京都ダウン症児を育てる親の会(トライアングル)会報


(2015年10月号 掲載)
障害を理由とする差別の解消に関する京都市対応要領(仮称)に関する意見書

京都ダウン症児を育てる親の会
2015年9月11日

 京都ダウン症児を育てる親の会は、社会の中でダウン症児者がいかに理解されていないか、ということを痛切に感じ、啓蒙活動に取り組んで30年になります。 その間、福祉施策は随分改善されました。
 外出時のヘルパー派遣、児童にもヘルパーが派遣されるようになる等、また、バリアフリー化も進み、施設の改善もみられ、評価できる点も多々あります。が、今回の意見書を書くにあたり、コンタクトの取れる親に「差別の事例」を問うたところ、短時間にもかかわらず、多数の意見が寄せられました。
 ここに、意見書と共に、寄せられた意見を添付します。通信での呼びかける時間がなかったため、すべての会員の意見ではなく、一部と考えると、いかに日常的に差別的な言葉が投げかけられていることがわかります。
 この事例を真摯に受け止め、京都市の対応要領が障害者だけでなく、すべての市民にとって暮らしやすい街になることを切に願っています。
 
○行政の窓口に行くことは、時間の経過とともに、少なくなっていきます。 以前は障害者にとってどのような施策があるのかも、わかりにくかったのですが、窓口の対応も改善されてきていると思います。
 先日、会員から、父親が急に入院することになり、母親も仕事が休めず、短期入所の相談があり、福祉事務所と児童福祉センターを紹介したところ、2事務所が連絡を取り合い、短時間で短期入所することができ、母親は大変喜んでいました。
 
○寄せられた「差別の事例」の7割が学校で起こっています。本来、尤も守られるべき場所で、なぜ、このような差別が日常化しているのか?
 京都市は分離教育を進めています。「分ける側」と「分けられる側」を作り出す、「分離」そのものが差別です。良かれと思って進めている「分離」のため、差別と気付かず、校長や教師の言葉に、本人や保護者いかに傷つき、疲れているか、を真摯に聞く耳を持ってほしいと思います。
 社会の中で日常的に起こっている差別の元凶はこの分離教育に発しているのではないか、とも考えてしまいます。
 障害者差別解消法が、障害者権利条約を運用するための法律で、権利条約が「インクルーシブな社会」を唱っていることを、行政及び、教育委員会は理解しているのでしょうか。
 また、京都市対応要領(仮称)の中に、合理的配慮の範囲として、「障害者でない者との比較に置いて同等の機会の提供を受けるためのものであること」となっています。 地域の学校に一緒に行きたいと、障害があるなしにかかわらず共に過ごすことを希望することは、「障害のないこどもと同等の機会」と考えます。なぜ、学校側からこのような差別的発言が多くでてくるのか、早急に改善していただきたく思います。
 合理的配慮には、人的配置や予算の伴うこともあるでしょう。京都市は今回の差別を解消するための予算の確保をあげています。大きな期待を寄せています。 また、どのような合理的配慮がされれば、共に過ごせるインクルーシブ教育になるのか、当時者、保護者の意見を聞き、取り入れてほしいと思います。
 
○ページ7・8:障害児者やその保護者が「不当な差別的取扱い」と受け止める事と行政が「正当な理由」の隔たりが相当ある事例が、多く出てくると思いますが、改善に向け、繰り返し話し合う機会と時間をつくり、差別解消法が絵に描いた餅にならないよう願っています。
 
○ページ18の職員の研修に、学校関係者も含めて下さい。頭からできない、できないからこんなものでいいだろう、という発想で子どもや親に対応する校長や教師に「障害者権利条約」の理念から学んでほしいと思います。
 
○就労についても、京都市は障害者の一般就労にも力を入れていますが、労働時間等の合理的配慮があれば、多くの障害者が一般就労できると、経験から思います。 多様な働き方ができるように、事業者に指導をお願いしたいと思います。
 
 今回、「差別の事例」のみ、集めましたが、日常的に差別があるとはいえ、たくさんの理解ある人達に支えられ、生活しているのも事実です。すべての人が差別的発言をしているわけではなく、楽しいこと、嬉しいこともたくさん経験しながら、生活していることもお伝えしておきます。
 
注:ページは配布された「障害を理由とする差別の解消に関する京都市対応要領(仮称)」の京都市原案に対応するものです。
 

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