『こ・こ・ろのケア』ボランティア情報
京都 VOL.3 1995.5.22
┌─────────────────────────────────────┐
│この情報誌の目的は、次のような疑問に対して情報を提供することです。 │
│ ・ボランティアに参加したいが、どこへ連絡したらよいかわからない。 │
│ ・専門的な技術をいかしたいが、どうしたらよいか。 │
│ ・たとえ短期間でもかかわりを持ちたい。 │
│ ・これから必要とされているかかわりはどんなものか。 │
│ ・ボランティアには何がやれて、何がやれなかったのか。 │
└─────────────────────────────────────┘
───────────────────────────────────────
REPORT
───────────────────────────────────────
5月7日(日)、大倉山仮設住宅(169世帯)にて「震災後の心のストレス相談センター」が「心と身体のリラックスデイ」を開設しました。全国各地から集まった精神科DR、CP、PSWのボランティアの他に、神戸山手女子高等学校から借りたテント2帳をYWCAのボランティアが設営し、中央区ボランティアが机、椅子を配送し、神戸山手女子高校のボランティアがアトラクションに参加、「炊き出しバンク」がカレーライス、おにぎり、サラダ等の昼食サービスを行う等、多数のボランティアの参加・協力によって大盛況の内に幕を閉じました。
当日の催しは、以下の内容です。
1 健康相談 利用者66名、ボランティアスタッフ66名。既にかかりつけの医療機関(精 神科・内科等)があるのにもかかわらず、「血圧をはかってください」という気軽な 健診的雰囲気で相談を利用されました。心身のストレス、震災等の話しをとめどなく 話して行かる方が多く、順番待ちの列ができるほどの盛況でした。話している内に涙 ぐまれる方もあり、「被災の痛手をどう話していいかわからないのではないか」と評 価されました。特に高齢者に、過去の戦争や、水害の記憶と重なり、過去の作業が再 燃している方が見られ、深い心のケアの必要性が感じられました。
2 動作法(リラックス体操) 参加者25名。「身体がガチガチに固まっている人」や、 「力をゆるめることができない人」が目だちました。スキンシップのある暖かいふれ あいに、「身体と心が楽になった」、「是非これからも続けてほしい」と好評でした。
3 子どもの広場 当初の予想を上回り、噂を聞いて集まった近所の子どもまで含め、20 人近くが集まり、お絵描き、ボール遊び等のプレイをしました。最初はおずおずと参 加していた子どもたちが、高校生を含むボランティアたちにうちとけていくに従って アグレッシブな表現を見せたり、「うちのお父さんとお母さん地震の前から離婚して んねん」と、思わぬ深い事情を口にしたりといった反応がありました。
4 ふれあい広場 今回のメインプログラムの一つ。「入居者間で隣近所以外の人たちと の交流の場を作る」という企画で、新しい出会いに会話がはずんでいました。自治会 の必要性の話しもでていましたが、老人家庭が多いということ等から率先して中心に なる人がいないという課題もあるようです。
5 楽しく歌いましょ! 音楽療法士の先生を中心に、キーボード、バイオリン、パーカ ッション等に合わせ、ナツメロあり、尋常小学校唱歌あり、振り付け付きの歌ありと、 歌と踊りでなごやかな時が流れました。
6 各戸訪問 一人暮らしのお年寄り、動くのがしんどい方々等、参加されていない方々 の家をグループが訪問してお話しを伺いました。生活状況や健康についての話題が止 めどなく続き、スタッフは非常に多忙でした。
7 健康教室 参加者のニーズがあり、即興で開催されました。心、身体、動作法のそれ ぞれのスペシャリストの先生がお話しをされ、テントに集まった参加者の輪が2重・3 重に広がりました。
8 大倉山マップ配布 受付にて大倉山仮設住宅近隣のマップを配布し、たいへん好評で した。医療機関等の情報を盛り込んだ力作で、もらい忘れた世帯にも後日配布したい とスタッフは考えているようです。
当日のボランティアの都道府県別参加人数
兵庫 DR4,CP&PSW9
大阪 DR3,CP&PSW2
京都 DR1,CP&PSW10
福岡 DR1,CP&PSW2
東京、岐阜 DR1
千葉 DR2,CP&PSW1
滋賀、埼玉、神奈川、奈良、鳥取、北海道、群馬 CP&PSW1
急告!
第2回「心とからだのリラックスデイ」6月第1日曜(4日)に開催することが即日決定!
多数のボランティアの参加を熱望!
また、心のストレス相談センターでは、24時間電話相談のボランティアの人数も圧倒的に不足しています。参加希望者は、078-333-1984またはFAX078-392-3960に参加可能な日時をお知らせください!
───────────────────────────────────────
兵庫県臨床心理士会からの情報
連絡先:兵庫県臨床心理士会活動センター
〒650 神戸市中央区中道通3丁目1の8 ライオンズステーションプラザ神戸408号
п彦AX 078-371-3116(JR神戸駅より徒歩3分)
───────────────────────────────────────
兵庫県臨床心理士会は、5月1日より現地活動本部を「兵庫県臨床心理士活動センター」に移転し、このたびの震災に対する長期的な支援活動を続ける。センターの具体的な機能は、
・被災者を対象とする無料心理相談室の開設。
・電話による心理相談ホットラインの設置。
・震災に関するスクールカウンセラーの会議、研修の場の提供。
・臨床心理士の研修、会議、研究の場の提供。
尚、「現地活動本部」として従来担ってきた事務的機能(8拠点活動の連絡調整・日本臨士会及び他府県臨士会との連絡調整・行政、他団体、マスコミ関係との連絡調整、その他震災に伴う「心のケア」に関する問題の処理)は継続される。同活動センターの設置継続期間はとりあえず1年間が目標とされる。
各拠点からの報告によると、全般的には巡回相談は収束に向かい、保健所内に設置された相談室で継続ケースを中心に相談活動を展開していく方向にある。
心理相談ホットラインについて。大阪臨士会は3月31日で終了。心理相談ホットライン「兵庫」では、2月21日の開設以来4月21日まで延べ179件の相談を受けた。ホットライン継続により、臨床心理士ボランティアを募集している。午前あるいは午後の半日でもかまわないので、可能な方は是非ご協力ください。連絡先は、п彦AX 0798-45-3548。
また、兵庫県臨床心理士会は、「阪神・淡路大震災」現地支援活動として、次の通り無料の心理相談および電話心理相談を実施することになった。活動可能な臨床心理士を募集している。電話心理相談担当者と面接心理相談担当者には、それぞれ記載の補助金(交通費を含む)が支給される。
(1)面接心理相談(無料心理相談)
5月15日(月)より本年度末まで。(但し8月10〜20日、12月20〜1月10日は休み。)毎 週月・水・金曜日、午後2時〜5時(6千円)。※すべて電話による予約。
(2)電話心理相談(ホットライン)6月1日(木)より今年度末まで。(但し8月10〜20日、 12月20〜1月10日は休み。)毎週火・木曜日、午前10時〜正午・午後1時〜5時。(1時 間千円)。
申込は、上記の兵庫県臨床心理士活動センターへ。月・水・金曜日午前10時〜午後2時まで。活動希望日程と(1)・(2)の別を連絡すればよいとのこと。
───────────────────────────────────────
こころのケアセンターの設置について
───────────────────────────────────────
兵庫県精神保健協会は、被災者のPTSD等に長期的に対応するとともに、被災精神障害者の地域での生活を支援するため、地域に根ざした精神保健活動の拠点となる「こころのケアセンター」を設置する。運営主体は兵庫県精神保健協会。構成団体は県医師会、県精神保健協会、県精神神経科診療所医会、県連合婦人会、神戸商工会議所、県社会福祉協議会等。組織としては、「こころのケアセンター」を中央に、また「地域こころのケアセンター」を概ね保健所単位(12箇所)に設置する。運営は、県精神保健協会の構成団体による運営委員会で行うとともに、中央のセンター及び地域センターに専門職員を配置する。また、精神保健センター・保健所と連携して業務を推進する。
事業内容は、すべての被災者が被災後に何らかの精神的不安を体験することから、これに適切に対応するための知識・ノウハウを提供するため、普及・啓発活動を展開する。
また、精神的不安に悩む被災者の生活を支援するため、PTSDに関する講演会などの開催・仮設住宅への訪問・指導を行うとともに、被災精神障害者のグループホームや小規模作業所を運営する。
具体的に「こころのケアセンター」は、以下の事業を行う。
@関係職員(ボランティア含む)の教育・研修。
A啓発用資材(パンフ・ビデオ等)の作成。
BPTSDに関する調査研究。
C「地域こころのケアセンター」の運営・企画。
Dボランティアの確保。
E「地域こころのケアセンター」への技術指導。
また、「地域こころのケアセンター」の事業は以下の通り。
@講演会・座談会等の開催。
Aパンフ等の配布。
Bこころのケア相談。
C仮設住宅への巡回訪問指導。
D語らいの場の運営。
E被災者同士の自助グループの育成。
Fグループホーム・小規模作業所の運営等。
事業期間は、平成7年度から11年度までの5カ年。運営費1,505百万円。(単年度301百万円)
───────────────────────────────────────
灘区ボランティアセンター
078-871-5101
───────────────────────────────────────
灘区ボランティアセンターは、高齢者・身障者の通院のつきそいや仮設住宅の巡回、引っ越しを手伝うボランティアを募っている。神戸市内の人で、できれば長期。
───────────────────────────────────────
神戸市内の小規模作業所の被害について・情報と訂正
───────────────────────────────────────
VOL.2、P4の情報部分に誤りがあるとのご指摘を長田保健所の精神保健相談員・美藤さん、木村さんより受けました。
・仮設作業所を建設の見込みなのが「御影倶楽部・ひまわり作業所・垂西むつみ会」。
・灘区の「六甲クラブ」も全壊に近い被害で、JR灘駅前のテントドームで活動を始めて る。
・「長田むつみ会」は、震災火災によって全焼しており、機能不全となっていて、各方 面からの援助をお願いしていて、神戸市も承知している。
情報の誤認があったことと、関係者の方にご迷惑をおかけしたことをおわび申し上 げます。
───────────────────────────────────────
阪神大震災地元NGO救援連絡会議
078-362-5951
───────────────────────────────────────
被災地でボランティア活動にあたった約180団体でつくる阪神大震災地元NGO救援連絡会議が活動の記録を冊子にまとめることにし、全国各地の団体や個人に体験談や資料の提供を呼びかけている。同会議は、各団体から提供を受けた資料に加え、経験者へのインタビュー、アンケートなどから冊子を作る。資料提供や集会の問い合わせは、上記の同会議連絡先へ。
───────────────────────────────────────
神戸市西区ボランティアセンター
西区社会福祉協議会内ボランティアセンター078-929-0001,内線295
───────────────────────────────────────
仮設住宅1700戸が集中する神戸市西区では、被災して援助を求めている人とボランティア希望者をつなぐ「西区ボランティアセンター」を15日同区社会福祉協議会内に発足させた。同センターが紹介するボランティアは、相談・訪問・交流活動◆清掃・食事作り、買い物等の家事援助◆給食などの食事サービス◆車椅子利用者や、通院のための外出介助◆手話通訳◆引っ越し手伝い◆園芸・演奏活動など。開設時間は平日午前9時から午後5時まで。同センターは寄付金も募っている。振込は郵便振替で、口座番号01170・3・61804、西区ボランティアセンターへ。
───────────────────────────────────────
第11回TOMORROWコンサート
いのちときずな〜震災で失われた多くのいのちに思いをよせて〜
───────────────────────────────────────
5月28日(日)午後2時〜4時、京都市左京区の法然院・方丈で古箏・ギター・パーカッション・シタールのコンサートと、講演が行われます。講演は、大阪ボランティア協会事務局主幹川口謙造氏。「震災から思う、私たちのできるボランティアとは?」をテーマにお話しされます。終了後、現地ボランティアを囲んで座談会が予定されています。参加無料。問い合わせは、法然院(左京区鹿ヶ谷御所の段町30 075-771-2420)。
●神戸市は、10日、避難所について、民間と小規模のものから解消させ、次いで中規模 避難所の統廃合をすすめるという2段階で整理をすすめていく方針を明かにした。「第 1段階」として、民間施設と20人以下の小規模避難所を解消させ、引き続き「第二段 階」として50人以下の中規模避難所の統廃合をすすめ、7月末までには避難所の解消を めざすとしている。市が現在実施している避難所一斉調査の結果をもとに、仮設住宅 への入居状況も見ながら、具体的な統合方法や時期を決めていく。市民生局によると、 市内に残っている避難所は4日現在計376箇所。内企業の社員寮など民間の避難所は51 箇所で計1255人。公的施設のうち20人以下の小規模避難所は75箇所で計785人。21-50 人の中規模避難所は67箇所で計2245人。
また、11日に県庁で行われた兵庫県と神戸、尼崎、西宮、芦屋、宝塚の5市でつくる 避難所対策協議会では、県内に500箇所以上残っている避難所の集約や廃止方針が検討 された。これによって、全避難所の解消について県は早くても7月末までかかるとの見 通しを明かにした。同協議会では、今月末に避難所の解消を表明している宝塚市を除 く4市が避難所の解消が難航していることを報告。上記した神戸市の避難所の統廃合の 方針に尼崎・西宮・芦屋の3市もこれに歩調を合わせ、整理をすすめることを確認した。 県は、仮設住宅の必要個数を把握した上で、今月末までに国に建設追加を要望する。
・以下の方から切手のご寄付をいただきました。感謝。
武田知記さん、當摩 子さん。山根寛先生(御礼が遅くなって申し訳ありませんでし た)。
┌─────────────────────────────────────┐
│ この情報誌は、当面本年10月末まで、月2回刊行を目標に発行していく予定です │
│送付を希望される方は、80円切手を下記の連絡先までお送りください。また、ボラ│
│ンティア情報をおもちの方は、情報を読んだ人が活動のイメージをもちやすいよう│
│に、なるべく簡潔な形にまとめてお送りください。 │
│ 「『こころのケア』ボランティア情報・京都」宛 │
└─────────────────────────────────────┘