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都の模様本京
Traditional patterns of Kyoto, woodblock printed design-books from Meiji-period (1868-1912)

京都では江戸時代より図案、意匠デザインの出版が盛んであった特に明治以降は多色木版印刷の発達共に様々な美しい本が出版された、
明治大正時代の木版印刷の精華をご覧ください。

四季の花
八千草
工芸之美
梅嶺菊百種
四季の花

美術海
新図案
菊百種

月刊誌 美術海 全70冊 合本14 册

   明治29年3月創刊 芸艸堂

 京都に於ける、木版図案雑誌として「新図案」と並び嚆矢のものであると思われます。毎月賞を懸けて募り、編集し極彩色の木版摺りで発売する、成る程独創的であります。「京都美術協会雑誌」や「京都美術」の編集に携わった神坂雪佳が、どれほど関わっていたのか定かではありませんが… さすが美術工芸の都の伝統の中で、さらに新鮮なデザインを受け入れようとする、雪佳的なアイデアだと思います。

 明治期の美術工芸図案界に於ける、新しいデザインの源泉を観るようです。 sold

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  景年花鳥画譜 全4冊134図 画者今尾景年 

   明治24年 西村総左衛門発行 鈴木万年序

 この本は、京都の日本画家今尾景年の代表的著書です。初版本の扉には発行者西村総左衛門自身の店の宣伝を、和英両文で掲載しています。頁の番号には洋数字を使い、表紙は金粉を散らしています。もちろん海外での評価を意識しているのでしょう。各地海外諸国の大小博覧会に於いて種々優等を受賞したこと。宮内庁御用達として、年々輸出額を増加している。などとこの本とは関係のない宣伝内容です。その理由は、この十二代西村総左衛門が、岸竹堂,今尾景年,幸野楳嶺,菊池芳文など、当代一流の日本画家に友禅染の下絵を依頼しました。旧態依然としていた江戸末期のデザインに新風をもたらしたと云うことです。 以来この画譜は、日本画家はもちろん、工芸家、図案家などのお手本として、非常に重宝されたようです。再版本が、芸艸堂より発行されております。戦後有秀堂よりオフセット版も発行されました。

上 ツルレイシ、ベニマジコ 葛花、クロメバチ
下 発芽牡丹 麻雀 左下 牡丹、竹羽林鳥(ホオルリ)

上 陶器花瓶 波ニ千鳥 下 蒔絵硯箱 蕗

工芸乃美 全3冊75図 古谷紅麟 明治41年芸艸堂刊行 

 陶器花瓶、金属香炉、蒔絵硯箱、七宝花瓶など京都の伝統工芸に於ける意匠を具体的な雛形として表現してあるのが興味深い、さらに陶器花瓶の白い上薬の部分などは胡粉で実際に盛り上げて摺りがほどこされているので視覚的に実物感がある。        紅麟は絵を鈴木萬年に学び、図案を神阪雪佳に学んだ、この時代の代表的なデザイナーとして、競美会、佳都美会などでで活躍した。この他紅麟の著作は こうりん模様 あしべ模様 雲霞集 精華 とこなつ 松づくし 竹づくし 梅づくし 伊達模様花づくし 花籠 写生草花模様などがある。

 

上 陶器花瓶 紅葉ニ孔雀  下 七宝 連翹に雀

滑稽図案 神坂雪佳の巻頭のことば 
Kottukei-zuan Kamisaka Settuka
 

 月の夕、花のあした、そぞろあるき面倒なりと、四畳半にね はらばいて、いたづら書したる、絵画ともつかず、図案ともつかざるもの、去(さり)とて屑屋に払へばすき紙の料となつて、乞食のふんどしと同じ白にて春かれん、夫れもくやし、よしよし斯うして取て置けば、万一叡山が破裂して京都がうづもつて後千年、ポンペ−市の如く掘出されたるあかつき、化石となつてあれば、是が京都時代の絵画なり、此時代の絵画も太古の埃及、コロボクルと左程進歩の形跡なし抔(など)と、美術家先生の鼻を高からしむる事もあらん、其時奈落の底から哄(こう)笑して、其声天に戻らしめん、アア面白や、と秘し居りたる甲斐もなく、書肆に勘付かれて隠謀ここに露見して、しらじらしくも滑稽図案と銘切て売出さる事となりぬ、これもまた何かの因縁なるべしや

        明治三十六年四月      著者識

 遊びで描いていた落書きのようなものを描きため取っておいたのが、本屋に見つかった- とユーモア一杯に書く雪佳の巻頭の言葉 いや、面白い。

(この本は先日市場で仕入れたのだが、売主のコメントに表紙がない云々と注意書きがあったが元々表紙はなく木版画と巻頭言を真鍮のピンで止めてタトウに入れ発行したもの)

宝づくし
Takarazukusi Kawarazaki Koudou

先日仕入れた本のなかに「宝づくし」という本がございました。人によって宝とは様々ですが、この本でいう宝とは縁起の良い物を図案化した文様のことです。中国よりもたらされた吉祥文様を日本独自に置き換え松竹梅や鶴亀などを加え日本の宝づくしが定着したと言われています。 打出の小槌 隠れ笠 隠れ蓑 如意宝珠 丁子 巻物 分銅 花輪違い 鍵 珊瑚 金嚢 犀角杯などが主に描かれていますがどれも最近なじみが薄い気がします。 打出の小槌 隠れ笠 隠れ蓑は一寸法師や天狗など「日本昔ばなし」で知っている伝説の主人公の持ち物。 如意宝珠や鍵、巻物、丁子などは神秘的で謎めいた道具です。それぞれに深い意味があるのでしょうが、、
 この河原崎奨堂によって描かれたこれらの図案は、様々な幸福の象徴が記号となり、さらに連続模様となって、まるでユーモアのある暗号のように見えてしまいます。そしてこれらの図案は様々な工芸作家により工芸品に姿を変えて生かされています。そういう意味では真に「宝づくし」といえるのでしょう。

 
綾錦
Ayanisiki

綾とは、二種類の織り方を用いて文様をあらわした絹織物の総称である。

 綾錦は、大正五年〜同十四年にかけて刊行された。この本がまさに美術工芸品と言えるだろう。装丁表紙は、各巻見事な西陣織でそれぞれの巻ごとに意匠をこらしてある、綴ひもは組紐であり それらも各々に異なる手法で創られ細部にわたる意匠はまさに目をみはる。内容は各々に特集がある 第一巻 正倉院裂 コプト裂 から始まり3巻 名物裂 4巻 金襴緞子 6巻 能装束 8巻 古渡更紗 9巻 中国 ペルシャ織物10巻 時代裂 11巻 古鏡とその蒔絵笥 という構成になっている、全530図版の内321図版が精巧な多色摺木版印刷で5図が石版印刷で他はコロタイプ印刷である。京都芸艸堂の多色木版印刷による精巧な復元裂は本物かと見間違う程であり他に類をみない。全11冊 西陣織物館記によると200部発行された。
 京都西陣織の本のなかでは最高傑作と言えるだろう。

                                                  コンディションの悪いセットの画像

海路 Kairo 神阪雪佳 明治35年 この本のはしがきによると明治34年7月神戸を発し中国ヨーロッパに歴遊し往返の海上昼となく夜となく眼界に入る波を写生したもの百余種 云々とある。さらに神坂雪佳の図案文様に対するの明確なる意志表示を読み取ることができる。数有る波紋文様の本のなかで特に美しい。 追記:黒田重太郎の京都洋画の黎明期によると 図案界の巨匠神阪雪佳も田村(宗立)のすすめに依って油絵を試みたことがある と記されている。