眠れる森の美女 あらすじ

≪プロローグ≫
 舞台は16,17世紀の壮麗な宮廷時代。フローレスタン21世が支配する架空の王国。
 宮廷の大広間で幕は上がります。

 今日はオーロラ姫の洗礼式の日です。
 招待客がこのめでたい日を祝おうと続々とやって来ます。
 この儀式の責任者であるカタルピット(式典長)がとどこおりなく用意が出来たかどうか、調べています。 廷臣たちが入場し、赤ちゃんを一目見ようと寝台に集まってきます。

 トランペットが華やかに鳴り、供の者を従えた王と王妃の到着を告げます。
 王妃は娘にキスし、王は客のリストについて式典長と話し合って、抜けている人はいないか確認します。
 王と王妃が王座につくと名付け親である妖精のうち5人だけが小姓を伴ってやってきます。 5人とは優しさの精、元気の精、おうようの精、勇気の精、のんきの精です。
 つづいてすべての妖精の中でもっとも美しく、強い力を持つリラ(ライラック)の精が6人の護衛を引き連れて登場します。 そしてこれら6人の護衛と妖精たちの踊りがはじまります。
 妖精たちはそれぞれの贈り物を赤子のオーロラ姫に与え、祝福し、際立った美しさといろいろな長所を授けます。

 その時、突然不気味な響きとともに稲妻が光ります。
 一人の小姓が飛び込んできて王に何事かを知らせると、王は式典長の方に向き、招待客の名簿をつかみ取ります。
 そしてとんでもない手抜かり、つまりカラボスが招待からもれていたことに気づき、激怒します。
 巨大なネズミに引かれた大きな黒い四輪馬車にのって、醜い邪悪な妖精が乗り込んで来ます。
 カラボスは怒りに身を震わせながら、この侮辱は、きっとこの赤ん坊を危険な目に合わせることになると、王に宣言します。 つまり姫は、16歳の誕生日に指の刺し傷がもとで死んでしまうと告げます。

 しかしリラの精が前に進み出て、カラボスが姫に近づくのを許しません。
 怒り狂ったカラボスは四輪車に飛び乗り、雷鳴光の真っただ中に去っていきます。
 リラの精は、この呪いは消すことは出来ないが和らげることは出来ると説明します。 つまり姫は死なず100年間眠り続けるだろうと。
 王と王妃は心からリラの精に頭を下げ、客達もひとまず安心して、この小さな姫の幸せを願い、敬意を表します。



≪第1幕≫ -魔法-
 場面は宮殿の庭園。オーロラ姫の16歳の誕生日。
 廷臣や臣民達が大勢集まっていますが、その中に糸紡ぎ棒を持った醜い老婆が3人まじっています。
 カラボスが呪いをかけたときから、糸紡ぎ棒を持つことはずっと禁じられていました。 この老婆達を見つけたカタルピットは、王と王妃が入場したときその糸紡ぎ棒をひっつかみます。
 何事が起こったかを知った王は、この3人の違反者を死刑にせよと命じます。
 しかし、王妃は、このおめでたい誕生日の席に免じて、命だけは助けてやって欲しいと嘆願し、王もそれを受け入れます。

 百姓の娘達が王と王妃のためにかわいらしいワルツを踊ります。 彼女達は手にした花輪でいろいろなパターンをつくります。
 そしてこの時オーロラ姫が登場します。
 姫は、若さの賜である軽やかさと活気に満ちていて、うれしそうに、光り輝くような微笑みをたたえて踊ります。
 彼女は両親に心を込めて挨拶し、次に他国からやって来た四人の王子の方へ、優雅な物腰で振り向きます。 そして王子達とともに、踊ります。

 次々とダンスが続く中、老婆に変装したカラボスが、こっそりと入り込んできて、王女に贈り物を差し出します。
 オーロラ姫はその珍しい贈り物を喜んで受け取ります。
 全員が恐れおののいて見ているうちに、糸紡ぎ棒など見たこともない彼女は、それで指を刺してしまいます。 姫はその場に倒れ、カラボスは勝ち誇った悪魔のような笑い声を上げて、正体をあらわし、その場のひとはみな深い失望にとらわれます。

 リラの精が登場し、供の者に命じてこの眠れる美女を二階に運ばせます。
 次に彼女が魔法の杖をふると、廷臣達は階段で眠り込んでしまい、宮殿はみるみる森の木々に包み込まれてしまいます。



≪第2幕≫ -幻-
 場面は森、時は一世紀後。貴婦人をまじえた貴族の一行が狩りをしています。
 フロムリンド王子はその狩りにも退屈し、ありきたりの踊やゲーム、また友人たちにも退屈しています。 彼は、彼らに森から去るように命令します。

 やがて夜のとばりがおりると、ライラックの精が王子を訪れます。 そして王子に隠された城と眠れる王女の話しをします。
 最初、彼は話しを疑っていますが、木々の間にオーロラ姫の幻をちらっと見、 ほんの一瞬ですが彼女が妖精たちといっしょに踊っている姿を目にします。
 王子は逃げる幻を追いかけ、ほんのちょっと王女に触れただけで、たちまち彼女に魅せられてしまいます。

 彼は、ライラックの精に、愛する人のところへ案内してくれとたのみます。
 かれらは蝶の妖精の帆のついた魔法の舟にとび乗り、湖上をかすめて城へと飛んでいきます。


≪第3幕 第1場≫ -目ざめ-
 ライラックの精は、フロムリンド王子をうす暗い城へ案内します。
 宮殿では衛兵たちが眠っており、廷巨たちも百年前の姿勢のままです。 大きなクモの巣や巨大なクモが壮麗な宮殿をおおい隠しています。

 ライラックの精が、王子を王女の寝室へ連れていくと、王女は、大きなベッドで眠りつづけています。
 フロムリンドは、その眠れる美女をみて、かがみこんでキスをします。

 すると、オーロラ姫は王子の腕のなかで目をさまし、それと同時にあたりの木の葉やクモ、クモの巣、 うす暗さが消え去り廷巨たちは動きだし、明りがともり、宮殿の大広間がもとにもどります。


≪第3幕 第2場≫ -結婚式-
 再びカタルピッドが、儀式の責任者となり催しの用意を整えます。
 王、王妃、お客たち、それに演奏者たちが、入場し、それぞれの位置について祝宴が始まります。

 最初のディヴェルティスマン*は快活な古典的なダンスで、王子(オーロラ姫の弟)と二人の妹たちが踊ります。

 次は、白ネコと長靴をはいたネコによるユーモラスな、愛のしぐさにあふれた踊りです。

 そして有名な『青い鳥の パ・ド・ドゥ』は、青い鳥と、魔法にかけられた王女が登場して踊ります。
 この踊りでは、早い羽ばたきのような格好をするすばらしい空中アクション(繊細な脚の前後ビートなど)が見ものです。

 『赤ずきんちゃんと狼』のシーンの次は、オーロラ姫とフロリムンドが登場します。
 華麗なダンスを二人で踊りますが、彼女がものすごい勢いでターンし、床に無かってまっさかさまに落ちるのですが、 頭が床につく寸前に、彼が彼女を支えるという場面もあります。

 つづいて、二人のイワンの活発なダンスがあります。 ロシア農民の衣裳を着けた若者たちが、床を踏みならし、脚を蹴り上げ、跳躍し、そして、かがんだままの姿勢で、 舞台をとびまわるロシア民族舞踊調のダンスです。

 最後にオーロラ姫とフロリムンド王子が加わって、華麗なフイナーレを迎え、全員でオーロラ姫の結婚を賛え祝います。

*ディベルティスマン …… 気晴らし、余興の意。
もとはオペラの幕間に踊られた踊りのことですが、バレエでは物語に関係なく挿入された踊りのことをいいます。