診療日記(2005, 12, 26 更新)


この日記は、医院での診療の様子をお伝えするものです。ホームページを見て、受診した患者さんから、日頃の診察の様子や、医者がどんなことを考えているかがわかると、受診する時の参考になるということで、このコーナーを開設しました。

12月X日

ある日の患者さんの話。
「最近、ポスト小泉という言葉を聞くけれど、あれはどういう意味なんだろうなあ。」
「小泉さんが郵政民営化したということじゃないの。」

かなり前の話。
患者さんが「私も当たった。あなたもなの」と話し合っている。
良く聞くと、国勢調査の話。
国勢調査は五軒おきという話を聞いて、五軒に一軒の家が国勢調査の対象になると思ったらしい。
それで、国勢調査の対象になると、自分の家は五軒に一軒の中に選ばれたと思ったそうだ。
そのために、当たった。当たったと言っていた。
五軒おきでなく、五年おきでした。
残念!



12月X日

今年の冬はやたらと寒いですね。
夜の内に降った雪が、次の日の午後まで残ることは珍しいです。
21日と22日はとても寒くて、患者さんも少なかったです。
それで、診察時間もいつもより少し長くなって、ちょっと満足した患者さんもありました。
最近は、面接時間があまり取れず、申し訳なく思います。
たまには、大雪も良いのかも知れません。



12月X日

ホームページの感想で、更新が少ない。
漢字が多いと読む気がしないと言われました。
やはり、軽めの内容が良いのでしょうか。

これも親戚の結婚式のお話。
厳粛なる三三九度の最中に、突然誰かの携帯の着信音が鳴りました。
それも演歌の恐ろしく大きな音です。
周囲の出席者から、失笑の声が出ました。
本当に場違いですからね。
ご本人はあわてて電源を切っていました。
でも、演歌であることはわかっても、曲の名前はわかりませんでした。
やはり、私も動揺したのですね。
もっと、観察眼を養わなければと思った次第です。




11月X日

先日、親戚の結婚式に参加するために、松本へ行きました。
前日に泊まった宿舎は浅間温泉の旅館でした。
寝る前に大浴場へ入ったら沢山の人です。
お風呂から上がったら、脱衣場で私の浴衣のかごから、お爺さんが浴衣を着ています。
「それは、私の場所ですが。」と言うと、お爺さんは「こりゃ、失礼。何だかおかしいなあとは思ったのですよ。」
そして、素早くパンツを脱いで、渡してくれました。
私が躊躇していると、「大丈夫。ちょっとはいただけだから。」

う〜ん。
そんな問題か。



11月X日

小泉改革は日本を滅ぼすものだと最近は強く感じています。
小泉首相の言う「官から民へ」というのは、「日から米へ」というものであることが、明らかになってきていると思います。
「官から民へ」という言葉は、「日本の国がやってうまくいかないことは、アメリカに任せて、効率的に処理してもらいましょう。」ということです。
「民でやれることは民で。」=「アメリカに任せられることはアメリカに」
「活力ある社会」=「競争で追いまくられる社会」
と読み替えれば、小泉首相の主張は実に明快です。

効率的というのは、弱者の切り捨てです。
おいしいところは、アメリカ資本が持って行ってしまう。
そういうことです。
まあ、恐るべきことですね。

ところで、小泉改革は郵政の次は、福祉や健康保険制度に焦点が移ってくるように感じられます。
これらは、実に切実な問題で、遠からず、お金がなければ医療も福祉も受けられない時代がやってくると思えます。
財政赤字を理由にして、日本をアメリカ型の社会に変えようとする動きに拍車がかかっています。
以前だったら、アメリカのドラマで、お金がないために医療が受けられない話を見て、別世界のことのように思いましたが、それは遠からず、日本の現実となりそうです。
安心して医療を受けようとすると、健康保険だけではなく、アメリカ資本の医療保険会社に入るしかなくなる。次は、疾病分類や治療法など、アメリカの保険会社が決定権を持つ。
遠からず、医学医療が、アメリカ資本と文化によって完全に支配されるでしょう。
生き死にの中身がアメリカ文化に支配されることになります。

参考までに、医師会の混合診療に関するビデオをご覧下さい。

もう一つ米国に蹂躙される医療と保険制度、関岡英之(全文)
米国に蹂躙される医療と保険制度(続き)をご覧下さい。(これはすぐに削除されるのでは?)




11月X日

 障害者自立支援法が国会を通過し、細則の部分で、交渉に入っています。
その結果、幾つかの部分で、進展があったようです。
精神科の外来公費負担の延長を自立支援医療という形ですることになっていました。
その対象疾患のしばりとして、統合失調症、狭義のそううつ病、てんかんの案が出ていたのですが、反対運動の結果、ほぼこれまで通り精神保健福祉法32条で対象となっていた疾患、状態像をそのまま、対象とすることに決まりそうです。
やれやれということろです。
でも、いつ改悪が行われるかと考えると、今後も油断はできません。
さらに、所得の制限、市町村からの補填など、交渉は続きますので、継続した関心を向けていく必要があります。
簡単ですが、速報ということで。



10月X日

 カウンセリングなどという言葉が、一般に使われるようになったのはいつからだろうか。
以前は、精神科医が行うものは、精神療法と呼ばれていた。
心理学を勉強した人がやっているのは心理療法と呼ばれていた。
カウンセリングというのは、それより格が落ちる素人的なものであるといニュアンスがあった。
権威のある治療法は、ともかく漢字を連ねるという雰囲気だった。
ところが最近は逆転して、カウンセリングが一番しゃれていて、心理療法はダサい感じで、精神療法というといかがわしい気分だろうか。

どうして、こうなったのか。
精神科医がカウンセリングを行うといっても、「そんなことできるの。」と言われそうだし、疑われそうだ。
 昔、最先端だと思われていた、実存分析とか現存在分析などという言葉は、一般の人は知らないだろうし、今なら、言葉を聞いただけで拒絶されるのではあるまいか。
言語感覚の変化が起こっているのだ。

 最近は用語もほとんどがカタカナで、何のことかわかないことも多い。
それに何でもアルファベットの略語で、ここは日本なのかと疑ってしまう。
しかし、そういうことを言うと、勉強嫌いの馬鹿と思われそうで、大勢に従うしかない。
困ったことである。

 日本人のこころを語るにはやはり日本語を丁寧に使うべきなのではないかという考えもある。
だから、カミングアウトと言うより、打ち明け話と呼ぶ方が良いのではないかとか。
 しかし、ダンス療法というと治療的な感じがするけど、盆踊り療法じゃ間が抜けそうだ。
グループ療法はあっても、寄り合い療法はなさそうだ。
とても効果がありそうに聞こえない。
 治療というものが、日常性と異質なものでなければならない宿命を持っているのか。
まあ、そういうことを色々考えさせられています。



10月X日

私の口癖は、わかれぎわの「良いお年を!」
年末どころか、松の内があけたら早速使用している。
使わないのは、年末だという偏向ぶり。
文字通り、年中それを使っているので、デイケアのメンバーも食傷気味。

今日は、デイケアの朝の挨拶に「新年おめでとうございます。」と言ってみたら、
すかさず、患者さんから「旧年中はお世話になりました。今年もよろしく。」の返事が返ってきた。
「う〜む。お主やるなあ!」




10月X日

地域の医師会からアンケートが来て、治療のモットーを教えてくれと書いてあった。
すぐに思いついたのは、「毒にも薬にもならない。」という言葉だった。
精神科の治療は期待されるほど万能のものではない。
斬新な治療法や、劇的な効果が上がるような技術も多くない。
ほとんどが、地味で時間のかかるものだ。
治療者が胸を張って、「自分が治しました。」と言える場面もほとんどない。
だから、大きな期待を持ってもらってもお互いにがっかりするだけだろう。
せめて診察を受けた後に、「がっかりした、こんなところに来るんじゃなかった。」と思ってもらわないことを願っている。
まあ、「毒にも薬にもならないなあ。」と思ってもらって、「それでも、通ってきている患者さんもいるみたいだし、続けていれば、何か良いことがあるのかもしれないなあ。」と思ってもらえれば一番だと思う。



10月X日


障害者自立支援法案の参議院での議論をふまえて、かなりの付帯決議がつけられたようです。
内容は、各種団体が主張していた点を織り込んだものです。
具体的には、どうなるかはまだですが、意見をちゃんと述べていく必要性を感じます。
やはり、声を上げるべき時には、躊躇しない方が良いですね。
以下、内容です。


* * * * * * * * * * 

障害者自立支援法案に対する附帯決議
(2005年10月13日 参議院厚生労働委員会)


 政府は、次の事項について、適切な措置を講ずるべきである。

一、附則第三条第一項に規定する障害者の範囲の検討については、障害者などの福祉に関する他の法律の施行状況を踏まえ、発達障害・難病などを含め、サービスを必要とするすべての障害者が適切に利用できる普遍的な仕組みにするよう検討を行うこと。また、現在、個別の法律で規定されている障害者の定義を整合性のあるものに見直すこと。

三、障害福祉サービス及び自立支援医療の利用者負担の上限を決める際の所得の認定に当たっては、障害者の自立の観点から、税制及び医療保険において親・子・兄弟の被扶養者でない場合、生計を一にする世帯の所得ではなく、障害者本人及び配偶者の所得に基づくことも選択可能な仕組みとすること。また、今回設けられる障害福祉サービス及び自立支援医療の負担軽減の措置が必要な者に確実に適用されるよう、障害者及び障害児の保護者に周知徹底すること。

五、自立支援医療については、これまでの更生医療、育成医療及び精神通院医療の趣旨を継承した公費負担医療制度としての位置付けを明確にすること。また、医療上の必要性から継続的に相当額の医療費負担が発生することを理由に、月ごとの利用者負担の上限を設ける者の範囲については、速やかに検討を進め、施行前において適切に対応するとともに、施行後も必要な見直しを図ること。さらに、自立支援医療の「重度かつ継続」の範囲の検討に当たっては、関係患者団体の意見にも配慮すること。

七、介護給付における障害程度区分について介護サービスの必要度が適切に反映されるよう、障害の特性を考慮した基準を設定するとともに、主治医の意見書を踏まえるなど審査の在り方についての適正な措置を講ずること。また、支給決定に係る基準や手続きについては、生活機能や支援の状況、本人の就労意欲等利用者の主体性を重視したものとなるよう必要に応じて適宜見直しを行い、関係団体とも十分協議した上で策定すること。さらに、障害程度区分認定を行わないこととなる障害児については、障害児に対する福祉サービスが障害児の成長過程において生活機能を向上させる重要な意義を持つものであることにかんがみ、市町村が適切なサービスを提供できるように体制を整備するとともに、障害程度の評価手法の開発を速やかに進め、勘案事項についても必要な措置を講ずること。

十九、医療法に基づく医療計画とあいまって、精神病院におけるいわゆる七・二万人の社会的入院の解消を図るとともに、それらの者の地域における生活が円滑に行われるよう必要な措置を講ずること。また、精神保健福祉法に基づく医療保護入院の適切な運用について、精神医療審査会の機能の在り方、保護者の制度の在り方等、同法に係る課題について引き続き検討を行い、その結果に基づいて所要の措置を速やかに講ずること。


 右決議する。       

* * * * * * * * * * 



10月X日

障害者自立支援法案が13日、参院厚生労働委員会で自民、公明両党の賛成多数で可決された。
14日開かれる本会議で可決後、衆院に送付され、今国会で成立する見通しだそうだ。
施行日は来年4月の予定らしい。

自民党が総選挙で、圧倒的多数で勝利したため、こうなるのも時間の問題だった。
医療費の大幅改訂が同時に準備されているので、これからの精神医療はなかなか厳しいものとなっていくと思える。
これまでの精神医療の動きは、入院ベッドを減らすことが目標とされていたので、地域の診療所などに対しては、それを支援する含みがあったのだが、昨今の情勢では、その動きも止まりそうだ。
一番困るのは、経済的にゆとりのない患者さんだろう。
制度の厳しさが出てくると、受診しにくくなったり、治療が中断してしまう患者さんもあるのではないか。
そういう事態は、長期的に見て、国民総体にとっても、決して、良いことではないと思うのだが。



9月X日

ここ数年医院に通っている患者さんのカルテを必要があって読み返していたら、色々と気づくことがありました。
もうすっかりわかっている人だと思っていたのに、少なからず誤解しているところや思いこみで見ているところがありました。
それらに気づいていれば、もう少し弾力的な対応ができただろうなと反省しました。
わかっていると思うのは、せっかくの気づきの機会を自分から放棄しているようなものかも知れません。

医者の経験を積めば積むほど、わかってくることもありますが、逆に忘れてしまうこともあるでしょう。
松平定信の「花月抄」という本でしたか、町で医者が開業しても、最初は患者も少なく、暇なので、勉強しないでぶらぶら過ごすことが多いが、そういう時こそ、知識を身につけることに積極的でなければならないと書いてあったことを思い出します。
また、最初のころに受け持った患者が、治るかどうかが心配でたまらない時の気持ちを忘れてはいけないとも書いてありました。

初心忘るべからずという言葉があります。
初心は、初一念でもありますが、未熟で不安な気持ちでもあるでしょう。
そういう心を忘れてはならないなあと思います。
病気になった最初の段階では、どの患者さんも患者としては初心者です。
その気持ちをわかろうとしたら、自分自身が初心者だったときの気持ちを忘れてはいけないと思います。



9月X日

昨日受診した人は、元の医院に受診していた人で、移転先をはっきりとは知らない人でした。
ホームページの地図をプリントアウトして、新医院を探したのですが、自信がないため、交番に入ってお巡りさんに尋ねたそうです。
すると、「つかさき医院?あそこはつぶれましたよ。もうありません。」と言われたそうです。
でも、診療日記も更新されているので、診療をやってるはずだと探し回って、ようやく見付けたそうです。
交番でそう言われたら、廃院したのかなあと思う人もあるかもしれません。
たぶん、移転前の医院のことなのでしょうけど。
さっそく、問題の交番に説明にいくことにしました。
それにしても、せいぜい頑張って、ホームページを更新しないといけないと思ったことでした。




9月X日


衆議院選挙は、自民党の大勝となりました。


これで、廃案となっていた障害者自立支援法も特別国会で再審議され、成立する見込みとなりました。
日本の国は、これから一層福祉切り捨ての方向に進むものと思います。
憂鬱な状況ですが、現実を受け止めるしかありません。

選挙の一週間ほど前、テレビ局に勤めている人と話をしました。
簡単に言うと、どのテレビ局も小泉首相を取り上げすぎではないか、もっと野党側の報道もすべきではないかと聞いてみたのです。
答えは、「報道が偏向しているのではないかと言うことは、番組を作っている側でも考えているけれど、野党側の報道をしても、視聴率は下がるばかり、小泉首相が出てくると、視聴率がポーンと上がる。当然、視聴率に支配されますからね。」というものだった。
マスコミが偏向しているというけれど、視聴者はもっと偏向しているというお話でした。

福祉切り捨てと言っても、それは国民が選択しているということなのでしょう。
貧富の差が拡大することも、国民が選択しているということになりますね。


ところで、選挙の得票数(小選挙区+比例区)と議席数を見ると次のような結果だそうです。

与党議席数           327(6838万票/50.3%)、
野党議席数(内、無所属18) 153 (6751万表/49.7%)、
合計議席数           480(13589万票/100%)

得票数だけだと0.6%の差しかないのですねえ。
でも、議席数が倍以上違うというのは、何とも不思議ですねえ。





9月X日

9月8日の朝日新聞の朝刊に所得格差の記事がありました。
その中の図を見て、やっぱりというか、そうか!というか、そういう思いがしました。
ちょっとぼやけて見にくいですが。



日本の所得格差が一貫して進んでいること。
特に、1990年代後半からの所得格差の拡大がいかに著しいかがわかります。
こういう変化が、日本の社会に不可逆的な変化をもたらすであろうことは疑いありません。
2002年以後の変化は、さらに劇的なものであることは疑いないでしょう。
これこそ、小泉改革の現実ですね。



9月X日


北海道大学大学院教授の山口二郎氏が提供しているデータをご紹介します。
これを見ると、2000年以降の日本の実情は、お寒いものだと思います。
どこに改革の成果があるのでしょうか。
こんな首相のやり方を、更に続けるとなると、これからの日本はどうなるのでしょうねえ。
2004年、2005年はどうなのでしょうか。
是非知りたいものだと思います。

今回の衆議院選挙では、このようなデータも参考にして、候補者を選びたいものです。

2000年以降の日本の社会経済指標
   項目  2000年  2002年  2003年 
全世帯平均収入(千円/年) 7,210 6,830 6,600
全世帯平均支出(千円/月) 31.7 30.6 30.2
勤労者世帯平均収入(千円/年 7,690 7,480 7,210
勤労者世帯債務残高(千円/年) 5,790 6,070 6,050
完全失業者(万人) 320 359 350
完全失業率(%) 4.7 5.4 5.3
企業倒産 18,769 19,807 16,255
自己破産 145,207 223,570 250,983
フリーター(万人) 384 417 450
自殺者 30,957 32,143 34,427
ホームレス 20,451 24,090 25,296
生活保護受給世帯人数 1,072,241 1,242,723 1,344,327
正規雇用者数(万人) 369.5 348.9 344.4
出生率 1.36 1.32 1.29
犯罪件数(千件) 2,443 2,853 2,790
ドメスティック・バイオレンス相談件数 1,096 1,528 1,574
児童虐待相談件数 18,804 24,254 26,569

(コメント)

読者のHARUさんからご指摘をいただきました。
百万人と表示されていました部分は、すべて万人のあやまりでした。
すでに修正しておりますが、ご指摘をいただきまして有り難うございました。



9月X日

文字の話の続き。

私は、切手収集を趣味にしていて、昔の封筒などをよく見ています。
手紙の宛名書きを見ていて、日露戦争のころと、太平洋戦争のころでは、文字が全く違うことに気づきます。日露戦争のころはまだ毛筆が一般的だったのでしょうが、ともかく上手な字、味のある字がめずらしくありません。
太平太平洋戦争のころになると、字が下手なだけでなく、個性も何もないのです。
上手な字の人がいても、深みは無いですねえ。
人間は進歩すると言われていますが、字を見る限り、そういうことはありませんね。



9月X日

選挙特集ということで、ニュース23で、各党の代表の話を聞いた。
いろいろ歯切れのいい話が出ていた。
ところで、各党の代表者の意見をホワイトボードに書いてもらって見せるというコーナーがあった。
その文字を見てびっくり。
どの代表の書く文字も、小学生なみの下手くそさ。
こんな人が日本の代表なのかと思うとげっそりを通り越して、うんざり。
日本の文化とか、日本の誇りとか、とても口に出せるようなものではない。
国会議員の資格に、書道ぐらいを入れたらどうでしょうねえ。
字の下手な人は立候補できないとか。

それだけでも、書道教室が大流行するのでは。
字の綺麗な人を見ると、政治的野心があるのではないかと想像したりとか。
いろいろ余波があるでしょうねえ。
おもしろそうですねえ。


8月X日

とうとう小泉さんが衆議院を解散しました。
自立支援法は廃案になりましたが、臨時国会で再上程し、立法化する予定だそうです。
もしかしたら、前の法案より悪くなのではないかという予想も出ています。

小泉自民党が選挙で大勝すれば、そういう可能性もあるかもしれません。
それにしても、世論調査で見ると、小泉さんの支持が増加しているそうですが、本当なんでしょうかね。

昔の調査ですが、ちょっと紹介してみます


《 2003衆院選 》

【選挙直前のNHK世論調査】
2003年 8月  NHK世論調査  自民31%  民主06%(小泉内閣支持率53%)
2003年 9月  NHK世論調査  自民32%  民主09%(小泉内閣支持率61%)
2003年 10月  NHK世論調査  自民36%  民主10%(小泉内閣支持率62%)

【日本国国政選挙・得票率】
2003年 11月  日本国衆院選  自民35%  民主37%

《 2004参院選 》

【選挙直前のNHK世論調査】
2004年 4月  NHK世論調査  自民34%  民主11%(小泉内閣支持率53%)
2004年 5月  NHK世論調査  自民34%  民主10%(小泉内閣支持率53%)
2004年 6月  NHK世論調査  自民34%  民主12%(小泉内閣支持率54%)

【日本国国政選挙・得票率】
2004年 7月  日本国参院選  自民30%  民主38%

こういうのって、どういう事を示しているのでしょうか。
わかりませんね。
世論調査があてにならないということでしょうか。
だけど、何かの誘導が入っているような気もしますね。

小泉さんについては、立花隆の「派閥解体で小泉首相が狙う次の一手」がおもしろいかも。





8月X日

朝日新聞の夕刊に、OECDによる貧困の定義がありました。
それによると、全国民の平均的所得の半分以下の所得しかない家計を貧困者と見なすようです。
その基準で言うと、日本の貧困者は15.3%だそうです。
先進国では、アメリカ、アイルランドにつぐ世界第三位だそうです。
アメリカは17%ということですから、日本はアメリカと変わらないくらいの、格差社会になってしまっているのです。
ちなみに、十年前には8%台だったそうですから、この10年間の社会の変化は驚くべきものです。
生活保護も10年前の60万世帯が、いまでは100万台だというのですから、同じようなものですね。
日本の貧困が急速に進んでいるのに、そういう実感がないのは、貧困が若年者、老人にしわ寄せされているからなのでしょう。
今後10年ぐらいの間に、事態の深刻さは想像を超えた問題を生み出すような気がします。
精神医療の現場で起こる問題は、すべての事態を先取りしたものになるだろうと感じます。




7月X日

今日のニュースを見ていたら、傷病手当金を減額するという計画の報道があった。

休業時に生活を保障する傷病手当金や死亡した際の埋葬料など、公的医療保険から支給される現金給付が、全面的に見直されることになった。厚生労働省が年内にまとめる医療制度改革に盛り込む。同省はすでに、少子化対策として出産育児一時金は増額する方針を固めており、その分、傷病手当金などを抑制する方向。時代の変化に対応し、少子化対策により手厚くする形で配分を見直したい考えだ。29日の社会保障審議会医療保険部会で提起する。

 見直しの対象となるのは傷病手当金、埋葬料、出産手当金、出産育児一時金の4給付。医療保険財政が厳しさを増す中、限られた財源を効率的に使うため、一体で見直すべきだと判断した。

 出産手当金と出産育児一時金については、「少子化対策」を求める声を受けて増額する方針。一時金は5万〜10万円の増額を検討しており、手当金も手厚くする方向で検討している。

 ただ、保険料の引き上げは難しいため、財源は傷病手当金や埋葬料の見直しでまかなう方向。傷病手当金は標準報酬日額の6割の給付水準を4〜5割程度にする案を軸に検討している。

 傷病手当金をめぐっては、不正な診断書による受給があるほか、精神疾患の急増で働けるかどうか外見では判断しづらいケースが増えていることから、給付要件の見直しも検討課題にあがっている。

傷病手当金の減額だけでもびっくりなのに、ニュースを見ると、精神科では外見だけでは病気の有無がわからず、不正受給につながるとでも言うような話になっている。
うつ病の人など、周囲から病気と見られずに、苦しい毎日を送っている人もいるのに、病気の存在を制度の上からも、疑おうというのだから、実に恐ろしい話だ。
ローンを抱え、教育資金の負担を背負っている、中年のお父さんが、うつ病になって、長期の休養を必要とした場合、とんでもなく追いつめられていくだろう。
想像するだけでも、背筋が寒くなる。
それにしても、今の日本は、病気の人に、ゆっくり休んで下さいと言えないくらいに、貧しい国になってしまったのだろうか。



7月X日

心理療法などが問題となるときに、よく言われることが、「科学的でない。」「再現性がない。」「主観的である。」ということです。
しかし、人間はどうでもよいことと、重要なことの境目に生ずることには、科学的であることを求めますが、どうでもよいことや、大事なことには科学性など求めないのです。
今日は、天ぷらそばを食べるか、冷麺にするかというときに、その判断に科学性など求めないでしょう。
それは、たいした選択ではないからです。
逆に、結婚相手を決めるときとか、臨終の席で、父親に何を語るかと言うときに、科学的根拠など求めないでしょう。
それは重要すぎて、科学にゆだねる気持ちにならないからです。
心理療法に科学性を求める人は、ちょうど、どうでも良いことと、人生に一回限りのような重要なこととの間に、心理療法があると感じているのでしょう。
そういう感じ方が悪いと言うことはないけれど、それでは嫌だなあと思う人もいます。
つまり、科学性だけを根拠や判断基準にすることへの、違和感を持つ人がいるのです。
そういう人を、科学的でないと見る人もいますが、別にそういう人の悪口を言う必要もないと思うのですが、どうでしょうか。



7月X日

私が精神科医になって、そんなにたっていない頃のことです。
ある患者さんが薬を飲まなくなりました。
理由を聞くと、あまりに薬が効くので怖くなったというのです。
私は、薬が効くからやめるなって、理解できないと思いました。
いろいろやりとりをした結果、しょうがないから飲みますと言うことになりました。
その時は、おなしなことを言う患者だなあと思いました。
それから、もう随分時間がたちました。
今、感ずることは、患者さんは自分の納得した経過をたどって治りたいと考えるものだと言うことです。
そういうことを希望するものだと思います。
薬が効きすぎると言った人は、納得するよりも早くよくなることにとまどいがあったのでしょう。
今では、患者さん自身の納得や速度が大事だと思います。
もちろん、逆に実現不可能なほどの速度を求める患者さんもあります。
それはそれで、問題です。
しかし治療者側が、自分たちの速度や、やりかただけを正当なものだと考えるのは良くないと思うようになりました。
ゆっくり治るのが良い人もいると思います。
そういう人が増えるのが、社会の懐の深さにつながるのだと思います。
ファーストフードが人の味覚を破壊するなら、急いだ治療はゆとりや思いやりを破壊するでしょう。



7月X日

ホームページの表紙にアヒルの写真を使っておりましたら、提供者から、そろそろ変更してはとご希望がありました。
以前、表紙に使わせていただいた太陽の写真を載せたところ、その写真の提供者より、新しく箕面の滝の写真をお送りいただきました。
早速、表紙に使わせていただきました。
有り難うございます。
これまでも、何人かの方から、写真の提供をいただいています。
今後ともよろしくお願いします。




7月X日

医療費の問題でホームページを見ていましたら、イギリスの医療に関して興味深いデータを見付けました。

ちょっと古い上に、製薬会社のページですが、英国の医療制度改革に学ぶ、日本が進むべき道。

ショッキングな英国の悲惨な医療事情。

これなんか見ると、医療費のやみくもな抑制は怖いことだと思いますね。




7月X日


自立支援法案が衆議院で可決されました。
参議院段階で、さらなる修正が入るとしても、衆議院の厚生労働委員会での議論を見れば、大幅な修正はないと思います。
所得制限や疾患の縛りなど、修正はされるとしても、かたちばかりのものとなりそうです。
精神医療・福祉が大きな曲がり角にきていることは、変わらないでしょう。
結局は、種々の方面からの検討に耐えうるような内容の医療を実現していくことにしか、答えはないのでしょう。
ただ、家族の無視や否認の圧力のもとで、黙って精神科医療を受けていたような人々が、医療の恩恵を受けにくくなるのは事実でしょう。
そういうことを考えると、暗然とした思いになります。



1割自己負担、障害者自立支援法案が衆院可決


 障害者福祉制度の改革を盛り込んだ障害者自立支援法案が、15日の衆院本会議で、与党の賛成多数により可決され、参院へ送られた。

 障害者の負担増を懸念する民主党など野党が反対の構えを崩していないが、与党は早期成立に意欲を見せており、郵政民営化関連法案の審議の影響による時間切れなどの事態が起きない限り、今国会での成立が確実となった。

 法案は、福祉サービスに必要な費用を確保するため、国と都道府県に公費負担を義務づける一方、利用者にも原則1割の自己負担を求める内容。障害者が医療を受ける際、自己負担が安く済むよう公費で助成する現行制度も、自己負担率を原則1割とする。一部を除き、施行は来年1月。

 法案は衆院厚生労働委員会で、受診時の自己負担を引き上げる時期を、今年10月から来年1月へ延期するなどの修正が行われた。

 参院では、低所得者を対象とした負担減免の具体的内容や、所得保障対策、自己負担増で精神障害者が通院回数を減らした場合の問題などが、争点となりそうだ。

(読売新聞) - 7月15日21時29分更新



障害者支援法案 衆院厚労委で可決 原則1割負担に変更

 障害者施策を見直す障害者自立支援法案が13日、衆院厚生労働委員会で政府案を一部修正の上、与党の賛成多数で可決された。
身体、知的、精神の障害別の福祉サービスを一元化し、障害者が自立した生活をできるように支援する。
財源を安定化するため、利用したサービス費用の原則1割の定率(応益)負担を障害者に求めるが、野党は「障害者の所得保障が先」などと反対している。
低所得者への減免措置の内容などは未確定で、法案成立までさらに論議が続きそうだ。
 現行の支援費制度は03年度にスタート。自治体がサービス内容を決めていた「措置制度」を改め、身体、知的障害者が自ら選択できるようにしたが、使い勝手がよくなり、利用者が急増した。
このため04年度は国の補助分だけで274億円不足。今後も利用量の増加が予想され、財政的に破たんする恐れが出ていた。
 今回の法案は、国、都道府県の市町村への補助を、「できる範囲で負担する」裁量的経費から「必ず負担する」義務的経費に変えた。
一方、障害者に対しては所得に応じて負担する「応能負担」を定率負担に改正。所得が少ないため、ほとんどの障害者が無料でサービスを受けている現状を、原則1割負担に変更する。
 このほか、サービス利用量の地域格差を是正するため、市町村にサービス量の数値目標を入れた障害福祉計画の策定を義務付けた。
さらに利用の手続きや基準を透明、明確化するため、身体能力など約100項目を調査し、医療・福祉関係者らで構成する審査会が、必要性を判定する仕組みを導入。
精神障害者の通院費を5%負担から原則1割に増額することなども盛り込まれている。【玉木達也】

 ◇解説 重度障害者ほど重い負担

 障害者にサービス費用の原則1割の自己負担を求める障害者自立支援法案が13日、衆院厚生労働委員会で可決された。
サービス利用量が多い重度の障害者ほど、負担額が重くなる定率負担となることに、福祉の在り方として各方面から疑問の声は強い。
政省令に委ねられた減免措置の具体的内容も明らかにされておらず、議論すべき課題はなお多い。
 障害者は月6万〜8万円の障害基礎年金などが頼りで、市民団体の全国調査では、9割強の人が月額10万円未満しか収入がない。
可決された与党の修正案では、障害者の所得保障に関する検討規定が追加され、所得保障の在り方を速やかに検討し、3年以内にその結論を出すことも付帯決議された。
方向性をより具体化することが求められる。
 また、現行の支援費制度が作った「施設から地域社会へ」の流れを断ち切らないためにも、低所得者への減免措置が必要だ。
法案は負担上限を収入に応じて月4万200円▽2万4600円▽1万5000円の3段階に設定。これに加えて、重度障害者やグループホーム入所者らを対象に具体的な減免措置を今後、政省令で定めていく。ただ、その内容は不透明で、衆院では十分に議論が尽くされなかった。
 可決された瞬間、厚労委の議場は傍聴に詰め掛けた障害者らの「反対」の声で、委員長の法案名を読む声が聞こえないほどだった。
「私たちの命がかかっているのに」と涙声で話す障害者の不安に答えるためにも、厚労省は早急に政省令の内容を含め、対策を示す必要がある。
議論を具体的なものにするため、参院での審議が重要だ。【玉木達也】

(毎日新聞) - 7月14日10時12分更新




7月X日

 障害者自立支援法に関する与党の要望がまとまったそうです。
 いくつかの点で、運用上の譲歩があるようです。
しかし、障害者への福祉が、長期的には介護保険の対象となるような方向性は、
今後一層強化されていくものと思います。


                               平成17年7月6日

障害者自立支援法案に関する与党の要望事項について
 
 1 福祉サービスの利用者負担について
 
 ○月毎の負担上限を決める場合は、生計を一にする世帯の所得で
  決定されることとなっているが、障害者と同一の世帯に属する親、
  兄弟、子どもがいる場合であっても、税制上及び医療保険上、障
  害者を扶養しないこととしたときは、障害者本人及び配偶者の所
  得に基づくことも選択できることとすること。

 ○政府提案でいうところの「低所得1(月額負担上限が1.5万円になる
  ケース)」については、世帯に属する者全員が一定所得以下である
  ことが要件となっているが、住民税非課税世帯であれば障害者本
  人のみの収入で判定するものとすること。

 ○政府提案の低所得者への配慮措置によってもなお負担の上がり
  幅が大きい通所サービス、児童入所施設、重度障害者のホーム
  ヘルプサービスの利用者であって、所得も預貯金等も一定以下の
  者については、社会福祉法人が減免の措置を行い、その費用の一
  定割合について公費助成を行う仕組みを設けること。

 ○低所得者対策において、預貯金等が一定額以下の者を対象とす
  る場合、親亡き後や地域移行後の生活費等のために障害者本人
  を受取人として設定された信託等は預貯金等に含めないこととす
  ること。

 ○福祉サービスと医療サービス双方を必要な障害者の負担が過大
  とならないよう、医療保険改革における医療保険の給付と介護保
  険の給付の自己負担の合算額が著しく高額になる場合の負担の
  軽減を図る仕組みについて実現を図った上で、別途幅広く必要な
  措置について検討すること。

 ○雇用型の就労継続支援事業については、一般企業と同様に事業
  主体と障害者の間に雇用関係があること等から、事業主の負担
  により利用者負担を減免する仕組みを導入すること。

 2 福祉サービスの利用手続きについて

 ○市町村の審査会委員については、市町村長が任命するものである
  が、障害保健福祉の有識者であって中立かつ公正な立場で審査が
  行える者であれば、障害者を委員に加えることが望ましいことを市町
  村に周知徹底すること。

 3 サービス体系、基盤整備について

 ○中高年の障害者など、介護の必要度が低くても、訓練、就労支援関
  連の事業になじまない者もいることから、生活介護事業の対象者に
  ついて、介護の必要度以外の要素(年齢)を考慮すること。

 ○グループホームの対象者とケアホームの対象者について、それぞれ
  に適切なサービスが提供される体制の確保を前提に、同居が可能な
  基準を設定すること。

 ○移動支援事業、地域活動支援センターをはじめ、地域生活支援事業
  に盛り込まれた各事業が、地域の二一ズを踏まえ、市町村が確実に
  実施できるよう、必要な財源の確保を図ること。

 ○地域で暮らす重度の障害者に必要なサービスが確保されるよう、重
  度障害者等包括支援などに係るサービスの内容や国庫負担基準を
  適切に設定すること。

 ○障害者が身近なところで福祉サービスを利用できるよう、福祉サービ
  ス提供基盤を速やか、かつ、計画的に整備すること。

 4 自立支援医療について

 ○月毎の負担上限を決める場合は、生計を一にする世帯の所得で決定
  するのが原則であるが、加入する医療保険が異なる場合は別世帯と
  して扱うほか、障害者と同一の世帯に属する親、兄弟、子どもがいる
  場合であっても、税制上及び医療保険上、障害者を扶養しないことと
  したときは、障害者本人及び配偶者の所得に基づくことも選択できる
  こととすること。

 ○政府提案でいうところの「低所得1(月額負担上限が2,500円になるケー
  ス)」については、住民税非課税世帯であれば障害者本人のみの収
  入で判定するものとすること。

 ○精神通院公費に関し、障害により高額な医療費が継続的に発生し家
  計に負担がある者(「重度かつ継続」)の範囲については、早急に検討
  を進め、その結果に基づいて、可能な疾病については、施行までに対
  象範囲に含めること。

 ○育成医療について、障害児の健全育成の観点から、負担の上がり幅
  の大きい者について、一層の負担軽減措置を検討すること。





7月X日


追加のニュースです。
とりあえず、今年10月からの1割負担案は延期になるようです。
ちょっと、やれやれです。


所得保障検討を明記 与党が自立支援法修正案

 与党は6日、衆院で審議中の障害者自立支援法案について、就労支援などを通じた障害者の所得保障の検討や、先行して実施される精神障害者通院費の1割負担を今年10月から来年1月に延期することなどを盛り込んだ修正案をまとめた。8日にも提出する方針。
 所得保障をめぐっては、就労支援や税制改正を通じて幅広く検討すると修正案に明記。消費税アップ時に、手当増額の財源を確保することなどが念頭にあるとみられる。
 1割負担の先行実施を見送り来年1月からとする対象には、精神障害者の通院費(現行は5%負担)のほか、現在は公費助成のある人工透析患者や障害児を対象とした医療などを含める。


(共同通信) - 7月6日18時20分更新


7月X日

自立支援法のニュースがありましたので、貼り付けときます。



「1割負担、障害者は暮らせぬ」 審議中の自立支援法案 京からも反発

 郵政民営化関連法案の国会論戦の陰で、今国会で審議中の「障害者自立支援法案」に対し、障害者団体から反発の声が上がっている。法案は福祉サービスに対して障害者から原則1割の応益負担を求める内容で、日本の福祉の大きな転換といえる。京都の障害者は「道を歩く、トイレにいくといった当たり前のことが不自由だから福祉や介護があるのに『利益を受けている』はおかしい。ぎりぎりの生計なのに、応益負担では暮らせない」と危惧(きぐ)している。
 ▽通院、介護を直撃
 郵政民営化関連法案が衆院を通過した5日、日本障害者協議会の障害者ら1万1000人が国会周辺をデモした。「所得保障がないまま応益負担を導入すると、障害者の命を削る」「移動介護は個別給付に」などと法案見直しを訴えた。京都からも、共同作業所でつくる「きょうされん京都支部」などの100人以上が参加した。
 ■応益負担
 福祉サービスはこれまで、所得に応じた利用者負担だった。しかし現行の支援費制度が財政難だとして、法案はサービス量に応じた自己負担に転換。例えば月額6万6000円の障害年金(二級)に頼って生活している人の場合、デイケアを週2回利用すれば、それだけで約5000円の負担増となる。自己負担に上限はあるが1万5000円と重い。障害の重い人を再び家族の扶養のなかに閉じこめかねないとの心配もある。
 ■精神障害者
 精神障害者にとって、法案が成立すると精神科通院費公費負担が廃止され、通院交通費で1割負担が発生する。広義のうつ病が制度の対象外になるなど「治療中断を余儀なくされる」と、精神医療の現場から懸念が強い。
 精神障害者の当事者でつくる京都ユーザーネットワークの斉藤俊明さん(58)は「作業所に通って利用料を取られることになると、経済的理由で通うのを控え、家に引きこもって病気を悪化させてしまう人も出る」と批判する。
 ■地域の居場所
 法案は作業所やグループホームなど地域の障害者の居場所も直撃する。法案では障害の程度を審査会が判定し、市町村が支給を決める。ケアホームやグループホームを再編、入居先を振り分ける。京都の作業所やグループホームから「障害の重軽度にかかわらず、家族同然の仲間とはぐくんできた居場所が消えてしまう」「転居の強制も引き起こしかねない」と将来を心配する声があがっている。
 【障害者自立支援法案】 身体・知的・精神で別々になっている福祉サービスが一元化され、在宅サービスの財政負担義務化が明確化される一方、障害者の原則利用料1割負担などに反発が広がっている。法案反対の民主党が修正協議を打ち切ったことから、与党側は週内にも衆院委員会で採決し、今国会成立を目指す。

(京都新聞) - 7月6日16時12分更新



7月X日

医院にも、時々はお医者さんがやってきます。
と言っても、患者さんとしてです。
お医者さんが、患者さんの家族としてやってくるときは、理屈ぽかったり、物わかりが悪かったりするのですが、患者さんになってくると、大概は物わかりがよくて、模範的です。
症状の訴えも簡潔で、要領を得ています。
さすがはお医者さんだと思います。
しかし、良く聞いていると、あまりに模範的すぎます。
たぶん、色々な患者さんを診察してくると、苦労させられることも多いのでしょう。
それで、自分が患者になると、そういう姿は見せたくないと思うのでしょうか。
診察する側としてはありがたいのですが、その蔭から、日頃の苦労がしのばれて、ついご苦労さんと言ってしまいたくなります。
どの先生も苦労しているのだなあと、同業者ながら、頭の下がる思いになることもあります。
病気になったときぐらいは、ちょっと主治医にわがままを言ってみるとか、そんな自由があると良いのでしょうけどね。
まあ、あまりまじめにいじめられたら、こちらはたまりませんけどね。



7月X日


国会審議のビデオがインターネットで見ることができることは知りませんでした。
早速、挑戦してみました。

衆議院のホームページです。

私たちに関連の強い、自立支援法に関して、
平成17年7月1日に開催された、衆議院厚生労働委員会での障害者自立支援法案の審議が、インターネットで見ることができます。
収録時間が5時間5分なので、とても全部は見切れませんが。
一部を見るだけでも、国会の雰囲気はつかめます。




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