白鳥の湖 あらすじ

≪第1幕≫ -庭園-
 宮廷の庭園で、王子ジークフリートが貴族の若者や家庭教師、百姓の少年少女達と共に、彼の誕生日を祝っています。
 父はすでになく、母と二人、この領地を統治せねばならない彼の肩には重い責任がかかっています。

 彼は成人式を前に、気の合う仲間達と存分に楽しみたいと思い、村人達にもこころを開き共に戯れ、踊ります。
そこへ突然やって来た王妃が、王子がすでに妻をめとる年齢なのに、遊び興じていることに腹をたて、一同を戒めて去っていきます。

 母親が去ると王子は、それまで飲んで騒いでいた人たちに、また楽しくやってくれといいますが、気勢をそがれた王子自身は、その騒ぎには加わりません。
 王子の友人べノは頭の上を群れをなして飛んでいく白鳥をみて、王子の気晴らしには狩りが一番いいと気づきます。

 石弓とたいまつが運び込まれ、すっかり酔っ払った家庭教師をひとり残して狩りの一行は森へ出発します。
* * * * *
 白鳥の湖」は1877年2月、モスクワでの初演以来幾度も演じられてきたチャイコフスキーのもっとも代表的な作品の一つです。
 世界中でこの「白鳥の湖」が上演され、その度に演出や構成が少しずつアレンジされてきました。
 ここに紹介したストーリーは、極くオーソドックスなあらすじです。王子が狩りにゆくきっかけや、パーティーの場面などがさらに脚色されることもあります。
 もしバレエの舞台を見る機会がありましたら、この違いを見つけるのも楽しみかたの一つになるかと思います。



≪第2幕≫ -湖畔-
 登場した狩人達は、白鳥達が、王冠をかぶった一羽の美しい白鳥に率いられて、湖に集まっているのを見てびっくりします。
 王子は、家来達に狩りに都合のよい場所を見つけるように命じ、自分もそうしようとしますが、ふと目にとまるものがあり、かたわらの物陰に身を隠します。

 半分は女性で半分白鳥の形をした美しい生き物が踊りながら空き地にやってきます。
 彼女は、人間の女の顔と身体をしていますが、顔は白い羽毛の帽子でふちどられ、 ドレスは純白で、腕は鳥の翼のように動き、鳥がくちばしで羽を整えるように頭を素早く動かします。

 王子が前に進み出ると、驚いた白鳥の女王オデットは逃げようとしますが、王子は、危害を加えないと言って安心させ、いったい誰なのかとたずねます。

 彼女は、この湖が、悪い魔法使いフォン・ロットバルトの呪いにかけられた娘を悲しんだ母の涙で出来たものだと、身振りで教えます。
 彼女はその呪いによって白鳥の姿にかえられ、真夜中から夜明けまでの間だけ人間に戻りますが、この呪いは、一人の男が、彼女を恋して結婚し、 他のおんなには決して近づかないと誓うまで、解かれることはないのです。
* * * * *
 この第二幕では呪いにかけられた王女とその王女に恋した王子、王女を渡すまいとする魔法使いロットバルトらの登場人物によって物語が進行してゆきます。
 夜が明けるまでの少しの間を、湖の周りで繰り広げられる白鳥達のワルツ、四羽の白鳥の子供たちの軽やかで正確なステップ、王子とオデットのお互いに対する愛情、オデットの女性らしさ、 王女らしい気品、いかにも鳥らしい感じなどを描き出したアダージョなどで構成されています。



≪第3幕≫ -城の大広間-
王子の誕生日を祝うために、お客達が集まっています。 王子の威厳に満ちた美しい母が、王子に付き添われて入場してきます。
二人はお客達のお辞儀に会釈しながら、大広間をぐるりと回って壇のところまで行き、そこから王子は王妃を王座に連れていきます。

王妃が選んだ6人の可愛らしい姫達が、王子のためにダンスを踊ります。
しかし、王子は少しも興味を示さず、母親から彼女達と踊るようにいわれると、 一人一人の娘達と、お義理に、機械的に踊ります。
王妃は王子から6人の中の誰も好きではなく、他に恋している娘がいると聞いて、激しく怒ります。

音楽がひときわ高く鳴り渡り、このとき一人の騎士(フォン・ロットバルト)が、彼の娘オディールといっしょにやってきます。
彼女は黒いドレスを着ていますが、顔はオデットと瓜二つです。
オディールをオデットだと信じて疑わない王子は、宮殿の窓の外で羽ばたいているオデットにも気づかず、オディールと一緒に踊り始めます。

この踊りが終わるころ、王子はオディールに結婚を申し込みます。(もちろん王子はまだ彼女がオデットだと信じています。)
フォン・ロットバルトは彼に貞節を誓うように要求します。 王子はすでに森の中でオデットに誓っているはずなので変に思いながら、もう一度誓いをたててしまいます。

その瞬間、雷鳴のような音楽が鳴り響き、勝ち誇ったロットバルトとオディールが狂ったように笑いながらその場をさっと出ていきます。
残された王子は窓の外で力なく羽ばたいている本物のオデットを見つけ、絶望のあまり床に倒れてしまいます。



≪第4幕≫ -湖畔-
白鳥の娘達は、女王のロマンスが悲劇的な結果に終わったことを悲しみ嘆いています。
女王が登場すると、彼女らは女王に王子の言い訳を聞いてやるようにすすめますが、彼女は聞き入れず、死ぬ用意をします。
しかし王子は白鳥達の中に隠れている女王を探しだします。

王子は彼女に許しを乞い、白鳥達は再び踊り始め、二人は永遠の愛を誓い合います。
しかしオデットは、自分の命はもう自分のものではなく、すべてを失ってしまったこと、 そしてロットバルトは二人を絶対に結ばれないようにするだろうと、王子にいいます。
彼女は、悲しげに力なく末期(まつご)のダンスを踊り、ふくろうに化けた魔法使いは、イライラと彼女が死ぬのを待っています。

彼女は、王子に死ぬことしか逃げ道はないと説明し、真っ逆さまに湖に飛び込みます。
王子も愛する人から離れまいと願いつつ、湖に身を投げます。

ロットバルトの力は、愛の勝利によって永遠に失われ、彼は死に、白鳥の娘達はみな魔法から解き放たれます。
このとき夜明けが来て、オデットと王子を乗せた小舟が、二人の新しいしあわせの世界に向かって湖上を滑っていきます。