■再会■By ラジャ・ライオン

 2月新月号の(※注)田中さんの、「どうか金縛りに遭いやすい方法を教
えてください。」とのご質問ですが、前回の投稿に書いたように、私も
100%体外離脱できるわけではないので、これといった方法はありませ
ん。ですがとりあえず、私が試して効果があった方法などを今からお話し
しますから、これから体外離脱しようと考えている方は参考にしてみてく
ださい。

 まず金縛りに遭いやすいおおよその方法は1月新月号でお伝えした通り
ですが、私の場合、うつ伏せで寝れば100%に近い確率で金縛りに遭い
ます。ところがこの方法ではあまりに寝苦しすぎて長時間体外離脱できな
いし、時には金縛りがキツすぎて体外離脱できないこともあるので、現在
はうつ伏せでは寝ていません。ですが金縛りに遭うためだけなら効果はあ
るので、金縛りに遭いにくい人は試してみる価値は十分あると思います。
 それと、私は眠りを浅くするために濃いコーヒーやドリンク剤を飲んだ
り、カフェインの錠剤を服用したこともありました。ですがこの方法では
覚醒しすぎて睡眠の深さをコントロールできず、あまり効果はありません
でした。ただ眠りが浅くなることだけは確かなので、人によっては効果が
あるかもしれません。
 また、耳詮をするのもいいかもしれません。幻覚を見たり体外離脱をす
るためによく使用されるアイソレーションタンクも、五感をできるだけ遮
断するための装置だし、私も耳詮をして聴覚を遮断することで、かなり体
外離脱しやすいコンディションになります。ただ私の場合、長時間耳詮を
するとどうしても耳が痛くなるので、やはり今は使用していません。でも
耳が痛くなりさえしなければ、かなり使えるアイテムだと思います。

 今のところ私がお話しできるのはこの程度のことしかありません。現在
の私は、長時間体外離脱するために、いかにリラックスしながら眠るかと
いう課題に取り組んでいますが、リラックスしすぎると金縛りにも遭わず、
そのまま眠ってしまうというジレンマに陥っています。
 ですがこれから体外離脱を体験しようと思っている人はそこまで考える
必要はないので、まずは金縛りに遭う確率を高めることから始めてくださ
い。そして金縛りに遭ったなら、恐れずリラックスして、さらに少しだけ
深い眠りへと脳を導いてください。そうすれば金縛りも解け、そこで金縛
りから開放された身体こそが体外に離脱できる身体なのです。
 ぜひ皆さんも素晴らしい体外離脱体験をしてください。

 最後に、最近もっとも感激した幻覚楽園世界での体外離脱体験をお話し
します。
.
 それは夢から入った幻覚世界でした。気がつくと今はもう取り壊されて
存在しない祖父の家にいました。そこは子供の頃のままに庭の木々や部屋
の調度品などがきれいに再現されていて、そして今は亡き祖父と叔母が昔
のままに微笑みたたずんでいました。
 どうもこの幻覚世界は、子供のころ家族で祖父の家に遊びに行った時の
記憶を再現してるようで、亡き祖父と叔母だけでなく、若き日の私の父母
とまだ幼い兄もそこに居て、叔母がよく作ってくれた散らし寿司を始めと
するご馳走の置かれたテーブルを囲んでいました。
 まるでその空間だけは時が止まっているかのように、昔と同じように笑
い声の絶えない楽しい食卓がありました。ただ私だけは現在の容姿そのま
までしたが、何の違和感も無く食卓に溶け込むことができました。
 私が座った食卓の隣には祖父がいて、私に日本酒を注いでくれました。
祖父は私が子供の頃に亡くなったので、当然酒を注いでもらったことなど
なかったし、なにより再び会うことは無いと思っていた祖父を間近で見る
ことができて、私は感激で胸が詰まりました。
 私は前回の投稿で書いたように、味覚を強く働かすと現実世界に戻され
るので、あまりご馳走には手を付けないでいました。すると、私が「おば
ちゃん、おばちゃん」と親しみを込めて呼んでいた叔母が、癌で亡くなる
前のやせ細った状態ではなく、ふっくらして血色の良い昔のままの笑顔で
「遠慮せんともっと食べやー」と昔のままのセリフを言ったので、私は感
極まって泣きそうになりました。
 私は家族が一番仲が良かった時代の最も楽しかった時間を祖父と叔母と
共に過ごすことができました。しかし懐かしく温かい時間も終わりを告げ
ようとしていました。寝返りをうちたがっている現実の身体が私を呼んで
いるのです。
 私は最後にもう一度祖父と叔母を見ました。これが本当に最後の別れか
と思うと、とうとう我慢できずに涙がこぼれました。それを見た叔母が
「なんで泣いてんの?」と心配顔で言うので、よけいに涙が込み上げてき
ました。それが幻覚だと分かっているのに・・・いや・・・幻覚だからこ
そ悲しかったのかもしれません。
 気がつくと現実世界に戻っていました。現実世界の私も涙を流していて
枕が濡れていました。この時の体験は、現実世界の体験と同じように私の
記憶に刻まれ、そして生涯忘れることはないでしょう。

 これが最近もっとも感激した体外離脱体験です。エロ体験を期待した人
は残念でしたが(笑)、要するに幻覚世界では何でも有りなのだと言いた
かったのです。
 ぜひ皆さんもいろんな体外離脱体験をしてみてください。

(※注)プライバシー保護のため、名前は変えてあります。

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