くのショップで障害者自身が販売をしています。
デイセンターでは、陶芸作品や織物、絵画、染物、袋物の作成などを行っていました。また、たくさんのコンピュータが設置されていて、障害者自身がコンピュータを学んでいるそうです。 作品はアメリカで展示会をやったら高額な値がついたものもあり、新聞に取り上げられたとも言っていました。多くはクリスマスのときに会社などで顧客に配る小さなプレゼント用に注文を受けているそうです。今から大忙しで作っているとのことでした。 このデイセンターは、湖のそばに建ち、利用者用のダイニングからは湖を挟んで対岸の森や建物が眺められ、四季いろいろな景色の移り変わりは利用者にとって癒しになると所長さんはおっしゃっていました。このデイセンターでは余暇の取り組み(演劇や楽器演奏などを地域の人たちを招待して発表する)もしているそうです。月曜日から金曜日までこのデイセンターで活動が行われます。昼食は利用者が当番で作るのを手伝うそうです。図5に示すのは、作業所で作ったものを販売するショップの入口の様子と商品の袋物です。
このデイセンターは自閉症やダウン症などの知的障害者の人たちが主に利用していますが、もっと重度な人や重複障害のある人たち、あるいは高齢な障害者には別な施設があります。作業ではなくセラピーやリハビリを中心とした施設で、これも見学してきました。エーケンベルグス更生施設(Ekensbergs dagliga verksamhet)という施設です。ダウン症の60歳以上の高齢者も何人かいました。介護者は、彼はゆったりした日を過ごすのを好んでいるので、このようにしている、と揺り椅子に腰かけて音楽を聴いているさして言っていました。 犬のデイセンターが近くにあるので、犬を散歩させたりもするとかで、動物療法となっていると聞きました。毎週金曜日の午後には、「金曜日のコヒータイム」の時間があり、職員が障害者たちと一緒に作った、おいしいケーキ、パン、コヒー、ジュース、紅茶などと一緒に提供され、楽しみの一つとなっています。帰宅前には全員で音楽に参加して1週間の終わりを楽しむことで、ある意味けじめをつけているとのことです。 それでは、スウェーデンにおける障害者への様々な援助にどのようなものがあるかといいますと、 1)家族に対する援助 家族自身が休養できるように、ショートステイシスムがあります。また、各種の講演を無料で参加できたり、インホメーションの取得やアドバイスを受けることができます。 2)補助手当 障害年金は、障害を受けた時期から、65歳の定年まで支給をうけることになり、特別認可を受ければ、65歳以後も手当を受ける事が出来ます。 3)住居手当等 障害者が自宅やグループホームで可能な限り、自立して生活が出来るように、各種の改造や補助器具の援助を受ける事が出来ます。 4)職場でのサポート 労働就職に対する援助、補助および必要な補助器具について:障害者が事務所や工場などの作業現場で、障害があっても職務が遂行できるように、部屋を広くしたり、バリアフリーにしたり、上下移動の出来る机、マウスで利用できるコンピューターの設備など、各種の改善と援助が受けられます。それらの改善費などは、雇用会社が申請することで、国から補助金手当てが支払われます。 5)作業援助者 障害者が職務に就き、作業を遂行できるように援助をする者を意味します。例えば、手話や必要器具の調整、書類の読み上げなどの援助のことであり、そのための教育を受ける事も出来ます。 6)補助者(アシスタント) 障害者の日常の生活(食事、トイレ、ベッド、買い物、リハビリトレーニングetc)や児童の学校教育に補助を必要とする場合、補助者の要求ができます。アスシタントは、時間給与者のため、その補助について週に最高20時間までは、住居地のコミューンが認定し、20時間を超えて必要とする場合は、国民保険庁が認定することになります。このアシスタント制度は、障害者でなくても、高齢により活動が不自由となった者、一時的な病気による生活障害がある者などが受けられます。 3.スウェーデンダウン症協会の代表のLotta Larssonさんと情報交換しました さて、前述したような福祉が至れり尽くせりの国で、ダウン症協会はどのような活動をしているのかと思い、ダウン症協会の代表の方と会って、話を聞くことにしました。 ダウン症の子供は年120人程度出生しているそうで、これは出生800人に1人の割合となります。スウェーデンダウン症協会は、できたのが2002年でまだ小学生までくらいの子供を持った人たちが中心の会です。代表のLottaさんは10歳のダウン症の娘さんをお持ちです。また、双子で健常の娘さんもいます。この会の会員の年齢層から言って、興味は主に教育についてだそうで、それを中心課題として活動をされています。 1994年にスペインのサラマンカで「特別なニーズ教育に関する世界会議」が開催され「特別なニーズ教育における原則、政策、実践に関するサラマンカ宣言ならびに行動の枠組み」が採択されことは日本でもよく知られていることです。また、それを受けた形で特別ニーズ教育と個別支援を実施するいということで養護学校は特別支援学校と名称変更されました。しかし、どうでしょうか?本当に個別支援になっているでしょうか?また、「サラマンカ宣言」で使われた包括的教育(インクルージョン)という言葉が使われるようになりましたが、決してインクルージョンになってはいません。 これはスウェーデンでも同じ状況だということで、障害児教育は通常の学級と分けて行われるのが普通だったとのことです。「サラマンカ宣言」と障害者差別禁止法の批准後、少しずつ変わろうとしているようですが、教育だけでなく社会的インクルージョンはまだまだであるとのことです。福祉が充実しているがゆえに、障害児・者を特別にわけているわけです。重度の障害者にとっては非常に良い環境であるのは事実ですが、ダウン症などの中軽度の知的障害者が社会で一般就労はなかなかできないようです。ダウン症協会の会員の中でも意見は分かれているようで、就学時は結構普通学級を選ぶ保護者も多いのだけれども、4年生くらいになると特別支援学校や支援学級に移っていくとのことでした。無理しないでも福祉の枠組みの中でお任せしてしまえば、親が何かをしなくてもいいのですから。しかし、Lottaさんは、インクルーシブ教育を進めるべきだとの意見でそれを議員に訴えていると言っていました。また、インクルージョンが進んでいるカナダやアメリカの状況を絶賛していました。アメリカやカナダではマクドナルドなどで働いているダウン症の人もいると、言っていました。 「インクルーシブでバリアフリーかつ権利に基づく社会」という考えが基本理念ですが、スウェーデンでは、インクルーシブというところがまだなのでしょうか。Lottaさんは、一般の人は障害をもった人たちがどのように生きているかについて知らなさすぎると言っていました。スウェーデンでもそうなのか、と私は思いました。 また、Loattaさんは、スウェーデンではダウン症の子や人のための専門家(医療・教育)がいない、と嘆いていました。それは、人数が少ないためであるそうです。自閉症などは一定の人数がいるために専門家もいて、特別支援教育でもしっかり見てもらえるが、ダウン症については出生前診断等で中絶されることもあり、出生人数は少ないので、専門家が育たないとのこと、これについてもアメリカから出版されている書籍が豊富であり、うらやましいとのことでした。 なお、下記のホームページに私たちがインタビューを受けた記事がスウェーデンダウン症協会HPに掲載されています。 http://www.svenskadownforeningen.se/nyheter/yuki-fran-japan-besokte-sverige 4.終りに スウェーデンのストックホルムに1週間滞在して、いろいろと見聞きして、大変楽しい思い出になりました。また、行ってみたいなあと切に思います。また、日本の政治の状況を見るにつけ、なかなか日本では親が安心して死ねないなぁと思ってしまいます。 でも、福祉が充実していて障害のある子を産んでも、それほど後あとを心配しなくてもいいのにも関わらず、出生前診断でダウン症の子があるとわかると中絶を選ぶ人が多いようです。また、スウェーデンでは、35歳以上の高齢出産の場合、無料で羊水検査が受けられるそうです。ダウン症の胎児とわかって妊娠の継続は20%くらいらしいです。中絶を選択する理由は、いろいろとあるようですが、自分の生活を優先する人が多いかららしいです。スウェーデンは結婚しないで事実婚だけで済ます人も多く、離婚も多いので、障害のある子を持って仕事をしたり、次の結婚をしたりする場合、ハンディになるらしいです。しかしながら、その理由については本当のところ定かではないです。 それから、図1で示したように、インクルージョンが進んでいるアメリカ・カナダの障害者への社会保障費はそんなに多くはありません。どうしてこのような結果か、未だ私にはよくわかりません。今後の研究課題とします。 図7 スウェーデンダウン症協会の代表Lotta Larssonさん(右端)と一緒に。 |