ブレーザーOJ287
ブレーザーとは?
OJ287
ブレーザーOJ287は1994年10月にアウトバーストを起こし、同年11月12日に14.03等
(V等級)という最大等級を記録した。我々は大阪教育大学51cm望遠鏡
によりこの天体をモニター観測している。1995年2月までの結果は1995年春季年会
(東京学芸大学)において報告した。今回はそれ以後の観測結果について報告する。
OJ287は最大等級を記録した後、4回の小さなバーストを起こしながら減光し続け、
1995年5月に約16.3等まで減光し、その年の観測シーズンを終了した。
その後同年11月より観測を再開した。このときには14等級後半という結果を得、再び
増光していることを確認した。そして12月22日に最大等級14.01等を記録し、その後
急激な増光・減光を起こしながらもほぼ約14.5等を保ち続け、観測シーズンを終了した。
OJ287の1994-96年の増光及び光度曲線のダブルピーク構造は過去100年間の写真乾板
の解析と前回、前前回のアウトバーストの詳細な観測から予言されていたものだった
のだが、最大光度やその後の減光率、また、特に2回目のピークが減光せず、いつまでも
明るい状態を保っていることなどいままでの歴史的な観測と異なる特徴がいくつもある。
今回は前回、前前回の観測結果との違いを中心に報告し、OJ287の中心部で起きている
物理状態の変化について考えてみたい。
(ブレーザーOJ287のDouble Peak Outburstの観測、有本淳一、田鍋和仁、本田敏志、定金晃三(大阪教育大学)(1996年日本天文学会秋季年会)講演予稿集より)
OJ287の光度曲線と色指数