『こ・こ・ろのケア』ボランティア情報 

            京都 VOL.0 1995.4

 

―はじめに―

 阪神大震災に際しては、地震の発生直後よりたくさんのボランティアが被災地にかけつけ、さまざまな活動に携わりました。現在では、当初の緊急の事態も一段落し、息の長いかかわりが必要とされる、と言われるようになっています。このため、今後の関与を考えておられる方に、何かの参考になればと考えて、情報誌を発行する事を計画しました。私たちは、精神科医療・臨床心理・福祉関係者で構成されているので、当面は、これからその必要性が予想される「心のケア」に関する情報に限ってその整理や伝達に関わっていきたいと考えます。ただし、あくまでも「情報の提供」ですから、具体的な組織作りやその運営、また組織間の連絡・調整などには責任をもつものではないことをご承知ください。

 

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│この情報誌の目的は、次のような疑問に対して情報を提供することです。    │

│ ・ボランティアに参加したいが、どこへ連絡したらよいかわからない。    │

│ ・専門的な技術をいかしたいが、どうしたらよいか。            │

│ ・たとえ短期間でもかかわりを持ちたい。                 │

│ ・これから必要とされているかかわりはどんなものか。           │

│ ・ボランティアには何がやれて、何がやれなかったのか。          │

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T 震災後心のストレス相談センター

 代表:小林和 FAX:078-392-3960  пF078-333-1982〜4

 神戸市中央区北狭間通4-9-26西北神ビル5F精療クリニック内

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1 主な活動は、24時間対応の電話相談、被難所3カ所の巡回、仮設住宅への対応、必要な 場合の往診、子どもを対象としたアートセラピー。

2 精神科医、臨床心理士、PSW、看護婦(士)で構成されるチームが必要。各職種で2〜 3名の人員が、常時いれば最適。それ以外にパソコン操作のできる人も募集。

3 参加希望者は、下記の申込条項を記入したFAXを送る。その際、活動可能な期間をはっ きり書く。FAX到着時点で同センターのボランティアとして登録する。

4 センターでスケジュールの調整を行い、参加を依頼する場合、センターからFAXを送る。5 現時点での状況は、電気、ガス、水道は問題なし。但し、クリニック内で宿泊するの で、寝袋が必要。食事は、自分達で作ったり、外食。

6 質問は、FAXにて受付。

 

申込条項

@氏名・性別・年齢・職種

A自宅住所・電話・持っていればFAX番号

B臨床の経験(ある程度困難な事例もあるので、電話相談に関しては、臨床経験5年以上 の人に依頼。)

C活動可能なタイムスケジュール。

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U 兵庫県立精神保健センター

пF078-511-6581 FAX:078-511-6585

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 ボランティアチームでグループホームの開設運営や、作業所の再建を企画。詳細はセンターに問い合わせ。

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V 日精診支援センター

連絡窓口:明石神経科診療所

〒651 神戸市中央区布引町3-1-8 日米珈琲ビル2F

TEL:078-272-4616  FAX:078-272-4617

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 中央区明石診療所に救援センターを置き、被災地精神科診療所の救援、支援活動を2月

20日より開始した。3カ月位継続。

Dr募集。水金土日。特に土日。診療、診療所訪問等。

PSW募集。その他、事務等欠員あり。職種を問わず参加してくださいとのこと。3月中旬よりかなり欠員あり。

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W 精神衛生支援団体

пF078-251-3646(神戸YWCA内)

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 「心のケアガイドブック」作成。

 

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X 被災者心のホットラインの開設

連絡先 県立淡路病院 п@0120-24-0783

    〒656 洲本市下賀茂1丁目1の6

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 専任相談員を置き、被災者の相談・アドバイスにあたっている。手紙による相談も受けられる。

 相談日:月曜日〜金曜日

 時間 :午後1時〜午後4時30分

 

 

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Y 兵庫県立こども病院小児精神科救護診療

窓口 こども病院指導相談部  078-732-6961                 

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 地震により精神的ショックを受けている子どもたちに対する心のケアを行っている。敏感、赤ちゃん返り、引きこもり、落ちつきのなさ、頭いた、おなかいた、その他の出現の相談を受ける。(紹介なしでも可。)

 受付時間:月曜日〜金曜日 午前9時〜午後3時

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Z カウンセラーズネット・東灘

代表・羽下大信 兵庫県臨床心理士会運営

п@   078-858-0213

FAX&п@078-842-4840

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 ボランティアカウンセラーのためのインフォメーションセンターとして、東灘区役所内保健所13号室に設置。

活動内容

1 現在活動中のボランティアカウンセラーの情報交換。

2 必要なカウンセラーの派遣。

3 活動を終わられる場合の相談。

 *現在のところFAXのみの受付。(常時の係はいない。)

下記の内容を連絡する。

1 カウンセラーの氏名・連絡先・所属。

2 活動にあたっての状況・意見・必要だと感じたこと。

3 活動可能な日時

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[ 大阪YWCA「心のケアネットワーク」

п@06-361-0838

FAX 06-361-2997                               

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4月3日からチームで定期訪問する学校を決め、定期的に巡回する予定。長期的展望に立って参加してくれる人を求む。

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\ 兵精協

п@078-581-0493

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 県立光風病院と兵精協の当番病院とで夜間の入院に対応している。光風病院の夜間診療支援チームによる診察を経て、入院の必要があれば光風病院ないしは当番病院に入院する。

 対象:原則として、神戸市、阪神地区。4月末まで継続予定。

  * 避難所への夜間往診についてはこれまで通り。

   休日・昼間の精神科救急システムと精神鑑定はこれまで通り。

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    各救護所での自治体要請精神科医療チームの状況(H7年4月1日現在)

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東灘保健所 大阪市(DR1)週2回活動。

灘保健所  大阪府(DR2・PSW1・Ns1)。2チームで週2回被難所巡回。

      埼玉県(PSW2)HC巡回常駐。生徳小学校泊。

中央保健所 日本PSW協会(PSW1)愛知県(DR1・他1)。3チームともHC巡回常駐。HC泊。

兵庫保健所 長崎大(DR1)。HC常駐。神大附属病院病棟泊。

      北九州市(DR1)巡回。

長田保健所 神奈川県(DR1、PSW1)巡回。

須磨保健所 岡山県(DR3、他)2チームが巡回、1チームがHC常駐。

              生村診療所泊。夜間対応可。

西宮保健所 夜間対応は、西宮市医師会(DR1〜2、PSW1、PHN2)。

      救護所は地元医の協力で継続の体制。

伊丹保健所 大精協(DR1、PSW1、Ns1他)週1回。

津名保健所 新淡路・大阪医大(DR3、Ns3)巡回。

精神保健センター 東海大(DR2)夜間対応チーム。

 

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      精神科救護ボランティア(NGO)状況 (H7年4月1日現在)

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東灘区

地元医     巡回

地球交流委員会 心療内科、心理。東灘小学校が拠点。

NGO       東神戸病院(пF078-841-5731)でリエゾン支援。

小川・渡辺クリニック 週1回巡回(午後)。

東神戸病院精神科外来 週2回診療。

灘区

地元医  西灘小学校拠点。

昭生病院 DR3名が入り、支援予定。保健所の健診チームとともに避難所を巡回している。

関西NGOネットワーク 六甲小学校拠点。

中央区

JEA支援センター  抗てんかん薬投与、てんかん相談。

         県福祉センター拠点。078-333-9800。

精神衛生支援団体 ケアボランティア養成。YWCA拠点。078-251-3646。

地元医      巡回。

九大チーム 神戸大学病院被災職員面接。神大病院病棟拠点。078-341-7451。

長田区

関西医大  心療内科巡回。(週2回)

須磨区 

兵庫教育大 児童・幼児のメンタルヘルスのための巡回。連絡先・山田0792-22-5302。

NGO     勤労会館海の家常駐。

津名郡

新淡路病院 精神科救護所活動。

大阪医大  新淡路病院後方支援。

淡路サイコチーム・鳴門教育大 巡回。

               いずれも新淡路病院拠点。0799-62-0181。

その他

日本PSW協会    東灘・灘・須磨・芦屋の各HCにて相談活動。

日本臨床心理士会 芦屋・東灘・須磨各地で相談活動。

YWCA       西宮・芦屋で巡回カウンセリング。

 

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          パソコン通信(ニフティサーブ・PC-VAN)

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ニフティサーブ 「地震情報」から「震災ボランティアフォーラム」の13番会議室に入        る。

PC-VAN     阪神・淡路大震災情報の「3.皆様のお便りボード」

NHKボランティアネット FAXサービス 03-5454-0888

 

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                   文献

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「兵庫県南部地震で被災された方への『心のケア』をめざして」

京都大学防災研究所 林春男助教授・北海道教育大学 藤森立男助教授

「災害のもたらす心理社会的影響」WHO、長崎大精神神経科教室翻訳、1995年。

「阪神大震災によるPSTDへの対応を支援する会編パンフレット」

 被災者用、看護婦・保健婦用、カウンセラー用、一般医用の4種類の構成。

いずれも参考にされるときは兵庫県立精神保健センター( 078-511-6581)へコピー

をとりに行く。(FAXでの送信不可。)

「災害の襲う時―カタストロフィの精神医学」(ビバリー・ラファエル、石丸正訳、みすず書房1989年)の内容を簡潔にまとめたレジメが入手できる。本書は自然災害を含む災害一般にまつわるさまざまな問題を網羅的に扱っており、辞書的に利用でき、利用価値も高い。希望者は、「『災害の襲うとき』レジメ請求」と明記の上、返信用封筒(宛名を記入し、190円切手を貼ったもの)を同封の上、下記へ請求する。

 京都市下京区烏丸京都三井ビル4階仏教大学心理クリニックセンター内

 「臨床心理士の被災地での活動について考える会」連絡事務係

   075-231-7856

 

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       日本ホリスティック医学協会関西支部阪神大震災特別企画

      大地の揺らぎと心のケア―阪神大震災レポートと今後の検討―

            芦屋心療オフィス所長 黒木賢一

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 黒木氏は震災後数日にして心理ボランティアとして避難所にはいり、さまざまな体験をされた。その体験を通じて災害における心のケアについて、ホリスティックな視点からのお話しを聞く。同時にピアヒーリングワークによる体験学習も行う。今回の収益金は、すべて阪神大震災のための義援金となる。

                   記

日時:1995年4月9日(日)1:30〜4:30PM

場所:関西医科大学(滝井)1号館第1講堂(2階)京阪電車「滝井」駅より徒歩2分

参加費:一人1000円以上

申込方法:電話で以下のところに予約。

     アンフィニ内日本ホリスティック医学関西支部

     п@06-946-7171

主催:日本ホリスティック医学協会  03-3366-1380

 

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│ この情報誌は、当面本年10月末まで、月2回刊行を目標に発行していく予定です │

│送付を希望される方は、80円切手を下記の連絡先までお送りください。また、ボラ│

│ンティア情報をおもちの方は、情報を読んだ人が活動のイメージをもちやすいよう│

│に、なるべく簡潔な形にまとめてお送りください。              │

│     「『こころのケア』ボランティア情報・京都」宛          │

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