くるみ割り人形 あらすじ

≪プロローグ~第1幕≫
 ある両親とその召使たちがクリスマスツリーに飾り付けしクリスマスの準備をしています。
 その様子を、二人の子供が夢中になってドアのかぎ穴からのぞいています...。

 あまりきれいではないけれど、決して貧しい感じはしないスターバウル博士夫妻の大きな居間では、 二人の子供と両親、子供たちや両親の友だちなどで賑わい、子供たちは、ツリーを見てはしゃぎまわったり、木の下をのぞき回ったりしています。

 おもちゃをもらった子供たちが遊んでいると、片目に眼帯をかけた正体不明の老人、ドルッセルマイヤーがやってきて、 博士の二人の子供、クララとフリッツに三つの大きな箱を持ってきたのでした。
 二つの箱にはそれぞれ、機械じかけの人形が、三番目の箱からはおもちゃの兵隊が出てきました。
 けれど、この男からのもっとも重要な贈り物は、クララへのあご髭をはやした老人の姿をした木製のくるみ割りだったのでした。
 しかし、いたずらっ子のフリッツは、くるみ割りをひったくり床にたたきつけてしまいます。
 そこでドルッセルマイヤーは、泣いているクララをなぐさめ、くるみ割りのアゴの部分(くるみを割るところ)をハンカチでつつんであげます。
 クララは、お気に入りのくるみ割りを、クリスマスツリーの下の人形のベッドにしまいこみます。 そしてフリッツには腹をたてていましたが、ドルッセルマイヤーの甥のまるで王子のような振る舞いに機嫌を直すことができたのでした。

 お客が帰って、寝る時間になってから、クララは、ネズミがいはしないかとビクビクしながら暗い居間にくるみ割りを探しにこっそり戻ってきます。
 すると突然音がして、おもちゃたちは動きだし、クリスマスツリーは天井を突き抜けるかと思うほど伸び、 稲妻のように七つの頭を持ったネズミの王様とその軍勢が現われます。

 クララが恐ろしさにふるえあがってると、少年に変身したくるみ割りがおもちゃの軍団を指揮してネズミどもと戦いを始めました。
 大砲からは、いろいろな色のアメ玉が発射され、剣や小銃がきらめいています。

 やがてネズミの王が殺されおもちゃ軍団が勝利をおさめます。 そこでまたツリーはどんどん大きくなり、大きくなった人形のベッドは、クララを乗せています。 部屋の窓も大きくなって消えてなくなり、そして目の前に雪の積もった森があらわれました。
 くるみ割りの少年は王子の姿になり、ネズミ王の七つの頭の一つから取った冠をクララにかぶせます。
 そして、雪の降るなかおとぎの国へと連れ出したのでした。



≪第2幕≫
 お菓子の国で「シュガー・プラム(干ぶどう)の精」に出迎えられたクララと少年王子は、 お菓子がいっぱいのせられたテーブルを前にナプキンを胸にかけ、テーブルにつき、お菓子を食べながら見物をはじめます。
 そこで、少年がネズミと闘った勇敢な冒険談に感激し、シュガー・プラムの精は、祝宴を始めるように命じるのでした。

 まず、「ホット・チョコレート」という題のスペイン風のダンスをアンサンブルをしたがえた二人のソリストがきびきびと踊りました。
 次に、アラビア人の様な「コーヒー」がのろのろと、けだるそうに踊ります。 彼には、二人の子供がお伴に付いて、彼がすわるところへじゅうたんをひろげたり、小さなカップにコーヒーを注いだり、 水ギセルを彼に渡してやったりします。力を小出しに出して踊り終えると、最後に彼は、グッスリと眠り込んでしました。
 「ティー(紅茶)」は跳ね回るような中国の踊りで、「キャンディー・ケイン」は若さいっぱいみなぎらせる棒アメの踊りです。
 さらに「マジパン」(はんたきょうの砂糖菓子)の愛らしい踊り、その次の「ボンボニエール」(ボンボン入れ)の踊りでは、 「マザー・ジンジャー」(しょうがのお母さん)とパルチネル(小人)たちがフォーマルな踊りを元気いっぱいにおどります。
 素早い飛ぶような踊りが見事な「キャンディー・フラワー」(お花のワルツ)ワルツの次は、最後の「シュガー・プラム」の精の踊りで、 ゆったりソフトなタッチながら、生き生きした魅力をいっぱいに踊り、また「シュガー・プラム」はそのあと静かな音楽で羽毛のように軽やかに踊り祝宴は終わったのでした。

 そして、おとぎの国の友人たちに送られ、クララとくるみ割りの王子は、くるみの形のボートで舟出したのでした。