1、天文分野


1) 地球の自転
○フーコーの振り子
・フーコー、Foucault(1819−1868)、フランス、天文台経度局技師・学士院会員、物理学者
       フィゾーと光速度の測定
       1855年フーコー電流=渦電流の発見
       1857年ジャイロスコープの発明

○コリオリの力
コリオリ、Coriolis(1792−1843)、フランス、エコール・ポリテクス教授、土木技術者、天文学者
      コリオリの力の発見
      仕事、運動エネルギーの概念形成

2) 地球の公転
○ 年周光行差
・ブラッドレー、Bradley(1692−1762)、イギリス、グリニッチ天文台台長
         1728年年周光行差を発見
         1745年章動を発見
→章動…地球の自転軸の天球に対する方向は太陽と月の引力によって変化する。この変化の周期的部分を章動という。天球の赤道の変化と見れば広義の歳差の周期的部分に相当し、普通は章動に対する補正を行った残りの非周期的部分を歳差という。
→歳差…太陽の作用以外の天体の作用でおこる天球の赤道、黄道の変化。125B.C.ごろにヒッパルコスによって発見された。

○ 年周視差
・ベッセル、Bassel(1784−1846)、ドイツ
       1838年はくちょう座61番星の視差を測定(0.314秒角)
       1840年海王星の存在を示唆
       1824年ベッセル関数→惑星運動論の研究から

・木村栄、(1870−1943)、天文学者。金沢に生まれ、1892年(明治25)東京帝国大学理科大学星学科を卒業、大学院で寺尾寿(ひさし)、田中館愛橘(あいきつ)に師事して位置天文学および地球物理学を専攻し、震災予防調査会の事業としての緯度変化の観測に従事した。 98年緯度変化の国際協同観測に参画するためポツダムに留学、99年岩手県水沢に緯度観測所が創設されるに及び初代所長に迎えられ、以後40年間この観測事業に献身した。 1902年(明治35)、汎地球的な観測資料を整理して、緯度変化の経験公式のうちx項およびy項のほかに、1年周期で変動するz項を付加すべきことを提唱し、世界の学界に公認された。22年(大正11)に国際天文学連合の決議により、国際協同緯度観測事業中央局として水沢緯度観測所が選定され、その局長に専任された。 (C)小学館