この日記は、医院での診療の様子をお伝えするものです。ホームページを見て、受診した患者さんから、日頃の診察の様子や、医者がどんなことを考えているかがわかると、受診する時の参考になるということで、このコーナーを開設しました。
6月X日
昨年の秋頃から、電子手帳を利用している。
小さなキーボードで入力が可能で、データをパソコンに取り入れられる。
今では、ほとんどのデータを携帯端末に入力している。
ノートやメモを取ることも最小限になってしまった。
最初はシャープのザウルスMIーLIというのを使っていたが、その後SLーB500というのに切り替えた。
MIーLIでは、データが32kbまでしか一つのファイルでは処理できないことと、データの互換性がなかったことが理由である。
今度のSLーB500はOSがリナックスで入っていて、ワードやエクセルも読み込め、メディアプレーヤまで使える。
私はほとんどテキストファイルしか使わないが、ともかくデータの上限がないのが良い。
ただし、大きいファイルでは立ち上げに時間がかかって、フリーズしたのかと思ってしまうけれど。
ザウルスのホームページを見ていると、フリーソフトが結構あるけれど、ほとんどが英語のページで、日本語ページとの比率は100:1ぐらいだろうか。
そういうのを見ていると、コンピューターというのは、アメリカ文化だなあと思ってしまう。
コンピューターゲームの世界などを見ると、日本は韓国より遅れているみたいだ。
日本の中のある種の自由度の低さが原因なのだろう。
6月X日
医院のホームページを見ていたら、リラックスコーナーのまぐまぐが、
2003年3月分が、1月分と同じ内容になっていました。
たぶん、上書き保存の時、間違ったのでしょう。
今日づけで、3月分を作り直しておきました。
でも、だれも指摘する人がいないということは、読んでいる人がいないからなんでしょうか。
ちょっと、がっかりでした。
6月X日
いただいたメールにはなるべく御返事をしています。
しかし、一頃に比べれば、内容が簡単になってしまいました。
時間がないのでしょうがないです。
ただ、なるべく御返事はしています。
また、質問に類するメールは、ホームページで公開はしていません。
お便り的なメールより、医療に関する質問のメールが多いです。
時間的に可能な間は、御返事していく予定です。
返事をもらうと困る場合は、必ず明記してください。
6月X日
有事立法が成立しました。
6月6日のことです。
真珠湾攻撃が12月8日。
これはお釈迦様が悟りを開いた日とされています。
洒落なのか。偶然なのか。
廬溝橋事件が7月7日。
七夕ですが、この日どんな出会いがあったのか。
6月6日は何の日なのでしょう。
私は過去に有事立法の動きに刺激されて、『声なき虐殺』という本をまとめました。
有事立法が現実のものとなって、何をすべきか考えています。
ただし、私は考えが鈍いので、答えが出るのに、数年かかりそうです。
6月X日
一人の精神科医が、その人の背景まで含めて理解して、関われる患者は、一生の内に30〜40人だろう。
主治医が、自宅に往診してくれた。
自宅でも医療機関でもないところで、面接してもらったことがある。
家族全員が、主治医と会ったことがある。
患者以外の家族が、自分自身の問題で、その医者に相談したことがある。
これらの条件が満たされれば、その30〜40の一人と言うことになる。
それが幸せかどうかはわからない。
しかし、たとえそうだとしても、それで病気が治るわけではない。
また、そんな風でなくても、病気がよくなる人はいくらでもある。
実は、そこまで関わらないと、病気が良くならないからこそ、関わってしまったとも言える。
限界までやっても、それで病気がなんとかなるわけではない。
そこまで努力して、病気という物の本当の恐ろしさがわかる。
恐ろしさがわかると、病気でない人も結構大変な運命を生きていることに気付く。
そんなに悲観する必要もないようだ。
なすべき事をなすだけだ。
一生に30〜40人。
それが、平均的な人間に関われる限界だろう。
その一人に選ばれたい人もいれば、選ばれて残念がる人もいる。
選ばれないことを祈る人もあろう。
6月X日
最近、患者さんが多くて、面接時間がとれずに困っています。
「先生、今日は少し詳しく、質問しますが、良いでしょうか。」
『大事な問題なら仕方がないね。』
「では、第一問です。マスターベーションは毎日しても害はありませんか。」
『うーん。貴方は若いから問題ないでしょう。』
「では、第二問。エロビデオを見てするのと、エロ本を見てするのと、何も見ないでするのとは、違いがありますか。」
『経験がないからわからんなあ。』
「寝る前にするのと、夕方にするのでは、身体への影響どう違いますか。」
『うーん。わからん。』
「先生!私は真剣に悩んでいるのです。ちゃんと答えてください。」
『あの〜。まだ続くんですか。患者さんが待っているのですけど・・・・』
開業当時は、こういう質問にも誠実に返事をしていたのですけどねえ。
6月X日
5月は、連休やデイケアからの一泊旅行のために、前後の外来が忙しくなってしまいました。
面接を一日50人ぐらいすると、かなり疲れます。
夜の診療がある時など、午後8時すぎまで、食事なしのこともあります。
空腹はつらいです。
神経を集中するとそれだけで、脳の糖分が吸い取られてしまう感じがします。
特に、後一人で診察が終わりと思っていると、もう一人カルテを出し忘れていましたなどと言われるとがっくりします。
そういう時に限って、時間を取って話を聞かないといけない人だったりするのです。
まるで、マラソンのゴールまで、後1KMと思っていたのが、実は後5KMでしたと言われるようなものです。
仕事ですから当然ですが、医院に来るとそれだけでエネルギーが入ってしまいます。
家にいるのとは違うものです。
パソコンのゲームの中に、花札の「こいこい」があります。
それを家と医院で何回かやって見ました。家での勝率は0、53程度で終始しましたが、医院でやると0、8を越えるのです。
仕事に出るとそれだけでつきも変わっています。
患者さんの中には、医者の自宅で診てもらう方が、丁寧に診てもらえるのではないかとか、自宅に電話した方がゆっくり聞いてもらえるのではないかと思う人もあるようですが、現実には、自宅での状態はつきのない、なめくじ状態です。
5月X日
神田橋條治の「治療のこころ」という冊子のシリーズがあって、4〜5年前、かなり集中して読みました。今度、思い立って読み返して見ました。その中に、経験を積むと心理療法の治療者が、だんだんおかしな方向へねじ曲がって行くという話が出てきます。以前読んだ時は、他人事のように、そんなものかなと思ったのですが、今回読んで見て、それらが自分に対する皮肉として感じられて、居心地の悪い気がしました。
これは自分も進歩しているなあと思いました。進歩した結果、前より自信がなくなって、皮肉に対して敏感になったのだと思います。
5月X日
夜、帰宅途中で、自宅近くの踏切で、遮断機が下りているのに、オートバイが突っ込んで、運転手は遮断機の竹の棒のようなものになぎ倒されて、オートバイは横転し、運転手も踏切を越えて、道路を滑走しました。
一部始終を見ていたのですが、オートバイを運転していた若者は、まさかそんな所に踏切があるなんて、思ってもいなかったのでしょう。
火花を散らして、オートバイが道路を横滑りに、転がっていく姿には、本当にびっくりしました。
日常の何の変哲もないような所にも、意外な落とし穴があるということでしょうか。
運転手は、一瞬後には、起き上がっていましたが、電車が来る瞬間と重なっていれば、大惨事となったところです。
お互いに、気をつけましょう。
4月X日
イラクでの戦争が終わって、大方の関心は新型肺炎の方に移っているようです。
イラクには、近々新しい政権ができるようです。
それでも、米軍が群衆に発砲したり、色々な事は続いているようです。
今度の戦争で感じたのは、米軍が米軍側の死者を減らすために、露骨に相手の国の支配者を暗殺するような攻撃をしたことです。
大ぴらにやっているのだから、暗殺ではないのか?
それでも、事態の解決をはかるのに、相手国の支配者を殺すという方法を選ぶのは、完全に国家によるテロですね。
テロを消滅させるために、テロを使うなんて、完全な自己矛盾です。
それと、攻撃前に、イラクの軍隊向けに、寝返りを奨励していました。
間違った命令に従った者は、その責任を問われるという論法を使っていましたが、この議論は米軍の兵士にはあてはまらないのでしょうか。
これも、かなり自己矛盾を引き起こすメッセージです。
それと、米軍死者の中に、まだアメリカ国籍を持っていない志願兵が多いと言うことですね。
軍隊を志願すれば、国籍がすぐもらえるらしい。
前線に出れば、2週間でよいとか。
そんな、志願兵で軍隊が動いているとしたら、それはほとんど傭兵みたいなものでしょうね。
何でも、国会議員の中に、自分の息子がイラク戦線に派遣されている人はたった一人しかいないということです。
アメリカは世界の平和を維持するために、血を流すのだと言っても、その役割を担わされているのは、弱い立場の人たちということになるのでしょう。
いずれにしても、こうしたやり方が長期に続くわけがありません。
でも、それが5年なのか、10年なのかはわかりませんが。
これは、私が診察中に聞いた話ですが、ある人にはアメリカ兵の友人がいて、湾岸戦争に従軍して無事に帰国したので、仲間でお祝いをしたのですが、その兵士は部屋の中でも帽子とサングラスをはずさず、まったく異様な雰囲気で、完全に別人になってしまっていたそうです。
お祝いをしようとした人は、背筋が寒くなったと言います。
戦争の影響というのは、簡単には述べられないような陰を人間に残すものだと思います。
今度の戦争にしても、後になって色々な事実が明らかになることだろうと思います。
4月X日
連休で、時間が取れたので、リラックスコーナーのマグマグの記事を更新しました。
結構時間がかかるのですが、読んで見ておもしろいので、できれば目を通してください。
日本の家庭の雰囲気がつかめる感じがします。
家族というのは、ちょっとしたつまらないことに笑ったり、するもんなんだなあと思います。
時々、元彼とか、別れた主人とかが出てきて、なんでわかれたんだろうかなあと思ったりします。
それでも、笑い話に後々まで登場するのだから、良いときもあったんだろうなと、関係ないことを考えたり。
「大きくなったら新幹線になる。」と言っていた子供はどうなったんだろうなとか。
覗いてご覧なさい。
4月X日
精神科の患者さんには、肥満の人が多い。
何もする気がしないので、家にいる内にどんどん太って、体重が増えると、行動するのが嫌になって、一層太るという現象がある。
それに、薬の副作用で肥満する傾向もある。問題は、どうやってやせるかで、運動、減食とは言うものの、なかなか実行ができない。それでも努力して、3ヶ月で20キロもやせた人がいる。やればできるんだなあと思う。
以前、病院で体重を減らす為に、肥満の若いある男性に縄跳びを奨励したことがある。
毎日15分、ともかく続けさせたけれど、効果がない。
ベランダに出て、縄跳びをしているのを時々見ていた。
ところが、窓からは上半身しか見えない。確かに縄は回っている。身体も動いている。でも、体重に変化はなかった。
ある時、もしやと思って、窓から顔を出して驚いた。縄は回っていたし、身体も動いていた。
しかし、足は床を離れていなかったし、縄は片手で持っていた。
横から見ると、縄跳びだが、前から見ると縄回しだった。
どうしてそんなことをしたのかと聞くと、「だって、縄跳びは苦しいです。そんなことをしたら、やせてしまいます。」
4月X日
イラクのバグダッドも「陥落」して、イラク戦争も最終局面に入ったとか。
勝利宣言はまだだとか。
色々な話があります。
私は、アメリカ軍の進撃の報道が伝わってくると、とても気分が悪かったです。
たくさんのイラク人が亡くなっているのだろうと想像すると、こころ穏やかではありませんでした。
戦争反対というと、フセインを支持するのかと問いかける人がいますが、戦争に反対している人で、フセインに賛成している人はいないでしょう。
アメリカのやり方が、あまりに強引で、世界秩序を破壊し、やがてはアメリカの崩壊を招くのではないかと、心配しているのだと思います。
イラク戦争をめぐって、私はチョムスキーの本をいくつか読みました。
彼が、湾岸戦争以前から、今日のあることを予想して、継続して警告を発してきていたことを知りました。
アメリカ人だから、ユダヤ人だから、世界的著名人だから、その立場をふまえて、発言している様子は、本当に立派なものです。
今回は、ビデオも見ましたが、淡々と話す様子はさすがです。
絶叫もなければ、興奮もない。
涙も怒りもない。
4月X日
最近、ネルソン・デミルというアメリカの小説家の作品を読んでいます。
テロリストが良く出てくるのですが、9・11の前なのに、ジャンボ機がビルにミサイル代わりに突っ込む話とか、炭疽菌のテロとか、その後現実となった話が次々出てきます。
テロの方法は、テロリストが考えたものなのか、すでにアメリカの社会が空想や妄想の世界で、先取りしていたものなのかわかりません。
こういう構造そのものを丸ごと転換していくのだとしたら、それはどういう方法によって可能なのでしょうか。色々なことを考えさせられています。
3月X日
イラク戦争も大変な事になってきていますね。
インターネットが使えるので、色々と情報を見ています。
新聞やテレビなどより情報は早いでしょう。
それでどうということはないのですが。
最近は、画像情報を見ています。
イラクの戦場の様子など。固定カメラ。
バグダッド市街に置かれた固定カメラ。
サハラテレビ。アラビア語放送ですが、画像があるので現地の気分はわかります。
サウジテレビ。これもアラビア語放送。
米英軍死者一覧のホームページ。
湾岸戦争ではアメリカ兵はわずか37人しか戦死していないのです。
今回はすでに41名です。
アメリカにとっては、泥沼に入っていく感じがします。
ブッシュが暗殺されて、戦争が終わるという予言をしている人もありますね。
最初はフセインの事かと思ったのですが!?
3月X日
イラク戦争がはじまって、いろいろな方からメールをいただきました。
一部はお便り紹介で、ご紹介しています。
ところで、私にとっては、あの9・11の衝撃に比べれば、今回の戦争はショックは小さいように思います。
9・11の時は世界の深淵を覗き見る思いがあったのですが、今回はアメリカの滅亡の始まりという感じしか受けません。
戦争のニュースを見ていても、報道管制が強すぎて、一部の情報からは、何も判断出来ないと思います。
ただ、戦争がはじまった時点から反戦運動が起こるなどということは、ベトナム戦争の時代には考えられなかったそうなので、そうした点では時代は変わっているのだと思います。
今後、戦争の実態が明らかになると、決して事態はアメリカの考えているようには、いっていないし、今後も行く訳がないということがはっきりするでしょう。
3月X日
最近、携帯電話が普及して、バスに乗ると、何人もの乗客が携帯電話をしていることに気づきます。
夜など、乗客が少ないと、10人の内に、5〜6人が携帯電話でしゃべっているという感じです。
私が大学の講師をしていたころ、携帯電話で授業中にメールをしている人などは当たり前で、電話でしゃべっている学生も珍しくありませんでした。
医院でも、面接中に、患者さんの携帯が鳴ることも珍しくありません。気づいて、電源を切る人もいますが、相手を確認する人もいます。中には、電話に出る人もあります。「今、診察中です。」という人もありますが、そのまま話し出す人もあります。中には、話し出して、携帯を持ったまま、外へ出ていく場合、そのままずっと、話し続ける人があります。診察中に、患者さんが携帯でしゃべりながら、診察室を出ていくと、次はどうしたらよいのか迷ってしまいます。彼(女)は戻ってくるのだろうか???
待合室で、携帯で話していて、診察の順番が来ると、そのまま話続けて、携帯を持ったまま、診察室に入ってくる人もいます。
まあ、世の中には、色んな人がいるものです。
3月X日
診察中の楽しみの一つは、ひごろの常識が覆る体験です。
この前も、オーストラリアの留学から帰った学生さんの話を聞いていて、
オーストラリアにはカンガルーがうじゃうじゃいると思っていたのに、
「そんなの動物園にしかいませんよ。」と言われてびっくりしました。
私は、オーストラリアへ行くと、道路に車にひかれたカンガルーがたくさん死んでいると
思っていたのです。
そうだったのかと、世界の謎を知った思いでした。
他にも、探偵社の人から、尾行をするときはサングラスと帽子のスタイルではないという
秘密を聞きました。そもそも尾行なんてしないのだそうです。
うーーん。そうだったのか。
3月X日
診察中に「プー」という音がした。
これはおならの音だなあと思ったが、相手に失礼なのであえて、指摘しなかった。
しばらくして、患者さんが「先生、おならしたでしょう。」とにんまり笑った。
意外な展開に、唖然としていると、「わかってますから。」と念を押されてしまった。
その後、その患者さんが受け付けで料金を払っているところを偶然聞いてしまった。
「先生、失礼なんですよ。面接中に、おならするんですよ。」
うーん。そう来るか。
2月X日
我が家の子供が医院のホームページを見て、
「字が詰まりすぎよ。
もっと改行しないと。
読みにくいわ。」
と言いました。
「だってお父さん、開業医でしょう。」
(開業=改行?)
2月X日
しばらく寒い日が続いて、外来の患者さんが一挙に減りました。
もともと、天気の良い日と悪い日は、患者さんが少ないのです。
天気の良い日は、「こんな気分の良い日は、診療所などに行かず、散歩や買い物でもしよう」と考える人が多いのでしょう。
逆に悪い日は、「何もこんな日に行く必要もないだろう。」ということになるのでしょう。
受診者が多い日は、晴れでもなく、雨でもなく、外出するのにはふさわしくないような曇った日なのです。
ですから、雪が降って、道が凍っているような日には、断然受診者が減るのです。
こんな日は、診療開始の時間を遅らせたいなあと思いつつ、医院へ自転車で向かっている途中、凍り付いた道路でタイヤがすべって、自転車ごと、ひっくり返りました。
車輪が空を向いたのですから、大回転です。
医院について見たら、膝を打って血が出ていました。
何と言うこともないなあと思っていたのですが、次の日から膝が痛くて、びっこを引くことになりました。
あまりの苦痛に憂鬱になりました。
それでも患者さんが少なかったので助かりました。
そう言えば、以前はこんな感じで診察していたなあと、数年前をなつかしく思ったことです。
1月X日
知人の産婦人科医と話したら、当直が月に15回、手術週三回、外来週四回で、寝る暇もないそうです。
過酷な労働で、医者はみんな倒れる寸前で仕事をしているそうです。
当直が月に15回などと聞くと、とても人間技とは思えません。
仕事のきつい科や病院には来手がなく、医療のレベルは、低下しているとのことです。
ところが、人手不足の中で、一層の収益増強が要請されているとのことでした。
こんな中で行われる医療費の削減、
いったい日本の医療はどうなっていくのでしょう。
表面上は、差別なく医療が受けられると言うことになっていても、現実にはお金のない人は満足な医療を受けられないと言う社会になっていくのではないでしょうか。
一度、競争の原理を持ち込んで、それを制御できなくなったらどうするのでしょうか。
深い危惧を感じます。
たとえば、精神科領域でも、医療費の公費負担制度が変更されたら、とたんに経営が立ちゆかなくなる診療所などが、多数存在すると思います。
競争とか、実力を尊重するとか言っても、その基盤は脆弱なものです。
自分が診療所を開設して、事業を発展させていきたいなあと思うと同時に、
何かの時には、事業の縮小、廃止の仕方も同時に考えていかないといけないように感じています。
ともかく、医院を利用している患者さんや、働いている人に、サービスを提供するだけでなく、
いざというときの対策も考えておかないといけないのです。
個人経営というのは、そういう点で、配慮が必要だと痛感します。
1月X日
私の誕生日に、デイケアを利用している患者さんから、色紙をもらいました。
医院のデイケアを利用しているメンバーも、またスタッフも、
全員、誕生月には色紙がプレゼントされるのです。
みんなの寄せ書きが中心です。
私あての色紙に 「早くたいいんしてください。」 というのがありました。
「たいいん」 う〜ん。これは一体どういう事でしょうか。
(正解)
「早く、(僕を)たいいん(できるように)してください。」の一部省略でした。
しかし、普通には、外来に来なくても良くなる状態を、退院とは言わないのですが・・・
1月X日
インターネットの書籍紹介のページから、闘病記をまとめてみました。
精神科領域のものだけです。
今後、色々な情報を補充していきたいと思っています。
患者さんや家族から見た視点には、医療者にはわからないものがたくさん見えるものだと思います。
できるだけそういう情報に、目を向けていきたいと思っています。
お気づきの点がありましたら、お知らせ下さい。
1月X日
ホームページの初診の患者さん向けのページを少し変えてみました。
医療機関を利用する人の希望する情報について、
あるホームページに載っていた記事を参考にしました。
あたらしいコメントを読んで、わかりやすくなったという人もありましたし、
逆に、診療制限の意図ですかと質問した人もありました。
情報提供するというのもなかなかむつかしいと思いました。
いつもそうですが、どういう人にどういう情報を提供するのかがつかめていないと、
間違った伝わり方になってしまいます。
精神医療は万能ではありません、しかし必要な人には利用してもらいたい。
その能力の意味と可能性も知っていてもらいたい。
そこがなかなかむつかしいです。
過大評価と、過小評価のどちらかに流れやすいです。
「溺れるものはわらをもつかむ。」「ひいきのひきたおし。」になるか、
「食わず嫌い。」「羮に懲りて、なますを吹く。」になるかです。
案外、同業者である医者の判断がそうなりやすい。
医者の家族が困って、「精神科に行ってみようか。」と当のドクターに相談して、
「そんな所へ行ってもしょうがない。」と一言で否定されている人が結構いるのです。
1月X日
みなさん、お正月はいかがでしたか。
私は、年末に散髪したのがたたって、風邪気味でぼんやりしていました。
(私は、散髪をすると風邪を引く傾向にあります。
風邪をおそれて、散髪を延期すると、一層風邪を引きやすくなるという悪循環に陥っています。)
その間に、インターネットをのぞいて、現代世界の情勢についてリンクを調べてみたりしました。
一部、9/11に関するホームページをアップロードしましたが、情報としては古いものばかりです。
さて、新年のホームページの表紙は、ポタラ宮にしましたが、案外ポタラ宮をご存じない方がありました。
ザルツブルグのホテルか?とか、ヨーロッパのリゾートホテルと思った方もあるようです。
中には、「つかさき医院」が要塞になったのかと思った方もあるみたいです。
ポタラ宮はチベットのラサにある、ダライラマの宮殿です。
私は19991年にラサに行きました。
その時の写真です。
夜明けの新鮮な気分が出ているかなあと思って、新年の爽やかさを表現したいと思ったのです。
いかがでしょうか。
1月X日
みなさま新年おめでとうございます。
本年もどうぞよろしく。
新年の新聞を見ても、希望を語る内容は少なくて、不況が今後も続くだろうと言う話が多いです。
慢性不況の気だるさはどうしてもついて回ります。
でも、新春早々のデパートなどは結構にぎわっていました。
せめてどこかで、一息入れないとという気分でしょうか。
深刻な感じばかりでは、疲れます。
息抜きしながら、ゆっくりやりましょう。
さて、新年ですが、楽しみの一つは年賀状ですね。
随分ご無沙汰している人にも、年に一度はご挨拶ということです。
医院の年賀状は、印刷だけなので味気ないですが、
お送りする方が多いので、しょうがないです。
たくさんの方からの、こころのこもったご挨拶ありがとうございます。
さて、今年も、昨年同様、年賀メールを何人かの方にお送りしました。
御返事のメールも何通かいただきました。
ほとんどが、外来通院中の患者さんでした。
このホームページもそういう方の読者が多いのでしょうね。
今年は、ホームページの内容をもう少し、通院中の患者さんを対象にして、
組み立てていきたいと思っています。
では、ことしもどうぞよろしく。
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