『こ・こ・ろのケア』ボランティア情報
京都 VOL.2 1995.5.1
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│この情報誌の目的は、次のような疑問に対して情報を提供することです。 │
│ ・ボランティアに参加したいが、どこへ連絡したらよいかわからない。 │
│ ・専門的な技術をいかしたいが、どうしたらよいか。 │
│ ・たとえ短期間でもかかわりを持ちたい。 │
│ ・これから必要とされているかかわりはどんなものか。 │
│ ・ボランティアには何がやれて、何がやれなかったのか。 │
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REPORT
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4月29日、神戸精療クリニック内に設置されている「震災後心のストレス相談センター」のボランティアにいってきました。
最近は、マスコミの関心はオウム真理教と地下鉄サリン事件に移り、震災のニュースも減っているため、ボランティアに参加する人の数も減っているとのことでしたが、当日はゴールデンウィーク初日のため、群馬県や佐賀県からきた方も含めて7人がボランティアに参加しました。活動内容は、大倉山仮設住宅を個別に訪問して、5月7日に行われる「臨時心と身体の相談コーナー」(詳細は下記参照)の案内をしながら、入居している世帯の把握を行うことです。訪問して話しを聞くことができたのは、全78戸の内20戸程度でした。しかし、話しを聞いてまわるうちに、鬱病で、避難所では薬を呑んで寝るといびきがひどくなったので薬をのめなくなって不眠になった、とか、偏頭痛や疲れやすさを訴える人、また、記録中のボランティアにいきなり「関西電力の人?」と聞いて走り去る人など、幾人か精神的なケアが必要と思われる人と出会いました。
活動を終えた感想は、現在仮設住宅の入居者は、避難所での壁のない、プライバシーのない状態から住宅に移ってきてやっとほっとしたところであるようにみられました。その反面、仮設の中の人間関係を拒む傾向があるようにも見られます。たとえば、中央区で老人会の会長をしていたという老女は、「元の老人会を再結成したい」という希望をもち、元の地域でカラオケ大会を催したそうです。また、仮設があたっても荷物置き場にしている人もあるそうです。
このようなことから、現在仮設住宅の中でどんなケアが必要なのかという具体的なニーズの把握を行うことが当面の課題ではないかと考えました。そのためにも、一戸一戸の世帯を訪問し、個別のニーズに対応できるボランティアのマンパワーが必要になるのではないでしょうか。ライフラインや交通機関などの部分的な復旧の情報が報道されると街全体が復興したような印象をうけることもありますが、実際に現地を訪れると神戸市全体がよみがえるには長い時間を必要とされることが理解されます。息の長い活動に取り組むことが今後のボランティアの課題となると思います。
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震災後のこころのストレス相談センター
連絡窓口:精療クリニック
神戸市北狭間通4-9-26
078-333-1982,1983,1984
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5月7日(日)13:00-17:00
大倉山仮設住宅内で臨時の心と身体の健康相談コーナーを開設。
(協賛:日本精神神経科診療所医会、神戸心身医学会、日本精神分析学会)
テント2張りは神戸山手女子中学高等学校から、設営は神戸YWCAが協力。老人、身障者家族、母子家庭、病人をかかえた家族の多い159世帯の住宅地。血圧測定等基本的な健診を行いながら個々に面接して、専門職が関与する必要があるのかないのかを判断する資料を得る。老人対象のグループ療法に関心のある方の援助必要。医師の方は、血圧計と聴診器があれば持参してください。白衣は自由。仮設での巡回は炎天下のため、帽子など準備すること。(注:血圧測定や問診を行い、健康にかんする相談に応じるのであって、医療の必要な人は内科等他科を含め、地区の各医療機関に紹介します。あくまでも「相談所」であって、投薬などの医療行為は行いません。)
ともかく何人でも大勢必要です。アイデアもお寄せください。
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心理相談ホットライン兵庫
0798-45-3558
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兵庫県臨床心理士会では「心の相談ホットライン」を2月21日から継続して実施中。月曜日から土曜日の午前10時から12時と、午後1時から5時に武庫川女子大学・幼児研究所にて開設している。臨床心理士の方で、ボランティアで電話を受けてくださる方がありましたら、上記ホットラインの番号に電話をして申し込んでください。午前中の2時間でも、午後からの半日でも可。1日の場合には手弁当にてお願いします。交通手段等詳細は電話で問い合わせてください。
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カウンセラーズネット・東灘
代表・羽下大信 兵庫県臨床心理士会運営
п@ 078-858-0213
FAX&п@078-842-4840
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東灘区御影高校の「よろず相談室」(平日午前9時から午後9時)にボランティアではいってくれるカウンセラーを募集している。この「相談室」は、御影高校に避難中の被災者の最後の一人が撤退するまで開かれる予定。ボランティアを希望される方は、希望の日時、時間帯、期間を決めて、上記の「カウンセラーズネット東灘」まで申し込んでください。調整後、センターから連絡があります。
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ボランティア募集
事務所:〒606 京都市左京区浄土寺真如町82真如堂吉祥院内B.N.Mボランティア
代表者:松永朱美
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須磨区の避難所の巡回訪問を中心として活動しています。グループの特徴は、長期に腰を落ちつけた活動をめざしていることで、ほぼ毎週土・日の訪問を行っています。今後、避難所から仮設住宅へ活動を広げていくにあたって、一緒に行動してくれるボランティアを求めています。今後1年程度の継続した活動の出来る方、職種を問わず連絡してください。月に1回程度の参加でも結構です。現在の登録ボランティアは25名程度。
相談内容は、「心のケア」も含め、各種。個人的な関わりを重視する姿勢をとっています。
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京都集団療法研修会
〈PTSDの集団精神療法〉―震災後のメンタルヘルスに関わって―
主催:京都市立病院精神神経科内京都集団療法研究会事務局
〒604 京都市中京区壬生東高田町1-2
075-311-5311(内線2200)
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震災後の被災体験を語ること、語り続けられる地域・仲間をもつことへの支援をどのようにできるのか。また、多くの支援者が体験をかたり、共有できる場を持つことは、震災後のメンタルヘルスケアにとって重要なことになっているが、そのような活動を続けるにはどうしたらよいのか。互いに体験したことを語りながら、これからの活動について考える機会となるよう企画されました。
記
日時:1995年7月16日(日)10:00から17:00。
会場:京都市立病院会議室
内容:・小グループでのディスカッション
・山口隆先生の講演
※広島原爆被爆者の研究を続けておられる山口先生にPTSDのグループアプロー チについての講演をしていただきます。
参加費:4000円
*会場の関係と、小グループによる体験がプログラム中にあるので、申込の予約は6月 10日まで。(上記主催者まで。)予定人数になり次第受付締切。
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当方で所持している参考資料
コピー・郵送実費で行います。希望される方はYOUYOU館へ申し込んでください。
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★慶応義塾大学病院精神神経科古茶大樹「東灘保健所で今後予測される精神衛生問題と その対策について」(B5 23P)
★岩尾俊一郎(兵庫県立光風病院)、岩井圭司(神戸大学医学部精神神経科)、杉林稔 (神戸大学医学部精神神経科)、吉岡隆一(京都大学医学部精神神経科)「阪神・淡 路大震災精神科救護の現状と今後」(A4 5P)
★藤森立男(北海道教育大学助教授・人間行動科学)・林春男(広島大学助教授・災害 心理学)・藤森和美(日本臨床心理士認定協会・カウンセラー)、「これだけは知っ ておきたい災害を体験した子どもたち―こころの理解とケア―」(B5 6P)
★兵庫県「兵庫県南部地震により被災されたみなさんへ―これだけは知っておきたいこ ころとからだQ&A」(B5 8P)
★National Institute of Mental Health(U.S.Depertment of Health and Human
Services)大災害におけるメンタルヘルスワーカーのためのトレーニングマニュアル
(A4 38P)。
◎前号でお知らせした「ワンパックまちづくり専門家相談隊」(事務所・ 06
-231-3127 代表者・中筋修・杉原五郎)は、現地での受け入れ体制がなく、現在実施 されていません。現在必死で受け入れ体制を探しているところだそうです。
◎兵庫県の精神科救護所は4月末ですべて閉鎖されます。保健所は通常の精神保健相談の みとなります。いくつかの保健所では引き続き支援チームやボランティア医が活動し ますが、内容は相談業務になります。
夜間対応窓口も4月末で終了。日精診支援センター(VOL.0参照)、心身医学会は引き 続き活動を継続します。
◎震災により、多くの小規模作業所が大きな被害をうけました。特に神戸市内3箇所(御 影倶楽部、ひまわり作業所、垂西むつみ会作業所)は全壊により業務不能となった。 これを受けて神戸市では、市内3箇所(灘区、須磨区、垂水区)に精神障害者向けの 「仮設作業所」を開設する方向で準備を始めた。建設費は国の補助を受け、家族連合 会に市有地を無償貸与する形での実現を検討中。今年度中のオープンをめざしている。
◎震災とは関係ありませんが、葵橋ファミリークリニックでは以下の研修コースの受講 者を募集しています。
1 子どもの「こころ」を考える
教師・親・子どもに関わる仕事に従事している方々や関心のある人を対象に、いじめ や性の問題についての理解を深める。
講師:伊藤友宣(神戸心療親子研究会主宰)、今村要道(日本性教育学会理事・京都 大学非常勤講師)
日時と内容:
5月12日 いじめと子どもの心(伊藤)
6月 9日 いじめをめぐる人間関係(伊藤)
7月14日 いじめの処方箋(伊藤)
9月 8日 人間の性と教育(今村)
10月13日 今子どもたちの性意識と性行動の実態は(今村)
11月10日 学校や家庭では性教育をどのようにすすめればよいか(今村)
いずれも金曜日6:30から8:30,PM
定員:40名
参加費:1回1500円、一括納入8000円(AFC会員6000円)
2 AFC公開ワークショップ「エイズ問題とカウンセリング」
HIVに感染することによってさまざまなものを失っていく感染者の気持ちをすこしでも理解するために、病気のもつ特有性と様々な対応法を学び、自分の価値観がカウンセリングに及ぼす影響についての理解を深めることをめざす。エイズのイメージについての演習を通して、エイズ不安症候群・感染・ターミナルなど、さまざまな段階においてカウンセラーが直面する問題もとりあげる。
日時:5月27日(土)1:30から3:20PM。
講師:榎本てる子
参加費:無料
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│ この情報誌は、当面本年10月末まで、月2回刊行を目標に発行していく予定です │
│送付を希望される方は、80円切手を下記の連絡先までお送りください。また、ボラ│
│ンティア情報をおもちの方は、情報を読んだ人が活動のイメージをもちやすいよう│
│に、なるべく簡潔な形にまとめてお送りください。 │
│ 「『こころのケア』ボランティア情報・京都」宛 │
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※避難所の人数も減り、ボランティアの募集もだんだん減っていくようですが、現地で はまだまだ息の長い活動が必要です。情報をおもちの方、どしどしご連絡ください。
※京都大学医療技術短期大学部山根寛先生から切手のご寄付をいただきました。ありが とうございました。