『こ・こ・ろのケア』ボランティア情報 

            京都 VOL.1 1995.4.13

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│この情報誌の目的は、次のような疑問に対して情報を提供することです。    │

│ ・ボランティアに参加したいが、どこへ連絡したらよいかわからない。    │

│ ・専門的な技術をいかしたいが、どうしたらよいか。            │

│ ・たとえ短期間でもかかわりを持ちたい。                 │

│ ・これから必要とされているかかわりはどんなものか。           │

│ ・ボランティアには何がやれて、何がやれなかったのか。          │

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                 REPORT

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            第28回ホリスティック医学フォーラム

    「大地の揺らぎと心のケア」―阪神・淡路大震災レポートと今後の検討―

              芦屋心療オフィス 黒木賢一

 4月9日日曜日、関西医大で行われた上記のフォーラムに行ってきました。あいにくの雨天でしたが、会場には50人位の参加者が集まり、黒木先生ご自身の実際の体験をふまえたお話を聞いた後、レポートワーク、ピアワーク、ブレスワークを行いました。

★黒木先生のお話(抄録)

 黒木先生ご自身の、体験を通した震災後の心のプロセスは、@一瞬にしてリアリティが変わった衝撃時、Aリアリティがもてない混乱期、B葛藤する受け入れ期、C回復に向かう再生期の4つの期間に分析できる。この回復へのプロセスは、状況によって個人差がある。現在は、日常に戻していこう、でも元の生活には戻れないという過程にある人たちの心のケアが問題となる。具体的には、心理面でのイライラ、落ち込み、怒り、孤独・疎外、体験のフラッシュバック、無気力、物忘れ、判断力の低下といった心理的外傷後のストレス反応や、だるさ、吐き気、めまいのような身体症状、テンションの高い行動、酒・タバコの量の増加のような反応が残っていく人たちをどのようにケアしてい

くかということである。このような反応が残っていく人たちが精神科やカウンセリングにかかることが今後ますます増えていくことが予想される。1〜2年の長期的活動が必要であろう。反応を起こすリスクの高い人は、死体処理に関わった人、現場の状況を見た人、家がつぶれた人、衝撃時にストレス反応がでた人、今までに問題をかかえていた人、老人や子どものような弱者である。リスクの低い人は、適応能力のある人、親戚や知人など、人とのつながりが多い人である。すなわち、身近にいる人が話しを聞いてあげることが、最も身近な心のケアシステムとなる。その後専門的な問題に関して、精神科医や臨床心理士等につなげるという「わたしにもできるネットワーキング」が重要である。

 今回の震災によって、以下の2点の変化が生じる可能性がある。1つは日本社会の構造の変化である。今までタテの関係で動いていた日本社会が、今回の震災で動いたボランティアや、ヨコのネットワーキングによって、ヨコへと広がっていく意識性が次に出てくるのではないか。もう一つは災害に対する意識の変化である。すなわち、自然災害・産業技術の災害・人的災害を受けた人は同じ心のプロセスをたどるため、同じ体験(親の世代の戦争体験も含んで)をした人々と時空をこえてつながることもできる。このような、過去をつむぎ、未来にどうつなげていくかという時間軸のつながりもかんがえさせられた。いろいろな構造と意識がかわり、新しいチャンネルをひらけること、自分の中にある力を次につないでいくこと(Empowerment)、それは他者とのつながりの中から出てくるのである。

*講演内容の詳細は、カセットテープに録音されています。問い合わせはアンフィニ内 日本ホリスティック医学協会関西支部(06-946-7171)まで。

 

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              至急!カウンセラー募集

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 「カウンセラーズネット東灘」では、東灘区の御影高校に平日朝9時より夜9時まで 「よろず相談室」を開設することになりました。この相談室は、被災者の最後の一人が撤退するまで続きます。ボランティアで入ってくださるカウンセラーを募集します。ご希望の曜日・時間帯・期間を決めてお申込ください。

 問い合わせ:カウンセラーズネット東灘

      пEFAX 078-842-4840

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                神戸市児童相談所

             神戸市中央区東川崎町1の3の1

            O78-382-2525 FAX 078-362-0415

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 コンスタントにお手伝い可能な心理・医師・ボランティアを広く募集している。

 

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                光の音符・事務局

            京都市左京区下鴨東梅ノ木町34-2

               пEFAX 075-722-6329

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 皆様のお手持ちの市販のテープ、またご自身の演奏を録音したテープを「光の音符 ・事務局」までお送りください。定期的に被災地を尋ね、確実にお一人お一人に手渡 します。

 

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           震災後のこころのストレス相談センター

              連絡窓口:精療クリニック

               神戸市北狭間通4-9-26

              078-333-1982,1983,1984

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  電話相談と避難所巡回。DR,Cp,Ns募集。詳細は前号参照。

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             震災心のクリニックのお知らせ

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 窓口:こくらクリニック

    尼崎市猪名寺2-6-25サンウェルシー21

     06-497-3043(震災心のクリニック直通)

受付時間:木曜日を除く毎日3:30PM-6:30PM

     4月20日まで継続予定。それ以降については検討中。

 尼崎市「こくらクリニック」内に、地元精神科医有志による震災関連の精神的問題を対象としたクリニックを開設している。精神科医1名と、PSW1名が保健診療、無料相談、

電話相談に応じている。

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            ワンパックまちづくり専門家相談隊

 事務所: 06-231-3127 fax 06-231-3114(雑誌「おおさかの街」事務所)

 代表者:中筋修・杉原五郎

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 被災地の都市計画決定手続きへの住民側意向の尊重、都市計画決定がなされない広範な地域での悪質な地上げの監視と規制、被災市民のニーズ(土地の売却、借地借家の紛争処理、住宅建て替え等)への対応、災害に強いまちづくりの推進へのコーディネイト等を推進する、「阪神まちづくり機構」の設立を展望しつつ、当面これらの課題の本当の需要、住民の要求を知るために、「ワンパックまちづくり専門家相談隊」にボランティアで参加する専門家を募集している。相談隊の構成は、建築士、都市計画コンサルタント、まちづくりコーディネイター、自治体職員、弁護士、公認会計士、税理士、不動産鑑定士、医師、臨床心理士。相談実施の場所は、コープこうべの店舗や出先機関。実施日時は、4月17日に記者発表し、以後7の日の夕刻(当面4月27日、5月7日、5月17日の午後7時から9時)に活動する予定。どこから始めるかは、コープと協議。

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           神戸市内共同作業所の被害・再開状況

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北区

北むつみ会・すずらんの里:建物ほぼ被害なし。1月24日より午前中のみ作業再開。

中央区

中央区むつみ会:建物は無事。内部は一部破損。3月1日より週3回で再開。

長田区

長田むつみ会・クサカテクノ社:建物損傷なし。現在作業再開している。

灘区

六甲倶楽部:建物損傷大。御影倶楽部と合同で、西灘エアードームで再開中。

東灘区

御影倶楽部:建物全壊。六甲倶楽部と合同で、西灘エアードームで再開中。

須磨区

ひまわり会:建物は落壁していて使用不能。現在保健所(北須磨支所)で週2回で再開中。

垂水区

垂水むつみ会:建物は外見上損傷ないが、使用困難。移転先を考慮中。現在、業者の場       所を借りて作業再開している。

西区

なでしこの里:建物損傷なし。1月30日から作業再開している。

★以上の各作業所でボランティア希望の方は、兵庫県立精神保健センター( 078-511 -6581 fax 078-511-6585)に連絡してください。

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             References―参考文献紹介―

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「1995年1月神戸―『阪神大震災』下の精神科医たち」中井久夫編

 序章に土居健郎「震災下の精神科救急」、中井久夫「災害がほんとうに襲ったとき―私の急性ストレス症候群」。みすず書房、1545円。

PTSD関係

★Neal LA:The pitfalls of making a categorical diagunosis of post‐traumatic

 stress disorder in personal injury litigation. Med Sci Low 1994,34:117-122

★Bremmer JD,Steinberg M,Southwick SM,Jhonson DR,Charney DS:Use of the

 structured clinical interview for DSM-W dissociation disorders for system

 ‐atic assessment of dissociative disorders in post-traumatic stress

 disorder,Am J Psychiatry 1993,150:1011-1014.

★Scott MJ,Stradling SG:Post-traumatic stress disorder without trauma.

 Br I Clin Psychol 1994,33:71-74.

★Lonie I:Borderline disorder and Post-traumatic stress disorder

 :an equibalence?Aust NZL Psyciatry,1993 27:232-245.

★Bisson JL:Automatism and Post-traumatic stress disorder Br J Psysiatry 1993,

 163:830-832.

★Stechmiller JK,Yuarandi HN:Predictors of burnout in critical care nurses.

 Heart Lung 1993,22:534-541

★Thompson J,Chung MC,Jackson G,Rosser R.A comparative trial of psychotherapy

 in the treatment of post-traumatic stress reaction. Clin psycol psycother

 1995(inpress).

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             当方で所持している参考資料

 コピー・郵送実費で行います。希望される方はYOUYOU館へ申し込んでください。 

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★慶応義塾大学病院精神神経科古茶大樹「東灘保健所で今後予測される精神衛生問題と その対策について」

  慶応義塾大学病院精神神経科医局の東灘保健所での活動体験のまとめ・今後予測さ れる問題点とその対策。(B5 23P)

★岩尾俊一郎(兵庫県立光風病院)、岩井圭司(神戸大学医学部精神神経科)、杉林稔 (神戸大学医学部精神神経科)、吉岡隆一(京都大学医学部精神神経科)「阪神・淡 路大震災精神科救護の現状と今後」

  震災発生以来の精神科救護活動の概括、全県的に見た今後の精神医療・保健・福祉 ニーズの推定、地域別精神科医療・保健・福祉ニーズとそれへの当面の対応、これか らの精神保健・医療・福祉ニーズに対応する精神科医療・保健・福祉のあり方につい て、単純集計をまじえてまとめてある。(A4 5P)

★藤森立男(北海道教育大学助教授・人間行動科学)・林春男(広島大学助教授・災害 心理学)・藤森和美(日本臨床心理士認定協会・カウンセラー)、「これだけは知っ ておきたい災害を体験した子どもたち―こころの理解とケア―」

  災害にあった子どもたちの健康のチェックポイント、子どもがえり、学校生活や友 達・遊びへの災害の影響とその理解が簡潔にまとめられたパンフレット。(B5 6P)

★兵庫県「兵庫県南部地震により被災されたみなさんへ―これだけは知っておきたいこ ころとからだQ&A」

  災害が人間の心と身体にどのような影響を与えるかについて知らせるパンフレット。 平成5年7月の北海道南西沖地震の際、被災者の方々のために北海道が作成したものを 兵庫県が再利用しているもの。著者は、前掲パンフレットの藤森・藤森・林。(B5 8P)

★National Institute of Mental Health(U.S.Depertment of Health and Human

 Services)大災害におけるメンタルヘルスワーカーのためのトレーニングマニュアル

  上記機関のEmergency Services and Disaster Relief Branch Center for Mental

 Health ServicesのチーフであるBrian W.Flynn,Ed.Dから送られた英語版マニュアルを 田原明夫、馬場一彰、吉村安隆、樋口智嘉子、藤信子、菊池寿奈美、柴田直峰が許可 を得て訳したもの。(A4 38P)  

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│ この情報誌は、当面本年10月末まで、月2回刊行を目標に発行していく予定です │

│送付を希望される方は、80円切手を下記の連絡先までお送りください。また、ボラ│

│ンティア情報をおもちの方は、情報を読んだ人が活動のイメージをもちやすいよう│

│に、なるべく簡潔な形にまとめてお送りください。              │

│     「『こころのケア』ボランティア情報・京都」宛          │

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