診療日記(2009,6,27更新)





この日記は、医院での診療の様子をお伝えするものです。ホームページを見て、受診した患者さんから、日頃の診察の様子や、医者がどんなことを考えているかがわかると、受診する時の参考になるということで、このコーナーを開設しました。




6月X日

リスパダールという薬の持効剤の注射が発売になりました。
ところがその値段があまりに高いので、批判が出ています。
一本25mgのものが2万円もするのです。
そんな高い薬を誰が使うのだろうと思います。
すでに内服薬が発売されていて、それなりの評価が確定しているので、持効剤であれば、使う医者もいるでしょう。
しかし、先行品のハロペリドールの持効剤の10倍ほどの値段です。
いくら効果があるとしても、10倍というのは高すぎです。
聞くところによると、アメリカでの小売り希望価格に合わせた値段になっているとか。
その値段に合わせるために、色々な理由を並べて、厚生労働省が許可したらしいです。
どうして、そんなにアメリカの言いなりになるのでしょうか。
ともかく、最近の新薬の薬価が高すぎます。
これでは、医療費が拡大するのは当然でしょう。
新しい薬がどんどん高くなっているのに、医療費を据え置きにしようとしたら、人件費などを下げるしかないでしょう。
とんでもないことです。



6月X日

土日を利用して、幕張で行われた精神科診療所協会の総会に参加しました。
幕張に行くのは初めてで、東京から1時間近くもかかってしまいました。
ともかく、お上りさんがうろうろという感じです。
精神科診療所協会は、精神科クリニックのあつまりです。
総会と言っても、学術交流が中心で、学会みたいなものです。
その会で、最近話題になっているのは、狭い意味で精神病とな言えないし、かといって特定の悩みを持っているわけではないのに、普通に学校へ行ったり、働いたりできない若者の話です。
そういう人達をどう考えたらよいのか、どう対応していったらよいのか。
そういう課題が大きなテーマになっています。
そういう人達を抱え込んでも、医療収入が増えるわけではありませんが、精神科医の直面している課題として、正面から見据えていこうという姿勢を精神科の開業医が持っているわけです。
日曜日は、朝の9時から夕方の5時半まで、座りづめでしたから、足がだるくなってしまいました。
お昼もランチョンセミナーと言って、お弁当を食べながら、講義を受けるのですから、まいってしまいます。
歩くのは、トイレに行くときだけ、精神衛生上よくないですねえ。



6月X日

今日は日曜日を利用して、円通寺の庭を見に行きました。
円通寺の庭は借景で有名なのですが、私は円通寺の庭の写真を見ていて、この借景は、東山をお釈迦様の涅槃像に見立てているのではないかと密かに感じていて、それを確かめたくて、行ってみたわけです。




何故、涅槃像かというと、円通寺から見た比叡山の写真を見ると、それが何本かの杉の木のような直立した樹木越しに見えるのです。
そして、お寺の本堂の柱がまた、その樹木と重なって見えて、それがどうも、柱と庭の樹木が同じように見える感じがしたのです。
涅槃図を見ると、横たわっているお釈迦さんの周りに沙羅双樹の木が見えて、林の中にいるかのようです。
それで、円通寺の借景に涅槃図を連想したわけです。



さて、実際に円通寺に行ってみると、お寺から見える東山連山を釈迦の姿だと考えると、北枕で西を向いていますので、型どおりの位置関係です。
そして、庭の木と本堂の柱は、同一平面に見えないことはありません。
さらに庭に並べられた石を見ると、それは釈迦を取り巻いて泣き崩れる衆生、諸動物にも見えます。
さらに、本堂にすわって、比叡山に対すると、自分がお釈迦さんの涅槃の場に同席しているような感覚になるのです。
その空間に置かれている感じがするのです。
私は自分の位置を色々と変えてみましたが、いよいよその感じは強まりました。
それで、お寺のお坊さんに、「このお庭を涅槃図としてとらえた方はありますか。」と聞いてみました。
すると、「そういう意見を述べた人はいませんが、どう見ようと自由でしょう。」とのことでした。
まあ、自由なんでしょうが、私には、どうみても涅槃図に見えましたねえ。興味のある方は、一度訪ねて見てください。



5月X日

インフルエンザの影響で、5月に行われる精神神経学会が直前に中止になりました。
なにぶん、流行の最先端地、神戸で行われる予定だったので、やむを得ないところでしょう。
ところで、この学会に参加しょうと思ったのですが、ホテルの予約が遅れてしまい、
気づいた時は、もう尼崎とか大阪市内しか空いていませんでした。
ホテルの予約をしたものの、ホテルから会場まで1時間もかかってしまうなあと、暗い気持ちでした。
それが、学会中止でキャンセルすることになりました。
学会のホームページで経過を見ていると、この8月に延期になるという発表がありました。
会場は同じ神戸です。
早速、ホテルを予約しましたが、今度は手を打ったのが早かったのか、
会場近くに確保できました。
やれやれです。
結果的に、延期されて助かった気分です。
しかし、真夏の学会というのも疲れそうですねえ。


5月X日

サラリーマン川柳というのが新聞に掲載されていました。
なかなかおもしろいので、転載してみます。
どうも、読者の投票みたいですね。

■恒例サラリーマン川柳
第一位 
 「しゅうち心 なくした妻は ポーニョポニョ」  (オーマイガット)
第ニ位
 「久しぶり ハローワークで 同窓会」  (転起)
第三位
 「ぼくの嫁 国産なのに 毒がある」  (歩人)
第四位
 「朝バナナ 効果があったの お店だけ」  (品切れ店長)
第五位
 「やせたのは 一緒に歩いた 犬の方」  (花鳥風月)
第六位
 「「ストレスか?」 聞かれる上司が その原因」  (読み人知らず)
第七位
 「コスト下げ やる気も一緒に 下げられる」  (敏腕経営者)
第八位
「「パパがいい!」それがいつしか「パパはいい」」  (はりきりパパ)
第九位
 「胸よりも 前に出るなと 腹に言う」  (えんどうまめ)
第十位
 「篤姫に 仕切らせたいな 国会を」  (玲子命)


ところで、サラリーマン川柳を募集しているのは、第一生命みたいですね。
そのホームページを見ると、ベストテン以外のものも紹介されていて、結構おもしろいです。
しかし、爆笑してしまったのは、審査員の山田五郎賞ですね。
いやーああ。
おもしろいねえ。
皆さん、ご自分でご覧下さい。

感心した作品は、
「何故わかる、わたしのイニシャル、KYと。」
うーん。
深いですねえ。


5月X日

インフルエンザの流行で、関西では色々と影響が出ています。
観光業界は大打撃ですね。
京都でも、感染者発生前から、ホテルのキャンセルが相次ぎ、修学旅行生相手の旅館などは宿泊者ゼロなどということもあるようです。
これで、いよいよ感染者が続出したら、本当にどうなることか。
猛毒のトリインフルエンザを想定した対策だったようですから、事後的に見ると、対応が杓子定規になってしまったところもあるのでしょう。
パニック現象が下火になったのは、冷静な対応ができる前提で、よかったと思います。
それにしても、今の日本の国は、ちょっと暴走気味のところがあるのではないでしょうか。
社会が危機的状態になると、政府への支持が高まるものだそうですから、自民党政府が意図的に危機を煽っているという見方をする人もいます。
どうでしょうか。
いずれにしても、マスコミがもう少し冷静な報道にこころがけるようになってもらいたいものです。
薬局からマスクが無くなって、医療機関が困るという状態ですからね。



5月X日

連休を利用して、沼津に写真を撮りに行きました。
富士山の写真を撮ろうとしたのですが、



ごらんの通り、曇っていて何も見えませんでした。
魚を釣っている人の上の方に、本当は富士山があるはずなのですが。
ねえ。
沼津の町をブラブラしていて、「シエスタ」というお店を発見しました。
早速、入ってみましたが、お好み焼きのお店だったですね。





お店の中は、こんな風で、サッカーフアンのお店でした。
いつでもサッカーの試合がスクリーンに映されていて、ゴールの瞬間が楽しめるということらしいですが、
こんなにあわただしいのでは、とても「シエスタ」の雰囲気ではないですね。
まあ、それでも食事時間なのに、お客が全く居なかったのは、シエスタらしくて良いのかも。




お好み焼きはこんな具合でした。ホットケーキみたいな形でした。
よくわからないけど、関西風なのかなあ。
それはそうと、旅行中、マスクをした人が多かったですね。
新型インフルエンザがもう流行しているようなかんじでしたね。






4月X日

今日は、年末に派遣村を組織した、湯浅誠さんの講演会に参加した。
直接話を聞くのは初めてだった。
湯浅さんが演壇に登るときの様子は、尊大な様子が全くなく、ヒョイヒョイとした歩きぶりだった。
市民運動の活動家というより、どこかの学生サークルの会計係が、予算の状況を部員に説明するという感じだった。
演壇に向かって、ちょっと斜めに構えて、淡々と事実を伝えようとする語り口だった。
話の内容が深刻であっても、激するわけでもなく、訴えるようでもなく、正確に伝えることが大事であるという態度だった。
こういう風な感情を持つべきだとか、こういう考え方が正しいのだと強要するそぶりは全くなかった。
最初から、終わりまで、話の調子は変わることがなかった。
大きな期待や夢を持つのではなく、なすべき事をなすだけの姿勢だった。
つまり彼は実務的な人間だと思う。
思想を語ったり、政治を押しつけたりする人ではない。
そういう人が、運動の中心を担っていることを見て、今はそういう時代なのだと感じた。

湯浅さんは、最初に派遣村から見えてきたものは、すべり台社会の問題であり、10年前に野宿者の問題として見えてきたものと、本質的に変わらないと述べた。
野宿者に係わったときにとらえた問題を、応用して処理しているだけだという話だった。
企業の福祉が縮小し、家庭の許容力が低下し、公的なセフティーネットが追いついていない。
それがまず、10年前に野宿者の問題として出ていた。
そういう話だった。
湯浅さんは、その当時から、具体的な運動に係わっていた。
しかし、講演の中で、そのことを誇るわけでもなく、自分が警告を発していたことを、強調するわけでもなかった。
湯浅さんの話は、自分が経験した野宿の体験から始まった。
コンクリートの上に毛布を敷いて野宿するときの寒さ、近寄ってくる人への恐怖。そういうことを体験すると、野宿を好きでやっている人はいないということが実感できる。
野宿者はそういう立場に追い込まれた人々なのだ。
そう、湯浅さんは語る。
それだけではなく、すべての議論が、冬の野宿の体験に支えられていることがわかる。
しかし、彼はそのことを自慢しているのではない。
根拠の一つとして、取り出して見せるだけである。
 
湯浅さんは、派遣切りの問題が、今の時代で一番重要な問題だと述べたりはしなかった。
「自分たちは何をしたらよいのか。」という大学生の質問に、「私たちの運動を応援してください。」とは、言わなかった。
「それぞれの人が、自分の場で考えて、動いてほしい。たとえ何の成果が生まれなくても、自分で動いて、考えることが大事です。」と述べた。

 一つの例が取り上げられた。
アメリカでナイキのサッカーボールがバングラディッシュの子供達の労働で作られていたことがわかって、アメリカの大学生が、その問題に取り組もうとしたけれども、外国のことなので、取り組めなかった。
では、何ができるのかを考えて、自分たちの勉強している大学で働いている、掃除夫や駐車場の職員が、どういう労働条件で働いているのかを調査して、その問題に取り組んだという。
そこから、人種差別や、非正規雇用の問題などが出てきて、その是正を大学当局に要求したというのだ。

正しい考えや、正しい運動が賛同者を得て、広がっていくとか、大きな組織に発展するというイメージは語られなかった。
それぞれの人が、自分で考え、動き出すことを勧めていた。

必要なことは力を得ることではない。必要とされているのは知性なのだよ。
彼はそう語っているようだった。



4月X日

今日は外来受診中の方が、趣味で作っているというビーズ細工を持参されました。
すごく精巧で、びっくりです。
カメラのピントが合っていないので、見にくいですが。
いやーああ、すごいです。
大きさを示すために横に置いたゼムピンでその大きさがわかってもらえるでしょう。
男性でも、こういう趣味の方がいらっしゃるのですね。
これは、シャネルのマークですね。
いやあ、まいりました。




4月X日

医院にやってくるお薬やさんの写真を載せましたが、いつも女性ばかりではないかというおしかりをいただきましたので、
今回はフレッシュな男性をご紹介します。



じゃんけんでチョキを出したところではなく、ピースです。
おでこが光っているところなど、若さですねえ。


3月X日

日によって外来を受診する人の数が変わるので、調子がくずれやすいこのごろです。
どうして、日によって変わるのか良くわかりません。
これまでは、天気の悪い日と良い日は受診者が少ないという法則がありました。
ところが、その法則が崩れています。
天気が良いのに多い日もあれば、曇りなのに受診者が少ないとか。
通院のベテランの人になると、その日の天気で、待ち時間が分かってしまうという人もあるのですが、
最近ははずれぎみです。
今日は待ち時間が長そうだと、ゆっくり読めると思って小説を持参したのに、待ち時間が短くてびっくりということもあります。
逆に、待ちくたびれて帰ってしまわれる方など。
予想がつきません。
それでも、「待ち時間が短くてびっくり」という患者さんに「では、もう少し待ちますか?」と質問して、
「はい。もう少し待つことにします。」と返事された方はありませんね。



3月X日

群馬県渋川市にある老人施設で火災があり、10名の入所者が亡くなったと言うことです。
かって、精神科病院の火災で焼死者が続出したことがありました。
燃えやすい木造建築で、ドアには鍵、窓には鉄格子で、一度火災が発生すると、逃げ遅れて死ぬ患者が多かったのです。
その後、多くの精神科病院は耐火建築になりましたが、その資金の多くは医療金融公庫の低利の貸付金でした。とても自前ではまかなえなかったのです。その当時、医師会長が精神病院は牧畜業者だと暴言を吐いたことがありました。治療などせず、ただ収容しておくだけなら、牧畜業と同じだと批判したのです。中身のある治療を行えるほど、医療費が精神科には回されていなかったのです。
それでも、日本の経済力の発展によって、精神科病院も耐火建築となり、焼死者はまれとなったと思います。
今、老人施設の現実を知ると、かっての精神科病院が見捨てられた人々の生きる場であったように、老人施設がそのような役割を担わされていることを感じます。
それにしても、新聞の報道は、どうして法律に違反したかということばかり取り上げるのでしょうか。法律に違反していなくても、おかしいことはおかしいのだし、その根拠をさぐるべきでしょう。
法律違反を指摘すると言うことは、法律さえ守っていれば正しいという意識を生み出しますし役所の指導や管理が行き届けば、万事安全という考え方を強化してしまうと思います。


3月X日


所用で、広島の町を見てきました。
食事は、広島名物のつけ麺でした。
土地の人の推薦する「ばくだんや」へ行きました。



何だか冷麺みたいなかんじです。
右にあるのが麺をつけるタレです。
唐辛子の量で、味が決まるようです。
とりあえず、2倍量の辛さに挑戦しましたが、
なんと言うことはありません。
2回目は4倍量に挑戦。
まあ、ちょっと辛いかなと言う程度です。
20倍以上になると、店内の番付に載るのだそうです。
次回は、15倍ぐらいから挑戦しようかと思っています。


3月X日

NHKスペシャルの「うつ病治療 常識が変わる」が話題になっています。
診察に来られる患者さんから、次々と質問されます。
「あの話しは、本当なんですか?」と具体的に質問される方もあります。
精神科医の立場から言うと、正しい部分もあれば、そうでない部分もあります。
総合して言うと、そんなに簡単に断定しても良いのかなあと言うところです。

むちゃくちゃな薬の出し方をしている精神科医がいるとか、机とイスがあれば開業できるとか。
そういうこともあるかも知れませんが、すべての精神科医がそうだというわけでもないと思います。

精神科では「同じような症状でも、医者によって処方される薬が全然違う。」という話しもありますが、
風邪や腹痛でも、医者によって処方される薬は違うでしょう。
違うからと言って、まったくでたらめであるというわけではありません。

この番組の意義の一つは、「うつ病はこころの風邪」などといって、簡単に治るかのように宣伝したことの批判です。
キャッチフレーズで、以前なら精神科受診を躊躇った人が、受診しやすくなったのは事実です。
しかし、だからと言って、治療しやすくなったと言えるかどうかはわかりません。
精神科の治療には、微妙で適切な判断が必要とされることはかわらないと思います。
そもそも「常識が変わる」と言っても、それはだれの常識なのかと思います。
精神科医は誰も最初から「うつ病はこころの風邪」などとは思っていないでしょう。

うつ病はそれこそ、なかなかに油断ならない病気です。
うつ病という名前にくくられて、色々な状態の病気が区別されることなく、薬物療法を受けるとしたら、
治療効果が上がらなくても不思議はありません。
では心理療法に切り替えたら、きれいに治るかと言えば、そんなこともないでしょう。

書いてみたいことは色々ありますが、表現方法が難しく、これまでとしておきます。


NHKスペシャルの「うつ病治療 常識が変わる」を見落とした方は、クリックしてご覧下さい。




2月X日

今日はネットのニュースを見てびっくりしました

30数年、戸籍に「長女」…本当は長男、婚姻届でミス発覚

2月14日20時1分配信 読売新聞

島根県出雲市は14日、30歳代の男性の戸籍が「長女」と誤って記載されていたと発表した。
男性が市に婚姻届を提出し、発覚した。
男性の出生届を受けた当時の職員が、戸籍に続柄を手書きした際、ミスしたという。
市は、男性らに謝罪し、戸籍を訂正したうえで、婚姻届を受理する。
同市市民課によると、市平田支所が12日、男性から11日に提出された婚姻届の手続きをしていた際、本来、「長男」の続柄が「長女」になっていることに気づいた。
市は、いったん婚姻届の受理を保留とし、男性の母子手帳などを基に法務局に戸籍の訂正許可を申請した。
男性は、住民票の性別欄は「男」になっていたため、これまで気づかなかったという。
長廻栄・市民課長は「人生の門出に、迷惑をかけて申し訳ない」と話している。


実は私が高校に入学して、しばらくしたころ、担任の先生から職員室に呼ばれて、
「君!大変だぞ。君は女だ!何とかしないと結婚できないぞ。」と宣告されたのです。
入学の時に提出した戸籍抄本には私の続柄欄に「長女」と書かれていたからなのです。
私は驚いて、市役所の窓口に行ったのですが、
係の人は、戸籍を取り出すと、「あっ。ほんとだ。」と言って、素早く斜線を引き、「長男」と書いて、訂正印を押し、
「これで男になりました。」と断言してくれたのです。
私は、安心したと同時に、性転換がなんと簡単なことかと思ったものでした。
市民課長が出てきて「人生の門出に、迷惑をかけて申し訳ない」と話してくれたら、もうちょっと厳粛な感じだったのではないかと思います。
その時、同時に家族の戸籍を調べてもらったところ、私の弟の父親が祖父の名前だったり、結構いい加減だと思ったものです。
しかし、この記事を見ると、新聞に載るくらいの大変なミスだったのです。
それとも、昔なら笑ってすむ話しが今は大事件になっているのでしょうか。



2月X日

バレンタインデーが近づいてきましたね。
私も患者さんから、プレゼントをもらえる喜びを感じています。
ある人のプレゼントは、じゃこ山椒でした。
「カルシウムを取っていらいらしないようにしてください。」
有難い、プレゼントです。
今日頂いたのは、




チョコレート売り場は一杯だったので、おまんじゅうにしました。
やはり日本人は和菓子が良いとのアドバイスです。
有難い、プレゼントです。

次は、いよいよ。
「手作りです。!」
本格的手作りチョコの登場。



ところがどうも手に取ると軽い。
あれ!?
粘土作りのチョコでした。
う〜ん。
これなら腐ることもないし、来年も使えるし、大体メタボの原因にもならない。
有難い、プレゼントです。




2月X日

土曜日と日曜日を使って、福岡へ行きました。
日本精神神経科診療所協会の研修会です。
難しい話は読む気がしないというコメントがありまして、今回もラーメンの話。
博多と言えば豚骨ラーメンです。
駅前のラーメン屋に入りました。
メニューの一番上にあるのが、角煮ラーメン。
それを注文しました。
他には明太子ラーメン、辛味噌ラーメン、きむちラーメン、山笠ラーメン、きくらげラーメン
めんまラーメン、などがありました。
注釈なしの「ラーメン」もありました。
山笠ラーメンなんていかにも博多風ですね。




お店の壁には、一日30食と書いてありました。




スープは豚骨ですね。
角煮の方は、普通の焼き豚の半分ぐらいおの大きさで、厚さは3〜4倍。
それが5個ぐらい入っていました。
麺は若干硬めでした。
普通の玉では物足りないです。
具が多すぎですね。
ゆで卵が浮かんでいて、これは半熟で、黄身がとろ〜りとしていました。
780円です。
お店の女の子がやたら厚化粧でした。
ラーメン屋で厚化粧。
どういう意味なんでしょうか。
厚いのは角煮だけでよいでしょう。



1月X日

今日は外来にやってきた患者さんから、オバマ大統領の就任式の話を聞かされました。
ほとんど、徹夜で見ていたそうです。
私は、オバマ大統領の就任式には福井県小浜市の代表が列席できなかった話に同情したぐらいで、
あまり関心はなかったのですが、とても感動ものだったそうです。
それで、今日は家に帰って、色々情報を見ましたが、私には、就任演説より、
アレサフランクリンの歌の方が感動的でした。



1月X日

診察室に座る時に、患者さんそれぞれに癖があります。
診察室の扉を完全に閉めないで、ちょっと開けておく人。
患者さん用にと用意してあるイスに座らずに、家族用のイスに座る人。
それにイスに座らずに、最初から最後まで立ったままで話す人。
後ろ向きに坐って、顔を見せない方もいらっしゃいます。
それぞれの人の癖はなかなか変わらないのですが、今日は突然、何年も続いた癖を変えた人がいました。
どうして、変わったのか、とても興味が湧きました。
でも、あまりそれを改まった感じで聞くもの大げさなので、今日は聞きませんでした。
何があったんでしょうか。とても興味を持ってしまいました。


1月X日

派遣村に関するブログでおもしろいものがありましたので、ご紹介しておきます。
派遣村の状況について、臨場感あふれるレポートになっています。

年越し派遣村でお手伝い。
今日も派遣村でお手伝い
1月4日の年越し派遣村レポート
年越し派遣村: おまけ話



1月X日

今日外来を受診された患者さんは、一月ほど前仕事をやめて、ハローワークへ相談に行ったところ、
あなたのケースは派遣切りですと言われたそうです。
住む家があり、働いている家族がいるので、深刻さがないため、派遣切りと言われてもピンとこなかったそうですが、
もし、単身生活だと、本当に明日から生活に困るところだったのです。
その話を聞いて、いよいよ派遣切りが、自分のすぐそばまでやってきていることを認識しました。
自治体が行っている緊急雇用対策の対象になるらしいのですが、それも今年の3月末までです。
今後、同じような事態が、自分の身の回りに次々と起こっていくとしたらと思うと、実に嫌な気分になります。

ネットでは「派遣村」のことがことが色々話題になっていて、うさんくさく思う人のいるようです。
しかし、「派遣村」は年末年始に路上で凍死する人を防ぐという目的で作られたもので、ひとりでもふたりでも命を保てる人が出て、
できれば、公的な支援に道を開くというねらいがあっただけのものだと思います。
生活保護は、弾力的な運営が可能な制度ですが、行政の指導は、対象者を絞るという原則から、門前払いを実施してきました。
今、派遣切りが問題となり、生活保護制度の弾力的運用が実行されつつあります。
「自立生活サポートセンター・もやい」のねらいは、貧困問題の指摘と、その解決にあるのであって、
新自由主義との全面対決にあるのだとは思いません。
また、そういう能力を持っていないし、持とうともしていないと思います。
自分たちは、貧困問題の解決を考えているのであって、社会全体の変革とか、根本的な解決につながる政策提言をしようとしているのでもない。
そういう立場だと思います。
私は、そういう自分たちの限界を見定めているところに、信頼感を持つのです。



1月X日

またまた、派遣村の話ですが、加藤登紀子さんのブログに、インタビュービデオがアップされているので、
ご紹介します。
内容は、派遣村撤収段階の影像ですが、派遣村の雰囲気の一部はわかりますね。

派遣村 速報レポートby 加藤登紀子 Tokiko Blog PART1/2
http://jp.youtube.com/watch?v=vBwtzIZhTJY

派遣村 速報レポートby 加藤登紀子 Tokiko Blog PART2/2
http://jp.youtube.com/watch?v=9uusY_JgUmI


坂本哲志総務政務官(自民)が5日、東京・日比谷公園の「年越し派遣村」について、
「本当にまじめに働こうとしている人たちが集まっているのかな、という気もした」と述べたそうです。
色々と批判を受けて、発言を撤回したそうですが、撤回するだけでなく、派遣村の人たちと話し合いの場を持つべきでしょう。
すみませんというだけでは、話になりませんね。
「政治は国会議事堂で起こっているんじゃない。現場で起こっているんだ。」と認識してもらいたいですね。


1月X日

派遣切りをされた労働者が、日比谷公園に集まって、年越し派遣村という取り組みがおこなわれているそうです。
『反貧困』を書いた湯浅誠氏が村長をしているとか。
それで、集まってくる人が、当初の予想を遥かに超えていて、収容しきれなくなって、
厚生労働省に交渉した結果、厚労省の講堂を使えるようになったらしいです。
新聞やテレビでその様子が紹介されていました。



私は、かって1995年の阪神淡路大震災の時に、神戸の町にボランティアでよく行ったのですが、
その時、小学校や中学校の避難所で見た光景そのものです。
鉄骨住宅に住んでいた人は、そのまま自分の家に住んでいる。
木造アパートに住んでいた人は、家が瓦礫の山になってしまって、暖房もない避難所に布団を並べて過ごしている。
ビルの一階には、喫茶店が営業していて、暖房の効いた部屋で、コーヒーを飲んでいる。
避難所の人は、毛布をかぶって配給された弁当を食べている。
それが、数十メートル離れて共存している。
今起こっているのは、地震ではなく、不況なのだろうけれど、一番ひどい目に遭うのは、お金の無い人、貧乏な人、立場の弱い人。

年越し派遣村のホームページを見ましたが、厚生労働省に申し入れをしていて、
その内容がことさらな政府、厚生労働省の批判なのではなく、極めて具体的な制度提言、政策提言を行っていることです。
私など旧い世代とは違った、新しい感覚なのだなあと思い、頼もしく感じます。



派遣村の寄付金送付先は、みずほBK銀座支店 普通2692964 派遣村寄付金口座 弁護士 棗一郎とのことです。

年越し派遣村のホームページはここです


1月X日

年末には九州へ遊びに行きました。
息抜きの旅行です。
毎日、5分単位の仕事をしているので、忙しい気分ばかりです。
たまには、のんびりと一人旅を楽しみました。
題して、長崎チャンポンと佐世保ハンバーガーの旅です。
京都にもチャンポン麺の店があって、時々食べに行くのですが、一度は本格的な長崎チャンポンを食べてみたくて、行ってきました。
色々食べて見たのですが、長崎駅近くの長崎軒のチャンポンはおすすめでしょうか。
ともかく具が多い。どんぶりからあふれそう。
具のてっぺんに卵が殻のまま乗っている。
温泉卵なんですが、火山のてっぺんの溶岩みたいです。
お腹一杯になりました。
1000円です。
デジカメが壊れて、画像はありません。

長崎で一泊し、佐世保へハンバーガーを食べに行きました。
駅にハンバーガの巨大な張りぼてがありました。
佐世保ってハンバーガーの町なんですね。



行ったのはビッグマンというお店。
店の前には、人だかりです。
行列を作っているので、その列の最後にいたのですが、
どうも様子がおかしい。
聞いてみると、お店の中で注文して、持ち帰りの人が店の付近に立っているのです。
早速、お店に入って見ると、席の数は12席ぐらい。
それに席が空いています。
注文してできあがるのを待っていました。
ほとんどの人は持ち帰りですね。




できあがりのハンバーガーですが、こんな感じです。
これは、斜め上方から見ているので、
本当はパンの厚さは上下でも全体の1/4か1/5位です。
上下からパンを挟んで食べようとしても、とても一口では食べられない。
無理に押さえると、中に挟んだものの中から、マヨネーズがたれてきたり、
いやあ、大変です。
美味しいことは、美味しい。
いや、実に美味しいのですが、
どんなに口を開けても、食べられない。
アゴがはずれるおいしさとはこのことですね。



と言うわけで、みんなが持ち帰りにして、
家でゆっくり食べるという理由もわかりました。
こういうハンバーガーを食べると、もうマクドナルトなどへは行けませんね。
これで、500円でした。



1月X日

新年おめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いします。
診療日記の更新もできるだけ努力していくつもりですので、
どうぞ応援のほどお願いします。

さて、年末のエピソードを一つ。

ある患者さんが年末に質問してきた。

「先生、初詣は行くのですか?」
「そうだねえ。どうしようなかな。」
「是非、行ってください。先生もこのごろ、髪が薄くなってきていますからね。」
「そうかもしれないけど、初詣をすると髪がはえるのかなあ。」
「そりゃあ、そうですよ。発毛デーですから。」



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