診療日記(2006, 6, 24更新)


この日記は、医院での診療の様子をお伝えするものです。ホームページを見て、受診した患者さんから、日頃の診察の様子や、医者がどんなことを考えているかがわかると、受診する時の参考になるということで、このコーナーを開設しました。



6月X日

団藤保晴の「インターネットで読み解く!」
医療崩壊が産科から始まってしまった [ブログ時評59] (2006/06/23)

紹介しておきます。関心のある方はご覧下さい。


6月X日

このごろ、ネットではパキシルの評判が悪いですねえ。
効かないとか、薬が抜けないとか。
麻薬だという人までいます。
あまりに良い薬だと宣伝されたので、反動が来ているのでしょう。
それに、ちょっと高すぎますしね。
精神科医の中には、発売後5年以上経たない薬は使わないという人も以前はいました。
それくらいしないと、薬の妥当な評価が決まらないからなのですが。
最近はインターネットの普及で、発売後すぐに薬を使って欲しいという患者さんが多いです。
「でもねえ、まだ出たばかりだしねえ。」などと言っていると、「遅れている。勉強が足りない。」と怒られることもあります。
しかし、コンピューターのOSでも、発売後すぐはバグがあったりするので、慎重な人は、発売と同時に買ったりはしませんね。
薬も同じ様な考えの方が、安全だと思います。



6月X日

シンドラー社のエレベーターの事故で、にわかにエレベーターの管理が問題になっています。
シンドラー社は、入札で安い値段を出して、受注を取ったという話ですが、
安全が無視されているとしたら恐ろしいことです。
安ければ良いと言うことで、点検管理も格安で、請け負うところが出ているようです。
その分、安全が無視される事になりそうです。
こんなやり方が社会一般の風潮になってしまったら、
本当に大変なことですねえ。
ちょっと、ぼやき気味ですが。


6月X日

「先生。
家族から精神科などに行くなと言われています。
どうしたらよいのでしょう。」

『世の中には、パチンコが好きな人もいるし、競馬が好きな人もいる。
釣りが良いという人もいる。
私は精神科が好きなんですという説明はどうですか。』

「精神科へ通っても、進歩が無いというのです。」

『進歩してどこへ行こうというのですかねえ。』

「やっぱり社会復帰して、稼ぐと言うことでしょうねえ。」

『それからどうなるのですか。』

「定年まで働いて、年金をもらってゆっくり過ごすのです。」

『では、途中を省略して、今からゆっくり過ごす方が、効率的ですね。』

「薬を飲むのは依存だと言われます。
早くやめたいです。」

『やめたら、うまくいかないので飲んでいるのだから、依存とは言えないねえ。』

「そんなことを言っても、頼っているじゃあないですか。」

『貴方は、毎日御飯を食べているでしょう。
御飯なしでは生きられない。
御飯依存ですねえ。
早く御飯をやめたいと思いませんか。』

「そんなことは思いません。」

『じゃあ、必要なものを無理にやめる必要はないね。』

「そんなことを言っていたら、一生病院から縁が切れないではないですか。」

『世の中というのは不思議なものです。
病院や主治医をほめたり、大げさに感謝する人から順番に、縁が切れていくものです。
ぶつくさ言っている人ほど長く縁が切れないです。』

「そんなものですかねえ。」

『味わい尽くすと心が離れるのでしょうね。
だからほめられると寂しいですね。
まあ、近いうちにこの人は来なくなると思いますからね。』

「いくら何でも、先生をほめる気にはなりませんよ。」

『では、あなたは、当分通院することになりますね。』


6月X日

『医療崩壊―「立ち去り型サボタージュ」とは何か』という本が話題になっています。
論じられているように、医療の崩壊が現実の問題になってきています。

少子化対策が必要だと言われているのに、産科医や小児科医のなり手が激減しています。
出産できる医療機関も減り続けています。
医療提供より、訴訟対策が先行しては、医療機関は成り立ちません。
根本的な問題は、万全に近いような医療水準を求めながら、同時にできるだけ安い医療費で、それをまかなおうとする発想にあるでしょう。
無駄を廃するという姿勢は、合理的かも知れませんが、限度を超えると、つじつまを合わせられない部分から制度の崩壊が起こってしまう。
現在の日本の医療はそういう状況にあるのでしょう。
おそろしいことです。
たぶん、一般の人には想像できないでしょう。
上の本をお読み下さい。

ある研修医の書いているブログを見付けました。
医学部の内情などがかいてあります。
読んでいると、ちょっとユーウツになりますね。


5月X日

産業医のお話をもう一つ。

産業医の仕事には職場巡視というものがあります。
職場をぐるぐると見て回って、安全面で問題のある部分を指摘するのです。
もちろん専門家ではありませんから、問題点などわかりません。
ところが、自然な感覚が重要なのだそうです。
現場を見て、あぶない、きたない、くさい等を感じたら、たいがい当たらず言えども遠からずだそうです。
おかしいなと思ったら立ち止まる。
一分止まると見えてくる。
工場の中で、産業医が立ち止まると、案内している職場の責任者が、これはばれたかと色々言い訳するそうです。
それで、大体問題点がわかるのだそうです。
全然わからないときでも、その後で30分考えるとわかるそうです。

わたしも以前は、患者さんの話を聞いていて、わからなくなると、
黙って考え込むことがありました。
よく考えると、わかってくることがあります。
しかし、あまりその手を使っていると、
患者さんから、「先生が診察中に寝てしまった。」
と言われることになってしまいました。
何事も、ほどほどですね。



(読者からのコメント)

私の職場では、産業医が面倒臭いからか、忙しいからか、この職場巡視を産業医はしておりません。
月1回職場巡視はあるのですが、社員にまかせきりです。
職場巡視報告は月1回安全衛生委員会という会議の場で報告され、産業医も参加が必須なのですが、
最近は安全衛生委員会にも産業医は出席されません。
忙しいからでしょうか?
会社から産業医の報酬はもらっているので、安全衛生委員会の出席ぐらいはして欲しいのですが、
私の職場の産業医は怠慢です。

(コメントのコメント)

産業医の実体はそういう所でしょう。
企業の要請を無視しいて職場巡回などを強行すると、やめてくださいと言われそうですし。
それでもこういう規定があると、労災が発生したときなどに、行政が介入する手がかりになるのでしょう。



5月X日

この日曜日は産業医の研修のために名古屋まで行ってきました。
産業医というのは、企業に雇われて、労働者の健康管理について助言するのが仕事です。
つまり、企業側の人間なので、働く人から信用されにくいです。
一方、企業側から見ると、面倒な注文をつける人です。
どっちからも、うさんくさく思われるので、仕事の能率もあがらないでしょう。
というわけで、経験者のお話を聞きました。

産業医は、アンコウの雄だというのです。
ご存じの通り、アンコウの雄は、雌にくっついて、一生を終わるのです。

*************

 産業医はアンコウのオス。

 巨大なメス(企業)から栄養(給料)をもらいながら、その見返りに必要な時にエキス(アドバイス)を提供する。

 アンコウのオスとしての悲哀。
・メス(企業)に逆らえない(行きたい方向はメスが決める)。
・メスの気分に振り回される(担当者が代われば方針ががらっと変わる)
・存在が小さくて時に無視される。
・メスが時として化ける。
・ミスマッチが良くおこる。耐えるのはオス。
・三年寝太郎。ダメなら離婚。

**************

なんだか、組織の中で生きる知恵みたいな感じですね。

というわけで、名古屋ではきしめんを食べてきました。



5月X日

私は、だじゃればかり言っているので、患者さんからはかなり顰蹙をかっています。
ところが、案外おもしろがっている患者さんもあります。

ある日のこと。
「電気にさわると、ビリビリときて、それをかんでんというでしょう。
これは、関西電力だからそう言うのかなあ。
だとすると、東京では、とうでんというのかなあ。」
とつぶやくと、ある患者さんが即座に言いました。
とうでんでしょう。」



5月X日

読者からのメールで、ホームページの誤字脱字を訂正しました。
自分で書いていると、気づきにくい傾向がありますね。
お気づきの方から、指摘して頂けると幸いです。
よろしく。



5月X日

診察中に、ある患者さんが言いました。
「先生疲れているでしょう。」
「どうしてそう思うのですか。」
「だって、先生は元気なときは、バカなことばっかり言っているでしょう。
今日は、まじめなことしか言わないじゃないですか。
疲れている証拠です。」
「う〜む。」


診察中に、ある患者さんが言いました。
「先生歌を歌ってください。」
「ええっ!
私は精神科医で歌手ではありません。
診察中にそんなことを言われれてもねえ。」
「しかし、先生の歌を聴いたら、私の病気も良くなるような気がするのです。
患者がこんなに頼んでいるのに、歌ってください。」
・・・
そして、私は説得されて、歌を歌ったのです。
リクエストは昭和枯れススキ。
こんな歌に癒しの効果があるのかなあ。
聞き終わって、患者さんは言いました。
「やっぱり、思った通りだ。
先生は歌が下手ですね。」



5月X日

先日、精神科専門医試験合格者証が送られてきました。
試験に合格しても、まだ資格はありません。
合格率は90パーセントぐらいらしいので、あまり自慢にもなりません。
資格が発効するのは、数年先なので、今は合格証だけです。
ところが、資格をもらっていないのに、更新のための研修ポイントが必要です。
ちゃんと勉強を続けるように、研修が義務づけられているのです。
それの一つの方法でしょう。
それにしても、いつもスタンプを集めないといけないので、ちょっと面倒です。

私には他に登録している資格は芸術療法士というものがあるだけです。
今の日本には50人ぐらいしかいない資格なのです。
これもポイント制なので、ぼんやりしていると資格を失ってしまいます。
あまり沢山の資格を持つと、研修の時間や費用もバカにならないでしょうね。
学会の参加者が増えて、学会の財政は安定するでしょうけど。

他に産業医の資格を取るように現在も勉強中です。
企業に勤めている患者さんに助言するとき、産業医の資格があったほうが、
良いかなあと思ったからです。
こちらもやはりポイントによる更新制です。



5月X日

ある日の面接の様子です。

『先生、このごろ調子が悪くて、寝てばかりいます。』
「そりゃ、よかった。」

(この時患者さんの表情ににっこりした笑顔が見えました。)

『元気が出ないのに、どうして良いなんて言うのです。』
「あなたは、ちょっと元気が出ると、頑張りすぎて、結局はダウンすることを繰り返してきたじゃないの。
調子が悪いことに気がつかなかった。
そして、行動をセーブできなかった。
それなのに、今は調子の悪いことに気づいて、何もしないことを選択している。
こりゃあ、進歩だよ。」
『そうかなあ。でも、それじゃあ、いつまで経っても治らないのではないでしょうか。』
「急いで、治る必要はないよ。」
『それは困る。早く治るように努力しなくては。』
「急ごうと、急ぐまいと、治るときは治る。
努力して治ると、努力したから治ったと思って、一層努力するでしょう。
すると、必ず再発しますよ。」
『じゃあ、努力しない方が良いのですか。』
「治らないのが一番です。」

(ここで、患者さんは一層にっこりしました。)

『そんなバカな。』
「治らないように注意していても治る時には、再発がないです。
治って喜んでいるようだと、失敗します。」
『そんなものかなあ。
先生の話は役に立ちそうもないので、もう帰ります。』
「まあ、ぼちぼちやってください。」



5月X日

診療所の関係団体から、精神科診療所で使っている薬のベストスリーが報告されました。

抗精神病薬。リスパダール、ジプレキサ、セレネース。
抗うつ薬。パキシル、トレドミン、ルボックス。
抗不安薬。デパス、ソラナックス、レキソタン。
抗てんかん薬。デパケン、テグレトール、アレビアチン。
睡眠薬。レンドルミン、マイスリー、ロヒプノール。

何の配慮もしていなくても、一般に使われている薬と同じような傾向で、
薬を使っているものなんだなあと思いました。
試行錯誤でも、みんな同じようなところに落ち着くものなのでしょうか。

私自身の感想を少し書いてみます。
抗精神病薬。リスパダールは使いやすいのですが、女性の場合、無月経になることが多く、困ります。
ジプレキサは肥満や糖尿病の人には使いにくいです。セレネースは副作用が強いので嫌われますが、切れの良さは否定できませんね。
抗うつ薬。パキシルはどうしてこんなに高いのでしょう。いつも患者さんにしかられています。トレドミンはあまり効いたという印象はありません。ルボックスは効果が出る前に、食欲低下、吐き気などでやめてしまう人が多いです。
抗不安薬。デパスは無難です。ソラナックスも捨てがたいです。レキソタンはやや特徴が乏しいような。
抗てんかん薬。デパケンをそううつ病の人にも使うことが多いです。テグレトールもそうですが、眠気を訴える人もいます。アレビアチン。
睡眠薬。ますはレンドルミンですか。マイスリーはちょっと高いです。ロヒプノール眠気が残るという人もいます。


5月X日

メールの方、回復しました。
サーバーの都合で、送信ポートを変える必要があったのに、
気づかなくて処理をしてなかったためです。


4月X日

どうしたわけか、いつも使っているメールサーバーの調子がおかしく、メールの受信はできるのですが、送信ができなくなりました。
色々やっていますが、原因不明です。
そのため、メールのご返事は、通常のアドレスを使わずにお送りする場合があります。
整理の都合上、医院からのメールのご返事は、返信とせずに、
bankyu@mbox.kyoto-inet.or.jp
のアドレスを入力してお願いします。
たぶん、遠からず復旧すると思いますので。


4月X日

100000人目の達成者が判明しました。
達成も4月12日午前6時54分と判明しました。
ご協力ありがとうございました。




4月X日

ホームページのカウンターがいつの間にか、100000人目を越えていました。キリ番ゲットの方は不明のままです。
90000人目の方にプレゼントとしていましたので、お知らせが内もかも知れません。
次の110000人目の方は、必ずお知らせ下さい。
それにしても、1万人を越えるのには、大体半年はかかっていましたが、今回はどうしたわけか、二ヶ月少々となっています。
どういう秘密があるのでしょうか。



4月X日

医院のデイケアから、植物園へお花見に行きました。
暖かく晴れて、絶好の花見日和でした。
植物園へ入園するとき、老人のグループが団体で受付をしていまいた。
何か、小さいカードを見せると、無料で入れるらしいので、皆さんカードを手にしていました。
その中の、一人が、「あかん、あかん、これはあかん。」と言われていました。
話の内容が聞こえてきたのですが、「診察券を出してもここは入れんよ。」と言われていました。
いつも、医療機関を利用していて、窓口と言うこと、反射的に診察券を出してしまったんでしょうか。

そう言えば、高校生の時、すし詰めのバスで学校の通っていて、ドアが開いたととたんに、反射的に定期券を出す生徒がいて、あるとき、デパートのエレベーターがすし詰めで、ドアが開いたとたんに、反射的に定期券を見せたという話がありました。
条件反射は怖いですね。


4月X日

年度替わりで、医院のスタッフにも異動がありました。
退職した人が二人、新しく勤めた人が二人。近いうちにスタッフ紹介に載せる予定です。
一緒に働いた人がさっていくのは、寂しいですね。


4月X日

4月1日から障害者自立支援医療が始まりました。
混乱を予想していたのですが、初日が土曜日だったこともあって、大混乱ではありませんでした。
直前になって、京都市の国民健康保険を利用している方は、今年11月までは窓口負担がなしということになって、やれやれです。
ただし、直前までどうなるかわからず、説明不足になったのは、確かです。
窓口のでの負担限度額が、手紙で知らされるということだったのですが、4月1日になっても、お知らせの届いていない人もあり、相当混乱しました。
ともかく、暫定的措置が多くて、今後どうなっていくのか、心配する向きも多いです。
作業所の利用料など、「応益負担」がかかってくると、作業所へ行くより、家で寝ている方が良いという患者さんも出てくるでしょう。
実際に、自立支援医療になったとたんに、通院をやめた患者さんもあります。
障害者手帳の有無で、負担上限額に大きな差が出てきて、手帳を取るのが嫌だから、いっそうのこと、通院もやめてしまおうというのです。
本当に状態が改善している人で、一つの区切りになっただけなら良いのですが。


3月X日

あるサイトで見たのですが、世界の風力発電事情だそうです。


世界の風力発電能力(2005年末)
1 ドイツ  1842 万kw
2 スペイン 1002 万kw
3 アメリカ  914 万kw
4 インド   443 万kw
5 デンマーク 312 万kw
6 イタリア  171 万kw
7 イギリス  135 万kw
8 中 国   126 万kw
9 日 本   123 万kw
10 オランダ  121 万kw

石油を湯水のように使うと言われているアメリカより、
日本の風力発電量が少ないとはびっくり。
それにしても、ドイツは日本の十倍以上ですね。
これは、環境保護の精神から来ているものなんでしょうか。
興味を感じました。


3月X日

この前の診察で、最初から歌い出した人がいました。
お得意ののどなんでしょうね。
相談したいことや打ち明け話より、ともかく歌だというわけですね。
まあ、そういうのも良いですねえ。
あまりの熱唱ぶりに、思わず「録音します。」と録音しちゃいました。
そうしたら、次の診察では、これを聞いてくださいと、自分の歌を吹き込んだカセットテープをどっさり持ってこられました。



3月X日

自立支援法の切り替えの書類受付が、3月10日締め切りだったので、診断書作成も一段落です。
やれやれ、これで事務作業も少しは減るかという感じで、今日はのんびりしています。
それにしても、あいにくの雨で、外出するのもちょっとおっくうですね。
一雨ごとに春らしくなって、街の中を歩くと、庭先の梅の花に振り返ってしまう、今日この頃ですね。



3月X日

ネタ帖第二弾です。


【その1】
剃毛切開。
(コメント)
手術の前には剃毛ですね。
帝王切開の前もやはり、剃毛ですね。
小学校の時などは、虫垂炎の手術の前に看護婦さんに剃毛されということが話題になっていました。
どういうふうにやるのかというのが下ネタですね。
剃毛や消毒が術後感染の予防になることを発見する話の本が講談社文庫にありましたね。
『外科の夜明け』でしたか。


【その2】
カレーの臭い、加齢臭。
(コメント)
いかにも、カレー一筋に人生をかけたという感じですね。
しかし、「かれい」の漢字変換の候補は、
佳麗、華麗が最初に出てきます。
加齢というのはちょっとお疲れかな。

【その3】
サラミ・ストリート。
(コメント)
サラミソーセージが敷き詰めてある道路でしょうか。
ちょと、歩きたくないですね。
滑って転びそう。
サラミテクニックというのをご存じですか。

【その4】
エンパーマネント。
(コメント)
永遠の効果のあるエンパワーメントですか。
マネとくると、私は反射的にマネキンを連想しちゃいます。
だから、エンパーマネキン。
マネキンと言えば、当然招き猫です。

縁パワーマネキン猫

これで、縁側で猫と昼寝をしたら、永久にエンパワーメントされるというイメージのできあがりですか。

【その5】
放浪癖あるホーローカップ。
(コメント)
琺瑯引きというのは、行方不明になることを運命づけることになるのでしょうか。
知りませんでしたね。
ホームページに「看板琺瑯記」というのを見付けましが、
データがリンク切れでした。
ホームページも琺瑯するのかな。
失礼、放浪でした。


2月X日

これまでの私の考え方は、医院での仕事を家に持ち込まないということでした。
医院の仕事は医院で終えるということです。
ところが、今度の障害者自立支援法の診断書書き込みはとてもそれでは追いつきません。
毎日10〜20通の診断書を書いているのですが、とても追いつきません。
しかたなく、家に持ち帰って、日曜日に仕事をしています。
こんなことになるのは、厚生労働省も無理なことをやっているという証拠でしょうね。

患者さんの話のよると、自立支援法の説明文書が急に送られてきて、びっくりした人も多いです。
おまけにその内容が、法律用語をよく知っている人ならともかく、とてもわかりにくい文書です。
中には、精神障害の他に、知的障害や身体障害を持って、そのための制度を利用している人もあります。
ところが、そういう人のところに送られてきた文書が、いくら読んでも内容がわからないそうです。
本当に、拙速で、無理なやり方だと思います。
色々な影響がこれからどんどん出てくるのではないでしょうか。
心配な限りです。



2月X日

ある患者さんから貴重なネタ帖を見せてもらいました。
適宜紹介して行こうと思います。
それにしても、何事にも研鑽は必要なものですねえ。
単なるだじゃれと流すなかれ。
これも人知れぬ精進の表れかも。

【その1】
太田胃散は世界遺産。
(コメント)
「太田胃酸は正解胃酸」でないところがコマーシャルの域を超えています。

【その2】
林道に竜胆の花が咲く。
(コメント)
美しいのですが、ナンセンスの美がありませんねえ。
「林道には竜胆の花が咲き、歩道にはほどほどの花が咲く。」

【その3】
宝来オーライ。
(コメント)
いかにも中華料理に舌鼓という感じですねえ。舌鼓の監事。

【その4】
ここはココアです。
(コメント)
喫茶店ネタですね。「紅茶はこっちゃへ」のたぐいですね。

【その5】
爪切ってから詰め将棋。
(コメント)
詰めきったら、詰め将棋はおしまいですねえ。
「本降りになって出て行く詰め将棋」

【その6】
エディット・ピラフ
(コメント)
ダイエット・ピラフの方が女性に人気が出そう。

【その7】
ベットの送料は別途いただきます。
(コメント)
「ベットの送料は別途で候」

【その8】
妄想竹。
(コメント)
孔子や老子を尊重するのではなく、孟子や荘子だけを重視するやり方。
孟荘だけ。
そうではなく、妄想にしか興味がないのかも。
もうそれだけ、孟宗竹。


2月X日

自立支援法の診断書書きで、四苦八苦しています。
それにしても、急な制度変更なので、いろいろと不都合は出てくるだろうと思います。
ところで、京都市は、独自に自己負担軽減措置を取ろうとしていますが、その条件が障害福祉手帳所持者となっているので、そのことを知らないと、混乱してしまうのではないでしょうか。
京都市の独自の軽減があるからと油断していると、びっくりすることになるかも知れません。
ご注意下さい。
わからない方は、受診の際に医院の窓口で尋ねてください。

京都市のこころの健康増進センターには自立支援法の案内のページがありますから、ご参考にしてください。


2月X日

今日は休日ですが、産業医の研修で大阪まで出掛けました。
医師会の産業医研修を50時間受けると産業医の資格がもらえます。
最初はあまり関心がなかったのですが、職場のメンタルヘルスに関わっていると、産業医の資格があった方が良いかなと思って、診療の合間に講義を受けています。
実習があったり、講義があったり、たまには学生に戻って勉強するのもよいものです。
今日は主に、実習でした。
印象に残ったのは騒音性難聴のはなし、ウオークマンで一日一時間ぐらい大音響で音楽を聞いていると、人によっては一年ぐらいで難聴になるそうです。
医学部の学生で、通学の途中に電車の中で、ウォークマンを聞いていたら、聴診器で心音が聞き取れなくなっている人がいるとか。
カラオケも大音響はいけないそうです。
お互いに気をつけましょう。
 

2月X日

 最近、通院中の患者さんが、身体の病気などで救急病院を受診して、現在の処方内容を伝えたところ、「薬が多すぎる。」「そんな医療機関は問題だ。」と簡単に言ってしまう医者が多いように感じられます。
救急の状態では、あって当然の不安、緊張状態にあるので、精神症状が一時的に改善することも多いです。
大量の精神科の薬物を中断しても、精神状態に変化がないこともあります。
その一時的な状態を見るだけで、精神科の薬は必要ないなどと断定的なことを言われると思わぬ影響が出ることがあります。
こんな医者にはもう受診するものかと思ってしまう程度なら良いけれど、もう医療にはかからないとまで思う人が出ると大変です。
昔は、医者同士、主治医の悪口はあまり言わないものでした。
医療そのものへの信頼が傷つけられることを恐れるのが常識でした。
ところが、そういうことが、仲間のかばい合いのように感じて、はっきりした批判をするようになったのかもしれません。
最近の傾向が必ずしも患者さんにとってよいことかどうか、疑問に思うこともあります。


2月X日

このごろ、どういう訳か、抗うつ剤の効能書きに、服用すると自殺の危険性が高まるという注意が見られるようになった。
もともとうつ病には自殺の危険性があるので、回復期の自殺に気をつけることは、精神科医の常識である。
それなのに、ことさら、抗うつ剤に自殺の危険性を明記するのはどういうことなのか。
製薬会社の責任逃れというだけのことなのか。
最近は、インターネットで処方薬を検索する人が多いので、こういう注意書きがどういう人に、どういう影響を与えると考えているのか、本当によくわからない。
薬の効能書きは、治療にあたる医者むけの文書なのだろうが、現実にはそういう性質を抜け出してしまっている。
そのあたりにもっと工夫が必要になっているのではないだろうか。



2月X日

医院のホームページを見ている方には、いつも感想をお願いしています。
最近いただいたご意見に、
「目次のページが縦に長すぎる。もっと短くしたほうがよい。
スクロールが長いと疲れる。
最初のページはピンクが良い。」
というご意見がありました。
それで、少し調整してみました。
どうでしょうか。
皆さんのご意見をお願いします。



2月X日

この冬は寒いのか、医院の待合い室に置いておいた、観葉植物がずいぶんと枯れてしまいました。
ほとんどが、医院を開設したときに、プレゼントしてもらったものです。
北山通りに医院があったころには、寒さで枯れるということはありませんでした。
先端の葉っぱから枯れてきています。
暖かいところに置いておけば、また復活するのか、それともこのまま枯れていくのか。
見極めがたいままに、待合室に置いていますが、枯れ木を並べているようで、どうもなあと感じています。
でも、「そのうち生き返りますよ。」と言ってくれる患者さんもありますので、もう少し様子を見ます。
そもそも観葉植物は、本来熱帯地方のものが多いでしょうから、雪が降るような地域に持ってくるのはおかしいのかもしれませんね。


1月X日

精神科専門医制度の試験を受けました。
試験を受けるというのは本当に何年ぶりでしょうか。
一次試験が、レポートで、二次試験はそれを素材にした15分程度の口頭試問でした。
試験の期日が土日とわかっていたのですが、最終期日は、2週間ほど前にならないとわからないということでした。
それで、予定日の28日、29日は休める体制にして、28日は休診にしました。
結局29日になったのですが。

試験は合格なのか、不合格なのか、いずれにしても、精神科専門医を名乗れるのは、あと数年かかります。
受験資格のある人がすべて受験して、合格者を発表してから、専門医を名乗れるらしいです。
不公平を予防するためらしいです。
精神科医も4000人ぐらいはいますから、それらの人が全部受験を終わるには、数年かかってしまうのです。
それで、私が合格したかどうかを正式発表するのは、数年後のことになります。

まあ、試験の内容は、高度なものではなくて、ちゃんと臨床をやっているかどうかを確認するようなものでした。
そういうわけで、合格しても精神科医の専門的知識を持っているという称号と言うより、それなりに地道に診療を行っているという証明みたいなものでしょう。
専門家と言うより、臨床家に近いのではないでしょうか。


1月X日

自立支援医療の情報が少しずつ入っています。
精神保健福祉法32条では、外来医療費の自己負担が5%になっていましたが、国民健康保険であれば、自治体がその5%を負担して、実質負担 0の人がかなりありました。
京都市もそうした自治体の一つでした。
こうした制度によって、精神科のデイケアが病院だけでなく、診療所にも広がることができました。

それが、今度は本人の10%負担となり、自治体の肩代わりが継続されるかどうか、まだわかっていません。
自治体によっては10%肩代わりを決めたようですが、京都市の情報はまだありません。
(埼玉県の朝霞市、志木市、新座市、和光市などは平成18年度の助成を10%分で行うことを決定しているそうです。)
いずれも、家族会からの強い要望によるものだそうです。


今年は、小規模作業所の利用者負担も始まりそうで、障害者にとっては、社会資源の利用がむつかしくなっていきそうです。何とか、自治体からの援助を継続してもらいたいものです。



1月X日


HPのカウンターを見ていると、訪問者が減っています。
これまでは6ヶ月で1万人の訪問がありましたが、
今回は7ヶ月経ったのにまだ一万人に達していません。
やはり、内容の更新が少ないからだろうなと思います。
今日は、リンクコーナーの接続をチェックしました。
いくつかリンク切れがありました。
気がついたら一年ぶりのチェックでした。
毎度のことですが、メンテナンスにも、せいぜい努力したいものです。

できれば、おたよりが欲しいですね。
やはり、反応がないと、更新する意欲も減ってしまいます。
それと、読者の希望がわからなくなってしまうのです。
では、どうぞ、よろしく。



1月X日

インターネットのお話の続きです。
京都市では、この一月から図書館の図書予約がインターネットでできるようになりました。
京都市図書館のHPで京都市内の図書館にある本を検索して、そのまま予約して、最寄りの図書館で受け取ることができます。
予約の確認や、確保はメールで知らせてもらうことができます。
便利になったものです。
これじゃあ、本を買う必要もなくなりました。
専門書ではそうはいきませんが、一般書ならほとんど間に合ってしまいそうです。
本が売れなくなるなあ、すると出版される本も減るなあと、心配してしまいますねえ。


1月X日

最近は、インターネットで種々の情報を入手することが可能になっています。
薬の情報も、簡単に手に入ります。
そのため、医院を初めて受診する人の中には、自分で診断を下して、処方内容まで決めてから受診する人も有ります。
とんでもない診断と処方を考えてくる患者さんもあるが、中にはうなるような見立てをしてくる人も有ります。
おかしな処方を考えてくる人には、それはまずいですよと説得します。
すぐに分かってくれる人も有れば、あくまで自説を譲らない人も有ります。
最初は、論争をしてみたが、説得できないことも多いです。
睡眠薬の大量希望とか、リタリンを名指しする人は問題外としても、薬が禁忌でない限り、言われるままに出すことが多くなりました。
最初から文句ばかり言う人は、最後まで文句を言って、ケンカ別れする人と、最終的にはコミュニケーションが取れて、良い治療関係が作れる人に二分されることがわかったからです。
その人が、どちらになるかは、いくら観察してもわかりません。
逆に、良い関係で始まった患者さんが突然来院しなくなることもあります。
半年ほどして、引っ越ししていましたというメールが来ることもあります。
何も連絡がないと、今日あたり受診してくれないかなあと思うこともあります。
精神科医は人の心を見抜く力を持っているのではないかと期待する人もあるが、現実はそういうことからは程遠いものです。


1月X日

学会の用事で東京へ行くと、大概は本郷あたりのビジネスホテルを利用します。
朝食は、地下鉄本郷三丁目駅近くの、麦という名曲喫茶で取ることにしている。
入り口には、音楽会のポスターが貼られているので、その方面の趣味であることが一目瞭然です。
モーニングサービスが、コーヒーにトーストがついて、ゆで卵、サラダがおまけで、370円。
お客は、近所のおじさんやおばさんで、のんびり新聞を読んでいます。
音楽は、昔々の名曲喫茶の乗りだ。とても最先端都市の雰囲気ではありません。
昭和30年代かなあ。そういう雰囲気にほっとします。

以前は、よく神田の古本街を歩いたものです。
一日歩いていても飽きません。
昼は「いもや」という天丼の店を利用していました。
エビとキスのテンプラに、野菜がついて、500円でした。
それにシジミの味噌汁がついています。
揚げたてのテンプラをその場でご飯に乗せるので、それはおいしい。
腹ごしらえをして、夕方まで本屋を覗いてまわる。充実の一日だった。
最近は、ネットの検索を利用して、古本屋にそれだけの時間をかけることはなくなりました。
本の背表紙を見ていて、思わぬ掘り出し物を見つける楽しみがなくなったのは、ちょっとさびしい感じです。


1月X日


福祉関係の人達と話をしたら、今年の展望として、これからどうなるのだろうという話が多かった。
自立支援法がこの4月から実施されることになっています。
その影響がどう出てくるか、そこへの危惧が強いのだろう。
それだけ不透明な時代だということだろう。
最近の新聞には、これからの日本が格差社会になっていくだろうと言うことが、
確実性の高い予想として書かれています。
格差社会になれば、誰より先に息苦しさを感じるのは、障害者だと思う。
それを思うと、暗然たる思いになってしまう。

新年にはふさわしくない話題だったかも知れませんね。


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