「天文部の天文部による天文部のための

交流会」の一年

 

有本 淳一(京都市立塔南高校)

arimoto@mbox.kyoto-inet.or.jp

 

1、きっかけ

1999年の「しし座流星群高校生国際観測会」のときに、参加校に対し、オリエンテーションと交流を目的とした勉強会を開催しました。勉強会終了後に参加した生徒、教員に意見を聞いたところ継続的にこのような取り組みができないかということになり、この交流会を立ち上げることとなりました。

 

2、これまでの動き

2000

321日第1回交流会準備会

324ML立ち上げ

514日第1回交流会(生徒54名、大人11名)

820日第2回交流会(申し込みが少なく延期)

101日第2回交流会(生徒25名、大人13名)

 

2001

218日第3回交流会(生徒13名、大人6名)

617日第4回交流会(生徒30名、大人7名)

 

3、交流会の進行

(各回共通部分)

1230分 集合

1300分 プラネタリウム

1400分 プラネタリウム解説

1500分 交流会

1630分 終了

 

 

 

 

 

 

 

 

4、交流会の内容

毎回プラネタリウムを視聴し、その後にその番組を制作した担当学芸員や、もしくは解説した学芸員の方に簡単な解説をしてもらう(これが売りか?)

交流についてはまず、各学校とも1分間で学校紹介をしてもらう(結構盛り上がる)

その後、学校紹介の中で出てきた内容について議論、交流する

この交流の部分はいろいろな形態のものを試しており、今後も試行錯誤を続けたい

     第3回…東亜天文学会との合同セッション

     第4回…小型望遠鏡の組み方、太陽投影盤による観察

 

5、開催時期と問題点について

○第1

   PR期間が長かった

   「どんなものになるのか」という好奇心

⇒参加者多数

○第3

   PR期間が短かった

   「なんかやらなきゃ」という焦り

   大阪の学年末テストと近かった

⇒参加者少数

○参加者アンケートから

12回くらいの開催が適当

特別な天文現象があるときがいい

 

6、今後に向けて

        日程を年間を通じて決める

        アナウンスは2ヶ月以上前からはじめる(3回くらいは行う)

        もっと生徒が自主的に参加できるようにする

        観測方法、まとめの交流なども行う

 

7、まとめ

この交流会は各都道府県単位の理科研究発表会というものではなく、アマチュア同好会というものでもない。また、学校教員がサポートするだけでなく、科学館をはじめとする社会教育施設の研究員、アマチュア天文家、大学天文サークルなど天文に関わる多様な「大人」がサポートしている。この意味で、非常にユニークなものだということができよう。

活動内容としては大人が引っ張っていくというよりは生徒たちの自主性に任せている。したがって、内容には偏りが出てきたり、なかなか新しい展開が生まれなかったりしている。しかし、いろいろと試行錯誤しながら、「天文」という言葉をキーワードに交流や仲間作りができることを願っている。

 

5、参考文献

         有本淳一、寺戸真、渡部義弥、「天文部の天文部による天文部のための交流会(略称T32000年度総括報告」、天文教育20015月号P29

         渡部義弥、寺戸真、有本淳一、「高校生天文クラブの試験実施報告」、大阪市立科学館研究報告11157-1592001

 

6、質疑応答

矢治健太郎:教師以外のシニアの参加はどうなっているか?

有本淳一:社会教育施設の研究員や地域の天文同好会、大学の天文サークルの学生などが参加して、いろいろとアドバイスしている。

矢治健太郎:自主的な交流の雰囲気はないのか?

有本淳一:今のところはこちらで司会をしながら交流するという形になっている。なかなかシャイな生徒が多く、自分から話し掛けたり、イニシアチブを取る生徒はまだいない。しかし、茶話会などを催しながら、そういう雰囲気にしていきたいと考えている。