右を見て、春

 左を見て、春

 上を見て、春

 下を見て、春

 そこらじゅう春

 でも僕は春じゃない

 壊れたものには

 春は来ない

 冬だけの時間が

 過ぎていく

 冬だけの時間が

 過ぎていく

 春は来ない

 壊れたものには

 春は来ない

 

 

 

 惨敗者

 俺は人生の惨敗者

 惨めな敗者

 夢も希望も奪われちまった

 時間という魔物に

 管理社会という妖怪に

 惨敗者

 惨めな敗者

 夢も希望も奪われちまった

 

 

 

 俺を救ってくれ

 光の巨人よ

 俺を救ってくれ

 紅の戦士よ

 ああ、そこは

 光の世界

 光に満ち溢れた世界

 ああ、俺は闇に囲繞されている

 闇の力は圧倒的だ

 だから、ああ、だから・・・、

 俺は救われたい

 たとえ、この世でなくても

 俺は救われたい

 なぜなら、この世で俺が

 救われる可能性はほとんど

 無い

 だから俺は生の時間が絶えるまで

 血を吐きながら耐えている

 耐えている

 だから俺を救ってくれ

 光の戦士達よ

 

 

 

 陽光柔らかな日

 巷の季節は春

 みんなたのしそうだな

 みんなうれしそうだな

 僕は部屋の中に居る

 外に出れば嫌なことが

 待っている

 この生活が僕に残された

 最後の生き方

 これしか許されない生き方

 そんな生き方をしている僕を

 巷では精神障害者と呼んでいる

 キチガイと呼んでいる

 季節が春になろうと何も関係ない

 キチガイには何も関係ない

 みじめな生き方しかできないのさ

 みじめな生き方しか残されていないのさ

 早く死にてえなあ、早く死にてえなあ

 春なんて関係ねえなあ

 

 

 

 数年前見た夢を

 今でも僕は覚えている

 僕とあなたは歩いていた

 縁日で賑わっている参道の

 左上の細い道を、

 社に向かって上り坂を

 並んで歩いていた

 季節は春で桜の花が

 風に舞っている中を

 あなたは僕の方を向いて

 微笑んでいた

 微笑んでいた

 僕もあなたのそんな笑顔で

 気分が心地ここちよかった

 でも悲しい事にあなたの服装は

 白衣姿だった

 でもそんな夢でも目覚めたあと

 何とも言えない気分になっていた

 でも、それは夢、夢の中の出来事

 すべては夢幻、ゆめまぼろし

 分裂病患者の見た夢のなんと

 哀れな事よ

 なんと哀れな己よ・・・、

 

 

 

 俺の心は冷たい砂漠

 赤色の砂の砂漠

 冷たい風塵が吹きつける

 水はなく草木一本、

 はえていない

 俺の心に花が咲く可能性は

 とうの昔に無くなってしまった

 俺の心は冷たい砂漠

 赤色の砂の砂漠

 

 

 

 何者にもなれなかった

 俺は何者にもなれなかった

 キチガイにはなった

 精神障害者にはなった

 分裂病患者にはなった

 それだけだ

 それだけだ

 それだけだ

 

 

 

 世界よ紅蓮の炎につつまれよ

 天変地異よ起これ

 天災人災戦争すべて巻き起これ

 1999年七の月

 Nの予言が正しければ

 俺はばんばんざいだ

 世界よ破滅せよ

 すべての罪を世界中の罪を

 浄化せよ

 聖なる炎で浄化せよ

 その時は

 それはルシファーの成せる業

 罪人に告げておく

 おまえらは真のルシファーを

 操る事は出来ない

 また把握することも出来ない

 世界よ、おまえらは

 おこがましい

 おこがましいのだ

 

 

 

 俺の人生、

 ロクな事なかったな、

 俺の人生、

 ロクな事が無いように

 なっている

 そんな星のもとに産まれた

 これからもロクな事は

 ないやろな

 こんなモンだ

 

 

 

 あなたのこころに

 花は咲いていますか

 あなたのこころに

 泉は湧いていますか

 優しさと潤い

 あなたのこころに

 花をさかせましょう

 あなたのこころに

 泉を湧かせましょう

 

 僕もそんなふうに

 なりたい・・・・、

 

 

 

 あなたは僕に微笑んだ

 僕はあなたの手を取り

 僕の腕の中に引き寄せた

 あなたは嫌がることなく

 僕の目を見て笑った

 僕があなたに顔に僕の顔を

 近ずけると

 あなたの紅くルージュに

 彩られた唇は微笑の

 形をとった

 そんな夢を見た

 そんな夢を見た

 あなたの夢をなぜ見たのか、と

 想いを巡らすと何のことはない

 Sであなたの姿を眺められる事が

 できるようになったからだ

 またこんな夢が見れたらなあ

 僕の現実は寂しくて味気ないから

 

 

 

 

 僕の背後に忍び寄る

 地獄よりの使者

 黒いケープをはおり

 大きな鎌を持っている

 髑髏

 骸骨

 そいつは笑っていた

 乾いた骨の噛み合う音

 僕の背後から離れない

 そいつはいつも側に居る

 背後から乾いた音が聞こえる

 殺るならば早く殺れ

 地獄よりの使者よ

 この世の支配者からの使者よ

 今日も鏡を除けば僕の背後に

 髑髏が写っている

 そいつは笑っていた

 笑っていた

 笑っていた

 からからと・・・、


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