京都ダウン症児を育てる親の会(トライアングル)会報


(1999年10月号 掲載)

友大の毛布

下鳥佐知子   

 「友大は天使やから天使の羽をつけたんよ!」
本業は建築家で洋服のデザインもする私達の友人がファッションショーで使った生地が余ったのだといって、友大の為に毛布を作ってくれた。毛布の隅にはしっかり天使の羽が刺繍がしてある。

 一年前、友大が誕生したということは伝えたものの、ダウン症であるということは伝えられないでいた。正確には伝えなかったのだが・・・・・
というのも言われた方も困るのではないか?と思ったからだ。
でも友人達は友大に会わせろだとか、写真を見せろだとか・・・・・
やっぱり黙っている訳にはいかなくなってきた。
主人が友大の写真を持参していざ・・・

 ダウン症に関する話を聞いている時の友人達の顔は真剣で、中には泣きながら話を聞いてくれた友人もいたそうだ。一通り話も済んで写真をみんなに見せて、その時の友人達の反応は「えっ!そうなん?写真見ても全然わからんやん。可愛いやん」
だったそうだ。その時主人は「うん、友大もこれで大丈夫だ!」と確信したといっていた。間もなく友大と友達達が初めて対面する時が来た。私達の突然の告白から友人達は色々な事を考えたり調べてくれたりしているようだった。

 見た目はちょっと?派手で人が振り返ってまで見ていきそうな彼等(彼女等)だが、心から友大の事を一生懸命理解してくれようとしている。そんな友人達の思いやりが一枚の毛布に込められているのを感じた。

 私達夫婦が友大にしてあげられる事・・・とにかく友大には微力ながらも私達の出来る事をしてあげよう。なかでも友達を沢山作ってあげたい。かくして友大は、わずか一歳にして12人もの派手な大人の友達を見つける事が出来た。
そして私と友大は初参加の山の家の合宿で、友大に沢山の友達が出来た事をとても嬉しく思っている。

 友大がこの世に生を受けて一年と一ヶ月、友大のおかげで私達も沢山の人達と知り合うことが出来た。まだまだ未熟で時々フゥーと世間の風に吹き飛ばされそうになることもあるけど、最近ようやく焦らずゆっくりやっていけば良いのだなぁーと思えるようになって来た。なにより我が子はメチャクチャかわいい!
友大には血のつながった仲間がまだいない。
現在、計画中???です。


会報No.84のindexへもどる
会報バックナンバーのindexへもどる
三角データベースのindexへもどる

homeへもどる