僕の病

 

 

         苦しみ

 飛行機が飛んでいる

 ヘリコプターが飛んでいる

 飛行機の爆音が聞こえる

 ヘリコプターのローターの音が聞こえる

 僕の行く場所行く場所にヘリコプターなどが姿を見せる

 これは偶然なのか

 これは偶然なのか

 偶然には思えない

 

 自分の部屋に誰かが侵入した痕跡がある

 僕の知らないうちに誰かが入った

 物がなくなっている

 物が破損している

 

 町をバイクで走れば、他車からクラクションを鳴らされたりあおられたり恫喝されたりして俺にこの町は敵意を抱いているのを感じた

 この社会は僕に敵意を持ち、そして妨害しているのだ

 この僕を

 二十四時間監視し妨害する

 僕は病気になるだろう

 しかし戦わなければならない

 しかし戦わなければならない

 この卑劣な社会に対して

 この腐敗した世界に対して

 

 そして閉じこもるようになった

 そして両親も疑惑の範疇に入る

 両親に暴力を振う

 

 

 

         入院

 院内にたちこもる異臭

 喧噪

 薬を飲まされ頭がぼうっとしている

 看護する人らの横柄な態度

 週二回の入浴

 看護する人たちのための院内の催物

 憲法で保証されているはずの最低限の文化的な生活が営む権利が剥奪されている入院患者の群れ

 

 

 

       退院してから

 初めは週一回の通院

 しばらくしてから二週間に一回の通院

 診察の待ち時間は長い

 疲れる

 薬局で薬を貰うのも時間がかかる

 たいへん疲れる

 

 

 

         居場所

 主治医に共同作業所の存在を教えてもらった

 行ってみて仲間ができたと思った

 初めは楽しかった

 でも人間の集まっているところだから、いろいろ個人的な問題が生じてくる

 作業所は社会の縮図みたいな面もある

 それでも病院と比べたら雲泥の差だった

 病院と同じところもあるけれど

 僕は僕なりの作業所の利用の仕方をしている

 これからもそれなりにしようと思う

 病気はある

 妄想はある

 引きずっている

 形骸化していればよしとしよう

 完璧な人間なんていない

 みんな重いものをしょっている

 人と人が繋がってエネルギーを循環させよう

 エネルギーを供給させよう

 そう、エネルギーの繋がりだ

 僕らは与えられた物だけを工夫して考えながら生きていく術を見つけなければならない 居場所があって仲間が居て

 それでいいじゃないか

 足ることを知れ

 と、考えたいけれどそれだけでは寂しい

 やっぱり未来とかは夢のあるものにしたい そう、僕らだって人間だもの

 人間だもの

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