診療日記(2006, 12, 28 更新)


この日記は、医院での診療の様子をお伝えするものです。ホームページを見て、受診した患者さんから、日頃の診察の様子や、医者がどんなことを考えているかがわかると、受診する時の参考になるということで、このコーナーを開設しました。



12月X日

障害者自立支援法については、色々批判をしてきましたが、
一方で、地道に実践を重ねている人たちもいますし、
工夫している人たちもいます。
そういう成果に耳を傾けることも必要です。
休みの日を利用して、インターネットを調べていて、

「自己実現と社会的貢献を両立する作業所ビジネス」

福祉ベンチャーパートナーズ

というものを見付けました。

不満な点もありますが、作業所の作業をちゃんと考えようとする人がいると言うことは、
頼もしいですね。


12月X日

とうとう、今年の診療も終了しました。
最期まで、どたばたして、締めくくりという気分ではありません。

年末年始は、診療がありませんので、ご迷惑をおかけします。
どうぞ、みなさま良いお年をお迎え下さい。
ちょっと、早いですが。
では、来年もよろしく。


12月X日

あてもなく、インターネットを見ていると、
結構おもしろいものがあります。

手間もかかったでしょうが、
アイデアですね


12月X日

診察の合間に、トイレに入ったら、ドアの前に誰かが立った気配。
しばらくして、声がかかった。
「先生そんなところで、何してるの。」
「何って、トイレならすることは決まっているでしょう。
「私の診察は何番ですか。」
「こんなところまで、わざわざ聞きに来なくても良いでしょう。」
「早くでてきてください。診察を待っています。」
「ちょっと待って下さい。」

そういうわけで、落ち着いてトイレにも行けません。

トイレを出て、患者さんに苦情を言った。
「ちょっと、いい加減にして下さいよ。」
「先生のおしっこの音を観察していたのです。
おしっこの音が小さいので、膀胱炎じゃないですか。
私は心配しています。」

う〜ん。そうくるか。


11月X日

最近、診察の時間に「結婚して下さい。」と言い出す人がいて、困っています。

「先生結婚して下さい。」
「どうして、そんなことを考えるのですか。」
「先生はもうけているようだから、結婚したら生活が安定しそうです。」
「貴方にとって、結婚はそういう理由でするものなのですか。」
「将来の不安がありますから。」
「でも、私はもう結婚しています。」
「駄目ですか。なんとかなりませんか。」
「それに、結婚というのは男と女がするものでしょう。私と貴方は男同士でしょう。」
「そんな常識に縛られてはいけません。」
「しかしねえ・・・・」

男性からプロポーズされたのは初めてです。


11月X日

精神科医も30年ぐらいやっていますので、色々な人に会ってきています。
10〜20年前にも同じような患者さんがいたなあと思うこともあります。
似たような症状の人の場合もありますし、似たような年齢、生活、しゃべり方、職業や出身地のこともあります。
長く医者をやっていると、治療がいつでもうまくいくとは言えません。
病気が重かったり、色々な偶然の要素もあります。
しかし、それだけではなく、こちらの側の経験不足や、知識不足、多忙や健康の具合によっても、至らぬことがあります。
特に、気まずい思いをして、治療が中断した場合や、突然、理由無く中断なってしまった場合など、いつまでも気になってしまうこともあります。
そんな時に、「あの人の再来じゃなかろうか。」と思うくらい、似た患者さんがやってくることがあります。
そういう時は、知らないうちに、親切にしてしまったり、気を使ってしまったりします。
そんなことをしても役にも立たないのですが、何だか罪滅ぼしみたいな気分ですね。




11月X日

この前、姫路の家族会で講演をしました。
不安についてという題だったのですが、印象を強くするため、
ムンクの絵をスライドにして使ってみました。
解説していて、どこかで見たような光景だなあと思っていたのですが、
後からマッド・アマノの自画像だと気づきました。

なるほど、そういうことだったのかと感心しました。


    


ムンクの説明はここで見られます。ムンク美術館の日本語の説明はしびれます。
癒しの文字ですねえ。
マッド・アマノの説明はここです。



10月X日


ある患者さんが、受診予定日を一日遅れてやってきた。
薬を出すことにして14日分の処方を書いた。
すると患者さんが、「昨日の分はどうなりますか?」と聞いた。
「昨日はもう過ぎたし、昨日の分の薬は良いじゃないですか。」と答えると
「それは困る。昨日の分の薬をください。」と怒られた。
私は「今日は今日の分を飲んでおけば良いです。二日分飲む必要はありません。」
「二日分飲むのではなく、昨日の分です。」
こんがらがって、訳がわからなくなった。
言い合いをしているうちに、患者さんがある程度の分量の薬を、予備に置いていることがわかった。
昨日の分といっていたのは、予備の薬が一日分減ってしまうことへの不安を意味していたのだった。
やっと理解できて、「昨日の分の薬」も出すことができた。

そのことをスタッフと話していて、理解しにくかったことに触れると、ある人から「そんなこと、ちょっと考えれば、すぐに分かるでしょう。」と言われた。
「そうかなあ、頭の柔軟性が減っているのかなあ。」
「そうです先生。機能障害(昨日の障害)です。」とだじゃれまで奪われてしまった。



10月X日

医師会の産業医の登録証が送られてきました。
私も産業医というわけです。
診療の合間に、研修会に出たかいがあったというものです。
産業医になったからといって、それでどうというわけではありませんが、企業に勤めている方の休職をめぐる判断などには、少しは発言内容に説得性が出るのではないかと、勝手に想像しています。



10月X日

最近まで、次のようなニュースが新聞をにぎわせていました。

「奈良市の環境清美部収集課の男性職員(42)が、病気を理由に休暇、休職を繰り返し、01〜05年の5年間で8日しか出勤していないことが分かった。
今年は1日も出勤していないが、給与は満額受給。」

随分と叩かれています。
こういう報道があると、こころの病気で休職中の公務員の方から、自分の休職が取り消されるのではないか、平日に外出していると、問題視されるのではないかという不安が述べられます。
こころの病気で、休んでいる人は、それでなくても、後ろめたい気分を感じている人が多い。
こういう報道がされると、気にするのは当然です。
十分回復していないのに、復職しようとする人が出てきそうで心配です。
早く、総理大臣あたりから、「人生いろいろ、公務員もいろいろ。」とか言って、そういう不安を打ち消してもらいたいものです。
無理なら、前の総理大臣でも良いですね。
まだ、発言力がありそうですから。



10月X日

2001年9月11日の同時多発テロをめぐる映像で、アメリカのあり方に、ひとつだけ感心したことがあります。
それはテロの報告を受けたときに、大統領が小学校の授業を見学していたというところです。
日本だったら、総理大臣がそういう報告を聞くのは、高級官僚をあつめた会議中、料亭での要人との懇談、官邸で陳情をうけていたということになるのでしょうね。
それでなければ、与党幹部や有力支持者とのゴルフでしょうか。
日本の学校では、総理大臣が小学校の授業参観をするということなどないそうです。
文部大臣もないそうです。
知事や市長がそんなことをすることもないそうです。
つまり現場を見ようとか、触れようとかしないらしいのです。
それでいながら、教育の問題をあれこれ言っています。
現場責任者でもない、優等生官僚からのレクチャーを基礎に問題を論じています。
そういうことらしいです。
文部大臣が、どこかの小学校に、それも一番問題の多いところに、一週間張り付いてみるとか、自分も授業を受け持ってみる、不登校の家庭を20〜30軒回る、学級崩壊の小学校の運動会や文化祭にお忍びで参加する、そういう実践をすべきだと思います。
そういうこと抜きに、教育基本法改正だとか、管理強化だなどと言っても、現実遊離がひどいでしょう。
時間が経ってみると、混乱を拡大しただけということになるのではないでしょうか。

厚生労働大臣が、一度でももっとも遅れた府県で、強制入院を体験する。
平均在院日数の長い病院で、一晩、保護室に泊まる。
あるいは、一日作業所で内職をして、200円もらうという体験をしたら、精神医療福祉の視点も変わるのではないでしょうか。



10月X日

またまた、暗いニュースです。

「医療制度改革関連法に盛り込まれている、長期療養の高齢者らが入院する療養病床削減について、日本医師会は25日、現時点で削減を断行すれば4万人近い患者が退院後に行き場のない「介護難民」となる恐れがあると分析した調査結果を公表した。」


日本もアメリカ並みに、病院が患者を道ばたに捨てる時代が来るのでしょうか。
カリフォルニア州には「ホームレス遺棄禁止法」なんてものがあるそうです。

現在の日本で起こっていることは、明らかに国民皆保険制度の解体です。
気がついたときには、貧しい人は満足な医療も受けられず、
道ばたで死ななければならない社会になっているのではないでしょうか。
日本もそのうち、「自立支援強要禁止法」なんてものが必要になるかも知れません。


10月X日

今日は、診察に来た患者さんが、メモを机にバーンと置きました。
見ると、「主治医を変わりたい理由」と書いてあります。

「 ・患者の話を聞いていない。
 ・態度が冷たい。
 ・こころの病気がわかっていない。
 ・断定的な話をしすぎる。
 ・話をしているときに、目をそらせる。
 ・・・・・」

と事細かに書いてあります。
いつもはおとなしい人なので、メモの内容に驚きました。
こんな風に考えていたのかと、ふと考えてしまいました。
指摘されることも、その通りなのかも知れません。
「先生はどうおもいますか?」
そう聞かれて、思わず「う〜ん。」とうなってしまいました。
それから間をおいて「これは問題ですね。」と言いました。
「そうでしょう。ひどいですよ。」
「何とかしなければね。」
少しは話し合えそうな感じなので、やれやれとしました。
「まったく、外科の先生は、精神科のことなどわかっていないのですよ。」
えっ、外科の先生?
私のことではないのか。
そんなまぎらわしい言い方をしないでほしいなあ。

しかし、時間を置いて考えると、外科の先生を材料にして、
私のことを指摘していたのかも知れません。
やはり、反省は必要です。
批判されると、ビックとするのですから、後ろめたさがあるのでしょう。
人ごとと思わずに、振り返っていきたいものだと思いました。



10月X日

今日のニュースに
<生活保護>母子家庭、高齢者世帯に新制度」というのがありました。
「母子家庭など就労可能な世帯と65歳以上の高齢者世帯とに分け、就労可能世帯には最大5年間を限度とする就労自立支援のための有期保護制度を創設し、高齢者世帯には金銭給付を中心とする。」
というのです。
言葉は何やら良さそうですが、母子家庭は5年間の期限付きにするということと、
高齢者は自宅を担保にして、お金を出すという制度らしいです。
新制度というけれど、生活保護制度を使いにくくするのが、ねらいのようです。
そうしたねらいが、「自立支援」などと名付けられるのですから、困ったものです。
どう見ても、「自立支援」とは税金を使わせないようにするということのようです。

私は「国会議員・高級官僚自立支援法」というはどうかなあと思っています。
国家議員や高級官僚は定年後10年間は日本に住んではいけない。
年金ももらえない。
どこの国に住むかは、抽選で決定し、変更できない。
収入があれば一定額は日本の国家に寄付する。
まあ、そういう制度を作れば、高級官僚は、どこの国に行っても、
経済的に自立できる視野、能力を持つ必要があるので、
国際感覚もできるし、スキルも磨かれるでしょう。
特定の国を無意味に攻撃することもなくなるでしょう。
弱い人の自立ばかりではなく、能力のある人を一層伸ばすことも考えてもらいたいですね。



10月X日

過労死のことにちょっと触れましたが、今度、厚生労働省は労働時間の規制緩和を考えているようです。
こんなことになると、またまた過労死が増えてしまいますね。
一体何を考えているのでしょうかねえ。



10月X日

「国境無き記者団」という団体の、国別の報道自由度が発表されています。
日本は51位です。
立派とは言えませんね。
1位には、
フィンランド、アイスランド、アイルランド、オランダがならんでいます。
なんとなく頷けます。
意外なのは、東欧圏の国が上位に入っていること。
10位以内に、チェコ、エストニア、スロベニア、スロバキア、ラトビア、ハンガリーがあげられています。
他に意外な感じなのは、16位のボリビア、19位のボスニアヘルチェゴビアなどでしょうか。
隣国では韓国が日本よりはるかに上の31位、台湾も日本より上の、43位です。
日本の近くにはイスラエルが50位。
アメリカは53位なので、自由の国より日本が高いので、自慢できますかねえ?
他に隣国としては中国が163位。
ロシアは147位です。
国連の常任理事国のなかで一番良いのは、イギリス27位。
このランクだけ見ても、日本の自由度が国際的な評価に耐えない物だと言うことが感じられます。
ちょっと考え込んでしまいますね。





10月X日

インターネットで、
「厚生労働省は23日、今年4月から障害者の福祉サービス利用料が原則1割の自己負担になったことを理由に利用をやめた人の割合は0.39%にとどまっているとする調査結果を発表した。」
というのですが、これってとても信じられませんね。
現実の印象とは、違っています。
どういう根拠なのでしょうか、不信感を持ってしまいます。
私の医院でも障害者自立支援法を機会に、通院をやめた人が何人もいるのですから、上の数字はとても信じられません。
何が本当なのか、厳しく見ていく必要があると思います。



10月X日


北朝鮮の核実験について、面接の場面でも問題になっています。

ある患者さんが言いました。
「こんな重大な問題が起こっているというのに、新聞休刊日というのはどういうことですか。
政府は新聞社に命令して、臨時に発行させるべきです。」


ある患者さんが言いました。
「北朝鮮の核ミサイルが日本に飛んでくるのかなあ。そしたら日本と北朝鮮も仲良くなりますね。」
「それはどういうことですか?」
「アメリカが日本に原爆を落としてから、日本とアメリカが仲良くなったでしょう。同じ事です。」
「そんなこと言っても、被害が大変ですよ。」
「日本人はたくましいから大丈夫です。広島や長崎があっても、乗り切ったのですから。」
「???」


ある患者さんが質問しました。
「先生は北朝鮮の問題をどういう風に解決したらよいと思いますか?」
「そうだねえ。じゃんけんなんかはいいのじゃないかなあ。
北朝鮮の子供11人、アメリカの子供11人にじゃんけんをさせる。
北朝鮮が勝ったら、アメリカは米朝二国間協議に応ずる。
アメリカが勝ったら、北朝鮮は6カ国協議に応ずるというのはどうでしょう。」
「北朝鮮の子供が負けたら、収容所送りになるのではないでしょうかね。」
「そういう事になる前に、選手には、将軍様の一族が登場するかも知れないねえ。なにしろ国家の浮沈をかけるのだからね。」
「応援団はよろこび組でしょうか。アメリカはどうなるのでしょう。」
「チアリーダーの格好をしたプレイメイツが出てくるのかなあ。」
「そんなことより、早く診察して下さい。」
「はっ、はい!」



10月X日

先日、受診された患者さんから「時間外勤務が80〜100時間なんて普通ですよ。150時間を超えると大変だなあと思うぐらいですね。」と指摘されました。
「80時間を超えると、タイムレコーダーを押して、その後はサービス残業にしているから、実際の労働時間はどこにも記録されていませんよ。」
職場の状況に対する、私などの認識不足なのでしょう。
しかし、それだけ働かされて、ぼろぼろになってしまった人を職場復帰させるとしたら、それこそ至難の技だと思います。
毎年3万人の自殺者が出て、とくに現役のサラリーマンや技術者の自殺が多いので、厚生労働省あたりが力を入れて、精神科医向けのメンタルヘルス講座がたびたび開かれています。
そういうのに参加していると、100時間など問題外と言った雰囲気です。
ところが、「150時間ならちょっと。」という現実があるのだとすれば、そういう講座での話は、建前のこと、理想論ということになってしまうのでしょう。
恐ろしいことですねえ。
この前は「家を出て出勤するのが午前7時。家に帰るのは午前1時か2時。」という人がやってきました。
それを聞いて、絶句してしまいました。




10月X日

最近の外来には、時間外勤務が月に80〜100時間という人が時々やってきます。
それこそへとへとで、過労死寸前。
うつ症状を来して、将来を悲観するあまり、衝動的に勤務中に窓から飛び降りても不思議でないような状態です。
どうしてそこまでして働かなければならないのか。
「命あっての物種でしょう。」と言ってしまいたくなります。
そんな人がやってくるようになったのは、ここ1〜2年のことです。
過労死の注意が職場に行き届いて、受診が促されているのでしょうか。
それとも、そういう状態になるまで、働かざるを得ない状況なのでしょうか。
何故か、暗澹たる思いになってしまいます。
職場の上司は、部下がそういう状態であることに気づいていないことが多いように思います。




10月X日

ブッシュ大統領が2002年に成立させた「NO CHILD LEFT BEHIND ACT(落ちこぼれゼロ法案)」は、実質は軍隊からの落ちこぼれを防止する法案だったようだ。
全米の学校は生徒の個人情報を米軍に提出する事が義務づけられました。
拒否すれば助成金がカットされるので、貧しい地区の学校はやむなく従うしかないのです。
情報のなかから、成績の悪い生徒をリストアップして、軍隊への勧誘の情報にするのです。
「落ちこぼれゼロ法案」と言った聞こえのよい、法律が実際は軍隊勧誘法であるとは。
「再チャレンジ可能社会」というのも、「自衛隊入隊で戦地へGO!社会」になるのではないでしょうか。
「障害者自立支援法」なども言葉としては良いように聞こえるけれど、「自立」への意欲のない障害者は生きる価値無しというつぶやきを伴っているように思えます。
言葉が現実とは遊離したまやかしに聞こえるというのは、オーエンの小説「1984年」を思わせますね。



10月X日

障害者自立支援法によって、施設やサービスの利用が減っているというニュースがありました。
NPO法人「大阪障害者センター」の調査ですが、

「同法の施行(4月)前の3月と施行後の5月で、福祉サービスの利用量の変化を聞くと、「減少した」との回答が最も多かったのが「ガイドヘルプ」で、32.2%の人の利用量が減っていた(増加は4.3%)。
これに続くのが「ショートスティ」(施設への短期入所)の24.8%(同14.7%)、食事や入浴など自宅での日常生活を援助する「ホームヘルプ」の20.3%(同4.5%)だった。」
((毎日新聞) - 10月7日)

という内容です。
どう見ても、厚生労働省が言っているという「利用が増えている。」というのは、ウソだと思います。



10月X日


民主党の障害者自立支援法に関する緊急提言の全文がわかりました。
Wordファイルに成っています。
衆議院の予算委員会で民主党の枝野議員が行った質問も、インターネットで見ることができます。
関心のある方はどうぞ。


10月X日

インターネットで、「民主党は4日、今年4月施行された障害者自立支援法で、福祉サービス利用料の原則1割を自己負担することになったことに関し、「障害者の生活を脅かし、自立を阻害している」として、1割負担を凍結する同法改正案を臨時国会に提出する方針を決めた。」との報道がありました。
民主党の方針は、そうでなくちゃと思わせるものです。
最近のニュースはいつも、腹立たしい気分になるばかりですが、久しぶりに、すっきりした気分です。
厚生労働省は、サービス利用者が増えていると言っているそうですが、どこからそんな情報を得てくるのでしょう。
利用者が増えているとしたら、制度が変わる前に、利用既得権を確保しておこうという人たちではないでしょうか。
新制度になると、何かと制限が厳しくなるので、今の内に利用実績を作っておこうというのではないでしょうか。

だいたい、精神障害者について言うと、障害区分認定の作業も遅れていて、現状把握もできていないのに、利用者が増えているなどと言うのは、どういう認識なのか疑ってしまいます。
無理矢理、障害者の医療福祉を介護保険と合体させようと言う動機が、あまりにも不純なのです。


9月X日

ひさしぶりに来院した患者さんが近況を語りました。
近所のスーパーに行ったら、キャベツを勧められた、買ったのは良いけれど、重くて、家までたどり着けず、携帯で友人を呼んで、助けてもらったとか。
でも、歩いて5分ぐらいの距離なのですから、よほど体力が落ちているのでしょう。
「それは大変、さっそく体力をつけないと。」
すると、患者さんは「そんなことより、私の夢は、お肉や肉屋さんで、お肉を買うことです。」
私は意味がわからず、しばらく考えてしまいました。
お肉屋でお肉を買う?
ではこれまで、魚屋とか八百屋でお肉を買っていたのか。
????
「これまで、お肉屋で、お肉を買ったことがないのです。いつもスーパーでラップしたのを買っていました。」
なんだ、そういうことか。
「お肉屋さんへ行くと、『どのお肉にしますか?』とか『何グラムにしますか?』と聞かれるでしょう。あれが駄目なのです。どうしてよいのか。お肉の種類もわならないし、どれくらい買えば良いのかもわからないし。」
「それは経験がないと、とまどいますね。」
「色々聞かれると、頭が真っ白になってしまうのです。」
「それは、大変ですね。」
「そうなんです。魚屋もだめなのです。魚の種類もわからないし、どう料理して良いのか。」
「う〜ん。困ったね。」
「お店の前はなるべく顔を背けるようにして通っています。」
「そうか。それは大変だね。でも、八百屋さんでキャベツを買えたのだから、進歩していますよ。」
「それが駄目なのです。八百屋さんの前を通ったら、『キャベツの良いのがあるよ。』と言われて、断り切れずに買ってしまったのですよ。そうでもなければ、どうして、運べないようなものを買いますか。バカにしないで下さい。」
また、しかられてしまいました。



9月X日

受付に新しく入ったスタッフのAさんに患者さんのBさんが話しかけていました。
「もう仕事になれましたか。」
「少しずつですね。」
そこに院長が通りかかりました。
Bさんが、「先生、私の診察の時間ですよ。」
「ああ、そうですね。今ちょっと探しに行ったところですよ。」
「ずっと、ここにいましたよ。」
「ああ、そうか。でも、さっきはいなかったのではないかなあ。それで、トイレへ探しに行ったのです。」
「探しに行ったと言っても、トイレにカギをかけたのはおかしいですよ。」
「そうかなあ。まあ、ともかく出トイレと言おうと思ってね。」
BさんはAさんの方を向いて、「ここで、スタッフなら笑わないといけないのですよ。まあ、少しずつ慣れていかないとね。」
Aさんは、そうかと頷いていました。
医院のスタッフになるのも大変です。



9月X日

連休は大阪千里で心理臨床学会というのが開かれていたので、覗いてみました。
ともかくすごい人でびっくり。阪急関大前駅でおりて、会場まで歩いたのですが、人混みが普通ではなく、
ホームに下りても、駅の構内から出るのに5分ぐらいかかりました。
花火大会の帰りみたいだと言っている人がいました。
いやはや。
それにしても学会員が2万人もいるというのですから、大変です。
これでは、地方で学会総会を開くのは無理でしょうねえ。
臨床心理士の資格更新には学会に参加し、ポイントをもらわないといけないので、
参加者が増えるのは当然ですね。
でも、これだけ臨床心理学を勉強した人が、今の日本で職場を見付けられるのでしょうか。
シンポジウムなどに出ていると、指導的立場にある人はかなり危機感を持っていて、自分たちの資質向上と、職域開拓、社会的認知への面では、とても意欲的に感じられました。
それに比べると、精神科医の学会などはのんびりしたものです。
精神科医がこの社会からなくなるなどと考えている人はいませんからね。
しかし、臨床心理を担う人たちの意欲を見ていると、精神科医もしっかりしないと、色々な活動分野を他職種の人たちに奪われかねないと思った次第です。




9月X日

最近の医院でのおすすめのお店をご紹介します。
一つ目は「スピカ」というお店です。
名前から言うと、ちょっとおしゃれなお店の感じですが、実は赤提灯です。
河原町三条を下がって、BALビルの北を東に入り、タナカコーヒーの向かいです。
рヘ075−241−4827。
飲み放題が3000円のコースと3500円のコースがあります。
飲み放題と言っても、つまみや食事がついてきて、とても食べ切れません。
食材が良いし、味付けも良いので、おすすめです。
オーダー時間は1時間半、全コース2時間の制限付きですが、料金を気にせず、飲み食いしたい人には良いでしょう。



この人が、スピカ名物の青木秀樹さん。
22歳、独身。


もう一つのお店は、純喫茶「クンパルシータ
西木屋町通四条上ルにあります。
рヘ075−221−2032。
でも出てもらえるのかなあ。

知る人ぞ知る、スローライフ、癒しのお店です。
注文してから、飲み物が出てくるまで、普通は2時間はかかります。
急いでいる人は、近寄らない方がよいです。
注文して、一時間してからお店の人が近づいてきたので、
やっと、できたのかなと思うと、オーダーの確認だったりします。
それでも、ファンがやってくるお店ですね。
早業60年。
創業時のママが今も現役。
いやはや歴史ですね



この人がクンパルシータの佐藤美恵さん。
年齢は???。たぶん独身。



9月X日

最近は「プリズン・ブレイク」というドラマに凝っています。
すでにDVDもレンタルできますが、
ネット上を探ると、結構いろいろな情報がわかります。
ファイル交換ソフトを使うと、アメリカでテレエビ放映されてから数日で、内容を見ることもできるそうですが、それは著作権違反でしょうね。
ホームページ上で最新情報を得るなら、NYテレビ日記というブログがあります。
ネタばれも一部ありますし、アメリカで直に見ている人の気分は味わえます。
Wikipedia には、あらすじが載ります。こちらは完全なネタばれです。
ところで、インターネットというのは、こういう情報だけは、瞬時に世界に発信されるのですねえ。
考えてみれば、アメリカのテレビドラマが世界中で瞬時に見られるからと言って、それがどうだというのでしょうかねえ。


9月X日

たまにはストレス解消にゲームなどいかがでしょうか。
色々と使い道もあるかと思います。


さて、私は色々な病気を相手にして闘いました。

適応障害には一発で勝利しました。

適応障害] 攻撃:36 素早さ:89 防御:16 命中:15 運:71 HP:114
[つかさきなおき] 攻撃:99 素早さ:86 防御:21 命中:10 運:70 HP:164

適応障害 vs つかさきなおき 戦闘開始!!
[適応障害]の攻撃 MISS [つかさきなおき]は攻撃を回避した。
[つかさきなおき]の攻撃 HIT [適応障害]は191のダメージを受けた。
[つかさきなおき]が[適応障害]を倒しました(ラウンド数:1)。

これなら楽勝と思ったのですが、ところが、他の病気にはすべて敗北。
逆にストレスになりました。

[つかさきなおき] 攻撃:99 素早さ:86 防御:21 命中:10 運:70 HP:164
[統合失調症] 攻撃:42 素早さ:88 防御:24 命中:20 運:80 HP:218

つかさきなおき vs 統合失調症 戦闘開始!!
[統合失調症]の攻撃 MISS [つかさきなおき]は攻撃を回避した。
[つかさきなおき]の攻撃 HIT [統合失調症]は179のダメージを受けた。
[統合失調症]の攻撃 MISS [つかさきなおき]は攻撃を回避した。
[つかさきなおき]の攻撃 MISS [統合失調症]は攻撃を回避した。
[統合失調症]の攻撃 MISS [つかさきなおき]は攻撃を回避した。
[つかさきなおき]の攻撃 MISS [統合失調症]は攻撃を回避した。
[統合失調症]の攻撃 MISS [つかさきなおき]は攻撃を回避した。
[つかさきなおき]の攻撃 MISS [統合失調症]は攻撃を回避した。
[統合失調症]の攻撃 MISS [つかさきなおき]は攻撃を回避した。
[つかさきなおき]の攻撃 MISS [統合失調症]は攻撃を回避した。
[統合失調症]の攻撃 HIT [つかさきなおき]は89のダメージを受けた。
[つかさきなおき]の攻撃 MISS [統合失調症]は攻撃を回避した。
[統合失調症]の攻撃 MISS [つかさきなおき]は攻撃を回避した。
[つかさきなおき]の攻撃 MISS [統合失調症]は攻撃を回避した。
[統合失調症]の攻撃 MISS [つかさきなおき]は攻撃を回避した。
[つかさきなおき]の攻撃 MISS [統合失調症]は攻撃を回避した。
[統合失調症]の攻撃 MISS [つかさきなおき]は攻撃を回避した。
[つかさきなおき]の攻撃 MISS [統合失調症]は攻撃を回避した。
[統合失調症]の攻撃 MISS [つかさきなおき]は攻撃を回避した。
[つかさきなおき]の攻撃 MISS [統合失調症]は攻撃を回避した。
[統合失調症]の攻撃 MISS [つかさきなおき]は攻撃を回避した。
[つかさきなおき]の攻撃 MISS [統合失調症]は攻撃を回避した。
[統合失調症]の攻撃 MISS [つかさきなおき]は攻撃を回避した。
[つかさきなおき]の攻撃 MISS [統合失調症]は攻撃を回避した。
[統合失調症]の攻撃 HIT [つかさきなおき]は85のダメージを受けた。
[統合失調症]が[つかさきなおき]を倒しました(ラウンド数:13)。


皆さんも、お遊び程度でよろしく。





9月X日


とうとう、障害者自立支援法で、閉鎖される施設が出てきました。
この「ブローニュの森」という施設は一度見学をしたことがあります。
スタッフに多彩な面々がそろったユニークな場所だったのですが、残念なことです。
グループホームに住んでおられた方たちはどうしていかれるのでしょう。気になります。


8月X日

診察が終わった患者さんに
「では、後はケースワーカに相談してください。」
と言いました。
するとすぐに、
「いやです。私はまともな人に相談します。」
「???」
よく聞くと、軽躁ワーカーと聞こえたらしい。
そりゃあ嫌かも。
でも、そんな聞き間違えするかなあ。


8月X日

お盆休みは、テレビドラマの『時効警察』のビデオを見ていました。
ゆる〜いドラマで、脱力系ドラマだとか。
時効警察というのは、主人公・時効管理課の巡査部長・霧山修一朗が何も趣味がなかった事をからかわれ、時効事件の捜査を趣味とする事になったお話です。
舞台は総武警察ということになっています。
そもそも、これは西部警察のパロディであることが明白なので、ギャグ多発が最初から期待されています。
時効事件なので、真犯人を見付けても、逮捕するというわけではなく、只真実を明らかにするだけです。
最終的には、犯人の自白を得て、決着とするわけです。
それで、主人公は、犯人の自白を聞いた後、誰にも言いませんよカードを渡します。

ところで、このドラマには、所々に、お寒いギャグが登場します。
例えば、第一話で、霧山が訪れた交番署には、次のような教訓が壁に貼ってあります。
「検挙は謙虚に。」
「逮捕のためには耐歩あり。」
何だかわかったようなわからぬような言葉です。

第六話には
「時効を待つ者、止める者。」
「時効の後に時効無し。」
などというのが登場しますが、ちょっと意味不明ですね。
さて、この回は、とあるスナックが舞台ですが、その近所にある飲食店は順番に
『ダーツバー・君』
『バー・僕』
『パブ・貴方』
『スナック・俺』
『スナック・私』
という具合です。
こんな看板を作るのにも、結構お金がかかっているでしょうね。

第九話では、
「捜査は操作せぬこと。」
「現場百回靴代自前。」
という教訓。
この回の交通標識は、
赤い三角に書いてある文字が「とまれ」ではなく「とれま」になっている。
なかなか凝っています。

一番感心したのは、第八話に出てくる食堂のメニュー。

キツキツ定食。800円。
我が家手作り・らっきょうカレー。??円
多め亭スペシャル・殺人的定食。1000円
ぎっしり、ぎっしり、ぎっしり・うな重。999円。
カジキマグロの姿盛り・1280円
野菜がっぽり・もっさり定食。480円。
豚肉のロースソテー・たった二きれ。1100円。
もつ煮込み。650円。
豚カツ・物足りないぐらい。830円。
ほとんど・何もない。1200円。(大根おろしの山にサンマが刺さっている。)
旬無い御膳。時価。
ぎっしり納豆定食。680円。
青い梅がいっぱい・青梅定食。600円。
マーボ丼。730円。
福神漬けカレー。550円。
カツ定食食。700円。(「食」がかさなるのは打ち込みミスにあらず。)
ミックス麺。650円。
うな丼。900円。
バッファローまる揚げ定食。950円。
どっさりかきあげ丼。580円。

よくまあ、これだけメニューを考えたものです。
「カジキマグロの姿盛り」なんて、すごいですね。

この食堂の名前は、「多め亭」
何でも多めに出てくる。
「豚肉のロースソテー・たった二きれ。」でも、実際は12切れぐらい出てくる。
「多め亭」という名前は、多めに出てくるからなのかと思ったら、
店主のおばちゃんは、「いや〜、青梅出身だからですよ。」
なるほど、それで「青い梅がいっぱい・青梅定食。」があるのですねと納得しました。

たまには息抜きもしないとね。



8月X日

先日、外来の患者さんが、足の裏診断機を持ってきました。
足の形をしたプラスチックの板に、沢山の突起が出ていて、その上に立つと、身体をツボを刺激するらしいのです。
身体に病気があると、その部分のツボが痛くなるので、病気をしている臓器がわかるのだそうです。
「先生の病気を診断してあげます。」というのです。
有無を言わさず、その診断盤の上に立たされました。
どうも有る部分が痛いです。
「○○が痛いです。」というと、患者さんが診断の表を見て笑い出しました。
指さした表を見ると、そこには「生殖器の病気」と書いてありました。
やはり、診断を受けると言うことは、抵抗を感じてしまいますね。



7月X日

毎日新聞に下記のような報道がありました。

医療扶助:生活保護者に「1割」自己負担 厚労省が検討

 厚生労働省は10日、全額税金で負担している生活保護受給者の医療費「医療扶助」について、08年度から一部自己負担を求める方向で検討に入った。医療機関の窓口で、最低でもかかった医療費の1割を支払ってもらう考え。ただ、受給者に自己負担を課すことは、憲法上の「最低限度の生活保障」を目的とする生活保護の理念を覆す、との指摘もあり、同省は慎重に検討を進める意向だ。

 06年度の生活保護費(予算ベース)は2兆6888億円。うち、51.8%に当たる1兆3940億円が医療扶助に充てられている。現在は、生活保護受給者が医療機関にかかっても窓口負担は一切不要で、財務省はこの点が生活保護費全体を押し上げているとみて改善を迫っている。

 社会保障費を2011年度までに国費ベースで1.1兆円削減することを目標とした政府方針を受け、財務省は今後5年間、厚労省に毎年社会保障費の伸びを2200億円圧縮するよう求める方針。厚労省は、07年度予算については、生活保護費の母子家庭を対象とした加算の縮小と地域加算の見直し、雇用保険の国庫負担削減などでクリアできるとみているが、08年度のメドはたっていない。このため08年度は、生活保護費本体部分の「生活扶助」の水準カットとともに、医療扶助への自己負担導入を検討することにした。

 同省はこの社会保障費の削減効果を1000億円台とみている。

 生活保護制度の改革をめぐっては、医療扶助を廃止し、生活保護受給者には市町村の国民健康保険へ移行してもらって自己負担を求める案が再三浮上している。ただ、市町村は「財政負担増を招く」と反発し、議論は進んでいない。このため厚労省は、医療扶助制度を残したまま自己負担を求める方針案を与党幹部らにも説明した。

【吉田啓志】

 ◇医療扶助 生活保護申請者で、自治体の医療助成制度などを活用しても生活が苦しい人が対象。社会福祉事務所などで発券する診療依頼書を持参して受診する。99年度の月平均受給者は80万3855人だったが、04年度は115万4521人と急増している。

毎日新聞 2006年7月11日 3時00分


福祉がどんどん切り捨てられていく状況です。
障害者や病人は、ただでさえ住みにくい社会の中で、ますます生きづらさを感じなければならないでしょう。
本当に困ったことです。


7月X日

宮城県で、9月から大崎市の精神障害者生活支援センターが廃止になるようです。
予算面からの福祉の後退です。
こういうことが広がっていくと、地域で暮らす精神障害者にとっては、とても住みにくくなってきます。
家庭への引きこもりや、病状の悪化などにつながらないか、とても心配です。
福祉の後退につながる動きには、反対の声を上げていきたいものです。



7月X日

自立支援という言葉をインターネットの検索で調べたら、児童自立支援施設というものを見付けました。
かっては教護院と呼ばれた施設が、1998年4月から児童自立支援施設と呼ばれることになったようです。
この施設は、犯罪などの行為をしたり、するおそれのある児童を入所、通所させる目的の施設です。
場合によれば、家庭環境などから生活指導を必要とする児童をも入所させれることになっています。
どうも、このころから自立支援という言葉が、市民権を得たようです。

このほかにも、平成16年から「若者の包括的な自立支援方策に関する検討会」というものが作られて検討が行われたことを知りました。
ここで、問題にされたのは「ニート」と呼ばれた若者への対策です。
若者の課題として、親への精神的・経済的依存の長期化、就労の不安定化、社会への関心の希薄化が指摘されています。

これにホームレスの自立支援を加えると、自立支援という言葉でイメージされている対象は、親や社会に依存し、積極的に社会参加しようとしない人々であり、目的はそれらの人々に社会参加を促すということになりましょう。
このようなイメージを障害者の自立支援にあてはめるとどういうことになるのでしょうか。
簡単に言ってしまえば、障害者は親や社会に依存し、積極的に社会参加しない人々という風に性格付けされるのではないでしょうか。
しかし、そのようなイメージが作れるとしたら、そこには作為的なものを感じてしまいます。
なぜなら、障害者は好きこのんで、親や社会に依存しているわけではありませんし、社会参加をひかえているわけではありません。



7月X日

障害者自立支援法という法律の名前を聞くたびに、なんともうさんくさい気分がしていましたが、
平成14年8月に「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法」が施行されていることを知りました。
また、「ホームレス地域生活移行支援事業」というものがあることも知りました。
ホームレスこそ地域で生活している人のように感じていましたが、どうもそうではないらしいです。

いったいいつごろから、こうした「自立」だとか「支援」という言葉が使われるようになったのでしょうか。
そして、いつごろから障害者を対象とした施策の言葉として使われるようになったのでしょうか。

東京都の「ホームレス等の自立支援等に関する東京都実施計画」には自立の目標として、「ちゃんと就職して働く」ということが挙げられています。
ホームレスの自立支援とは、公園などでテントを張って生活している人たちを、ちゃんと就職して働くようにさせることのようです。
しかし、好きこのんでホームレスになっている人がいるのでしょうか。

障害者の自立も「ちゃんと就職して働く」ということが目標なのでしょうか。
私の見ている範囲では、働きたくないと言う障害者よりも、「ちゃんと就職して働」きたいという障害者の方が多いです。
問題は適当な職場がないことです。



7月X日

 梅雨のためか、毎日うっとうしい天気です。
 このところ、障害者自立支援法の福祉サービスのための、福祉サービスにかかわる障害認定区分を確定するための、意見書を書かされています。
その内容は、老人に見られる身体疾患、障害を前提とした介護保険の意見書をそのまま流用した内容で、とても精神障害に配慮した物とは言えません。
いかにも、精神障害者の福祉サービスを近く介護保険と一体化するという、意思表示みたいなものでしょうか。
何ともやりきれませんねえ。
最近の新聞には、福祉切り捨て、弱者切り捨てで、こんなことなら税金を上げてでも、福祉を充実して欲しいという声が出るまで、切り捨てを推進するのだとか。
そんなことを考えるなんて、恐ろしいことです。
新聞には歳出削減と書いてありますが、私には福祉削減としか読めませんでした。
 




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